結局、まだまだ人気の「一般職」は、狭き門なのです。

女子学生でも「総合職に!」という人が増える中、まだまだ「一般職」の人気は根強いです。

特に地元志向が強い愛知近郊では、「自宅から通勤できる事務職=一般職」として希望する女子学生が多い印象。

ところが名古屋では、歴史ある女子大が金融や地元メーカー一般職の学校推薦枠を数多く持っています。

そうすると、他大学で一般職だけを目指して就職活動をしている女子学生は、それ以外の数少ない枠を希望する学生で争い、狭き門になってしまうのです。

近年、地方銀行では一般職をやめて総合職だけの募集にする銀行も増えてきていますし、採用人数が「若干名」なんていう企業もあり、より狭くなるばかり。

そこで、一般職を目指して活動している学生は企業の垣根を越え、「一般職」という枠に自由応募として選考を受けていきます。

すると、就職活動中の学生曰く、「地元企業の一般職の説明会へ行くと、同じ人ばかり」といった状況に。

「え~っ、大学推薦、無いんですか!?」

「○○大学の友達は、一般職の推薦受けるって言ってました~(T_T)」

企業説明会が始まる時期になってそう嘆く女子学生には、今からできる方法を確認しながらのサポートをすることになります。

そう考えると、本当に一般職という働き方がいいという人は、一般職に関する推薦枠の多い大学を選ぶということが選択の一つになってきます。

だったら、高校もしくは中学の段階でその選択ができるか…ということに。

早い時期から、自分の進路について考える機会も必要ですね。

その意味も含め、最近では小・中学校でもキャリア教育が盛んになってきています。

小学校や中学校の時点で、自分の将来を具体的に考える意識を持つだけでも、様々な選択の場での判断に繋がります。

ただ、人は自分や周囲の思う以上に成長します。

成長して変化したことを認めながら、成長した自分を活かせる方向へ進んでいきたいですね。


続・いまどき女子の就活事情 一般職って…。

一般職って、何をするのか、ほんと分かりにくい名称ですよね。

一般職と総合職の違いは、仕事内容と転勤の有無の違いだと思っている人が多いのですが、給与や昇給、更には研修を受ける機会も違うのです。

ところが、どうしても、新卒で就活をしている女子学生たちは、初任給や直近の仕事の内容で判断しがちです。

でも、入社してから、徐々に同期の中で給与・賞与格差が生まれると、やる気に大きな影響が出てきます。「こんなにがんばってるのに、あの子よりボーナスがこんなに低いなんて…」

15年も経つと、倍近く差が出る企業もあるのです。

他にも、仕事をがんばって、新人の指導も任されるようになって、評価もされている。この部署全体のことを考えて関われる仕事にやりがいを感じてきた。となった場合、マネジメント業務へ可能性が開かれているかどうか。

もちろん本人の希望や適性もありますので、一般職の存在は、選択肢としていいと思います。

ただ、なんとなく「サポート好きだから」とイメージで選ぶのではなく、この企業の一般職はどういう仕事をするのか、自分は入社してどのように仕事をしていきたいのか、いったん立ち止まって考えてみることが大切です。

イメージ通りの一般職なのかは、調べて納得して選んでほしいのです。

ちなみに、私が新卒で就職した一般職は、残業も、県外へ泊りがけの出張もありました。やりがいはありましたが、同期男子との賃金格差には、3年目にしてモチベーションが下がりました。

その同期は全国転勤があって東京から引っ越して来ていたのですが、私も地元ではない浜松に一人暮らしだったので、「転勤してもいいのにな~」と思ったものでした。

せっかく働くなら、やる気にあふれて、いきいきと働きたいですね。


いまどき女子の就活事情 一般職って…。

私が就活をしていた時は、男女雇用機会均等法が施行されてから数年後。女性対象の総合職もあるにはあったのですが、これから先の人生を仕事に賭ける覚悟が必要な存在でした。

