平成最後の「就活解禁日」を前に

大学の履歴書添削で多くの大学生と話をしていると、今年の新卒就活は、例年にも増して「早期化」している様子。

2月の後半には、面接前に履歴書の確認に立ち寄る学生や、既にインターンシップで書類は提出し「今度最終面接なんです」と言う学生が…。

説明会へのエントリー解禁日とされる3月1日を前に、もう就活も半ばといった状況です。

今年は夏、そして秋冬と、インターンシップが多く開かれ、既にそこで企業と接点を持った学生は、2月には選考も進んでいるのです。

マイナビ・リクナビだって、以前は3月にサイトがオープンしていたのに、今ではインターンシップ用に3年生の6月から登録できます。

合同説明会だって、インターンシップ説明会や企業研究といった名称で、3月前から何度となく行われています。

敢えて「私服で」と書いてあるイベントも多く、私服の3年生たちが企業のブースを回る、という光景も普通になってきました。

今年はゴールデンウイークが10連休ということもあり、企業は4月中に内々定を出すところが多いという調査結果もあります。

そもそも、いまどき学生は、悩んだり迷ったり、本当なら成長の機会になるチャンスも、できれば避けて通りたい人も多く…。

早期化が進み、売り手市場で内々定が早く出たからといって、あまり深く考えずに就職先を決める学生が増えないことを願います。


子の就職活動に向ける「親」の気持ち

先日、マイナビから「2018年度就職活動に対する保護者の意識調査」が公表されました。

その結果によれば、親が入社して欲しいのは「公務員」がダントツ1位

そしてその後には、トヨタ・NTT・JAL(日本航空)・パナソニック、といったよく知られた大企業の名前が続きます。

2018年度に就職活動をした学生さんの親世代と言えば、まさにバブル世代の方も多く、今みたいに、インターネットやSNSを駆使し、自己分析やらエントリーシートやらの無い時代。

情報量も就職活動のやり方も、全く違います。

そんな親たちが、「入社して欲しい企業の特徴」として上げたのは、

「経営が安定していること」で、46.2%と圧倒的大多数

2位の「本人の希望や意志に沿っている」28.7%を大きく引き離しています。

いかに今の親たちが子どもへ「安定」を願っているか、数字に表れているのです。

子どもへ何を願うのか、その願いをどのように伝え、どう関わっていくのか…正解はありません。

実際に大学で多くの学生さんと面談する中で、親御さんの影が、ある時は濃くある時はうっすらと見えてくるときがあります。

かく言う我が家も、長男が留学を理由に1年多く大学へ残ったため、まさにこの春は就活シーズンを迎えます。

私がこんな仕事をしていることもあり、どのように関わるかは微妙なところ…

もちろん、私の就活支援スキルや情報は息子にも役立つはずなのですが、何しろそこは「親子」

相談に「自分から」来る学生さんとは違う訳です。

「必要な時は全面協力するから」とは言ってあるものの、長男の就職活動がどうなるか、そして、私はどう関わっていくのか…。

まさに今年の春は「就活生の親」としても、試行錯誤の日が続きそうです。


大卒就活のスケジュールは落ち着いたようです。

経団連会長が「大卒就活ルール廃止」と言い出し、2021年卒の学生達(現在大学2年生)から就職活動のスケジュールはどうなるか、と思われていましたが、その後日談。

経団連会長のコメントを受けた大学側が、就職問題懇談会という大学などでつくる組織の「座長声明」という形で国へ訴え、国が関係省庁連絡会議で調整。

結局、3月に広報活動(説明会など)解禁、6月に選考活動(面接など)解禁、で落ち着きました。

この先2年ほどは、今と同じスケジュールという訳です。

いろいろな見方もありますが、大学側とすれば一安心といったところでしょうか。

就活スケジュールの話がでると、そもそもの「新卒一括採用」を批判する方もいます。

でも、この制度は今の企業の雇用全体と繋がっていて、そう簡単にそこだけ変える訳にはいかないのです。

日本では、新入社員にその仕事でのスキルが無くても研修をして、簡単な仕事から取り組みながら、徐々にその企業の仕事を理解し力をつけることができます。

即戦力ではないのです。

終身雇用制度をもとに、先々この企業に貢献してもらえるからこそ、新人教育をしても取り戻せるわけです。

それに、長く働くことを踏まえて、同期の繋がりや企業への忠誠心を作るのにも都合がいい。

でも、少子高齢化の世の中となって働き手が減れば、一生この会社で働くことを想定し、新卒社員を研修してじっくり育てる、という働き方も徐々に変わるはずです。

企業を移りながら自分で力を徐々に高めていく、といった転職・中途採用ありきの働き方が主流になる時代が来るかも。

将来そんな時代が来れば、就職活動を「めんどくさい活動」と思っている大多数の学生にも、リアルな社会の中で、自分がこれからどうしていきたいか、どういう場でどんなことをしながら生きていきたいか、考える力が求められます。

ぜひ就職活動も、自分で考えて行動する面白さを知り、自分自身を成長させる機会にしてもらいたいですね。


「就活ルール」がなくなる?(2)大学生側から考える

「就活ルール」がなくなると…。

立場が違うと意見も全く違うから、この問題は意見が割れるのです。

「大学生」とひとくくりに言っても、

①自力で外資系企業だってガンガン行動できる層

②大企業に入れる可能性の高い国公立・有名私大で、そこそこ就活がんばる層

③決められたスケジュールがあるから、周りのみんなと一緒に活動する層

④周囲のサポートがないとなかなか動けない層

⑤活動はしていても、コミュニケーションが不得意で、現状のコミュ力重視の就活ではなかなか結果が