結婚・出産を経て働くなんて、無理なんじゃないかな~と漠然と考えてしまう働き方でした。

ところが、今や女性の総合職は珍しい存在ではありません。

逆に、一般職の枠を設けていない企業では、女性も含め、全員総合職採用ということもあります。

結局、産休や育休の整備が進み、男性にも育休取得をという世の中ですので、「総合職だから結婚・出産は無理」ではなくなっているのです。

今では地域限定総合職という両方を併せ持った職もあり、地域的に転居を伴う異動はしたくないけれど、総合職のように働きたいという学生には人気です。

こうやって選べるようになると、逆にどうしたらいいか迷ってしまいます。

私が就職した当時は、男→総合職で転勤あり、女→一般職で転勤なし、という、ある意味分かりやすい採用状況でした。

ところが今や、以前一般職がしていた仕事は、契約社員や派遣社員がしている企業も多く、「サポートする一般職」とまとめて言われている業務内容が、実は想像しにくくなっています。

現実には、総合職や一般職・地域限定総合職の違いは、各企業が設定していて、企業ごとに業務の範囲も責任も違います。

だから、その企業での業務内容を知って、自分が考える働き方と照らし合わせたうえで、総合職・一般職、あるいは地域限定総合職を選択してほしいのです。

そうでないと、入社後、こんなはずでは…と後悔することに。

つづきはまた次回…。


その会社に入ったら、私何をするんですか?

就職するときに、会社の名前と事業内容を聞いただけでは、いざ自分がそこに入って何をするかは分かりません。

学生だと就業経験がないので、入社後、「こんなはずじゃなかった」と違和感を持ち続ければ、それが原因で辞めてしまう人も…。

私が新卒で入った職場では、一般職でありながら、残業しないと仕事は終わらないし、日帰りの県内出張も月数回、年に何回かは泊りがけの出張もありました。

これを、「一般職はデスクでパソコンに向かって書類作成して、定時で帰宅」と思い込んで入社したら、違いは大きいです。

そんな誤解を防ぐ目的も含め、仕事そのものや職務理解のためにOBOG訪問も勧めてはいますが、最近はインターンシップを行うところも増えてきました。

就職前に実際に体験して、自分の方向性に活かすことができます。

うちの子供達がまだ幼い頃、キッザニア(職業体験型施設)で付き添いながら、「私だったら~、マヨネーズ工場で研究員やって、次はホテルスタッフで…」と妄想していた私には、うらやましいの一言です。

情報としては、企業のHPにある社員の声や、就活情報サイトの社員紹介(企業のPR入りますが…)、厚生労働省の「若手・中堅・ベテラン社員へのインタビュー集」もインターネットで検索できます。

いろんな角度から想像してみるといいですよね。

他にも、主に企業内の人材育成や評価の目安に使う「職業能力評価基準」も、具体的な文章でその職の内容が説明されています。

自分の職で求められていることは何か、ステップが上がったらどんなことをするのかが分かり、ステップアップした先を考えて、具体的な目標を立てることもできます。

目標が見つかったり、目標となる先輩がいれば、乗り越えられることもありますよね。


大学の就活事情、いまむかし

私が大学生のころの「就職課」は、就職が決まったら報告へ行くところ、といった認識でした。

私が就職活動をしたのはちょうどバブルがはじける直前で、拘束という名の豪華食事接待もある時代でした。男の同級生達は、実家に泊まって地元で活動しつつ、面接の交通費を下宿から申請して稼いだり(やっちゃだめですよ)、内定数を自慢したりしていて、ほんと、氷河期の学生さん達には申し訳ない売り手市場でした。

当時は、下宿に電話帳のような分厚い就職情報誌が箱に入って送られてきました。その中に閉じこまれたハガキをせっせと書いては、資料を請求したり、セミナーに応募したりすることから、就職活動は始まりました。

男子学生の中には、背の高さほど情報誌が送りつけられていた人もいましたが、当時はまだ女子学生はお呼びでない企業も多く、私の下宿には、男子学生の3分の1にもならない量しか送られてきませんでした。

中には、私の名前を見て男と間違えて電話してきて(男女どちらもいる名前なんです)、「女の方でしたか…」と電話を切る失礼な企業(N証券)もあったくらいです。

と、いろいろありながらも、当時はほとんど自分達で活動していましたね。

ところが今は、各大学が在学生の就職活動に向けて、各種セミナーや相談できる環境を整えています。特に私立大学では、就職状況を大学を選ぶ目安にしている父兄も多く、大学志望者を増やすためにも、手厚いサポートが準備されています。

それに、2013年度の調査では、今や大学では、「キャリア教育」が授業の教育課程内で99.1%、課程外で93.0%も実施されているとのこと。

つまり、キャリアを学ぶことが単位になっているわけです。必須科目になっている大学も半数に上ります。

勤労観・職業観の育成とか、社会人基礎力を育てる授業とか、企業関係者の講演とか、内容も様々工夫されています。

早期離職を減らすため、であったり、自分らしいキャリアを考えてもらうため、であったり、私が大学生だった頃はじっくり考えてもいなかった内容について、学生と社会を繋ぐ教育として、今まさに、盛んに取り組まれています。

そんな流れの中、23日に「キャリア教育実践講習」が名古屋でも開かれており、私もキャリア教育の授業プログラム作成について学んできました。

授業プログラム集もいただけたので、より具体的なイメージが湧きました

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ちなみに、私が新卒で就職した法人は、内定者拘束のために内定者同士でバンドを組ませ、レッスン2回を経て内定式でライブをやるという、まぁなんとも変わったところでした。

それでも内定式当日、ギターがいないとか、キーボードがいないとか、辞退してこなかった人もいましたね。

そんな時代も懐かしい…。


人の「力」を信じるキャリアコンサルタントに

先月修了したキャリアコンサルタント養成講座の受講生の勉強会に参加しました。

今年の4月から、キャリアコンサルタントが国家資格になって、受ける試験の名前も、「CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)資格認定試験」から「キャリアコンサルタント試験」へ変わりました。

私は、資格の名前が変わり、世間的な職業の印象として、「導く・方向性を示す」イメージが強くなったように感じています。

でも実際は、「コンサルタント」が来談者を導く訳ではなく、コンサルティングの中で、来談者自身が「自分」で気づくことも促していきます。

人は、誰かに指示されたことは、気が向かないとやらないけれど、自分が決めたこと、大切だと思ったことはやってみようと行動します。

だからこそ、自分で気づき、自分で行動できるその「力」を信じることが必要なのです。

その根本は、「コンサルタント」と名称が変わっても変わりません

人間にはもともと「力」がありますから、ちょっとうまくいかない状況の中でも、その「力」を信じて接する存在が大切なのです。

次回の試験に無事合格して、来談者の力強い味方になるキャリアコンサルタントが増えるよう、私も応援していきます。


台風16号の混乱に巻き込まれ、名古屋の人の多さを知る

名古屋市内で用事があり、台風16号がちょうど名古屋へ近づく時間に行かなければいけないことに。

私が利用している路線は大雨で止まりがちなので、心配しつつ向かったのですが、案の定、帰りに電車が止まってしまいました。

まぁ、覚悟していたので、最善の方法を探しながら、あとは並んで待つことに。

待っている間、私は、名古屋の人の多さに、つくづく感心してしまいました。

こんなにたくさんの人が、名古屋の近くに住んでいて、通勤して働いているんだ~。

なにせ、地元山梨にいたときは、県庁所在地の甲府市街地でも、こんなに人はいませんでした。

働きに行くにも車通勤が多く、電車利用の人はあまりいないのです。

規模の大きい企業も少なく、地元で働く大卒の友人は、教員や公務員、地元の銀行員がほとんどですし、大学を卒業して、そのまま東京で就職した友人も多かったのです。

そう考えると、名古屋は、自宅から通える地元にこだわったとしても、仕事がたくさんあります。

自分のいる環境によって、人生の選択肢の数も幅の広さも、実は違うのです。

ただ、それを名古屋近郊の人に言っても、なかなか実感してもらえません。

多くの選択肢の中から選ぶことができるなんて、私にとっては恵まれていると思うのですが、当事者となると、あまりよく分からないんですね…残念。

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2時間かけて無事帰宅したものの、今度は、近くの川が氾濫しそう!と、台風に振り回された一日でした。


大学受験での思いを、就職活動でリベンジする

昨日、次男のセンター試験の受験料を振り込みました。銀行窓口の受付印が必要なので、これは親の役割ですね。

遅ればせながら、いよいよ次男も受験モードに入ったようです。

同じように育てても、長男と次男では大学受験への取り組み方も、志望校の決め方も違い(文系・理系も)、不思議なものです。

昨年、私立大学で就職支援に携わっていた時に、「国公立大学の受験に失敗したので、就職はリベンジしたい」という学生に、何人も出会いました。

企業の面接で、「どうして今の大学を選んだか」聞かれるのがつらいと。

その年は、私自身、ちょうど長男が受験生だったこともあり、受験生がどんな気持ちでどんな日々を送っているか、その結果が出たときの状況・気持ちが頭をよぎりました。

その学生たちの話に、どうしても、「親」としての「自分」の感情が動いてしまい、私は「カウンセラー」としてセーブしながら、その学生たちと向き合っていました。

それでも、自分の中の失敗経験を、次の機会にリベンジしようとするその学生たちの熱意には、ただただ、心打たれるものがありました。

就職活動を精一杯乗り切り、その学生たちは、それぞれに納得のいく方向へ。

失敗経験に押しつぶされずに大学生活を送り、目の前の機会で更にステップアップを遂げた学生たちの前途を、今も、心より応援しています。


大切なのは「自分の問題」か「周囲の評価」か

「失業して自殺するのは日本人だけ」だそうです。

日本人は、近所の人や会社の人など、周囲の人の評価に影響を受けやすく、失業した事実よりも「評価」が大きな問題だというのです。

そこまで他の人の評価が気になっている人に、「気にしなければいい」と言ったところで何の解決にもならなりません。たとえ、その時はそうしてみても、また同じ状況に戻ったのでは、その人の悩みは解決しないからです。

キャリアコンサルティングに来談して、まず始めに話し出す問題は、表面的で人に話しやすい、つまり自分でも分かっている問題からになります。

そんな場でも、「相談相手のキャリアコンサルタントが自分をどう評価するか」を気にしているのかもしれません。

そこで、まず来談者の話をしっかり聴いていきます。そして、家族や会社の人などとの関係や、それを自分がどう受け止め、どう考えているかにまで話が至ってこそ、やっと本題が見えてきます。

起こっている事実が問題の全てではないのです。

どう評価されるかを気にせずに話せる信頼関係を大切に、話を聴きながら、一緒に感じ、一緒に考えていきます。


就活は巣立ちのとき 絶妙な距離感を

大学生の就職活動は、スケジュールの変更で6月が選考開始だった今年は既に落ち着いてしまいましたが、8月が選考開始だった昨年は、この時期、喜ばしい「内定取得」のはずが、「内定取得したものの…」と、悩んで相談に来る学生もいました。

そんな学生の多くが、話を聞いていくと、親と意見が異なっての相談でした。

大学で就職支援に携わる中で、親の存在は無視できません。

 内定を取得したのに、親に反対されて困っている

 親の反対で内定を断り、再度活動している

 親がエントリーシートの添削をして、訂正を強要する

 就職活動はうまくいっているか、親にしつこく聞かれる

 親が、面接でこう答えろと強要してくる

等々、あげるときりがありません。

現実の就職活動では、金銭的支援と子供の話を聞くことが、親の大きな役割になります。

でも心配のあまり、ぐいぐいと子供の就職活動に入り込んでしまうケースも多いのです。以前触れた、つばめの親子ような距離感が大切なのですが…。

私は、親と意見が対立したと相談に来る学生には、まず、「今の状況と自分の意見を、改めて親に話す場を設けること」を勧めています。

親からするといつまでも子供のままで、心配で、世話をしないとうまくできないのではと思ってしまいがちですが、もう子供は既に一人で働くことができるまでに成長したのです。

改めて、「自分なりに考えたこと」を親にしっかり話し、未熟ながらも「しっかり考えて出した結論」であることを伝え、子供の成長に気づいてもらうようにしています

そして、親がその「考え」を尊重して話すことできれば、そのことが、子供自身に更に自覚を与え、無事飛び立てる巣立ちへと繋がっていくのです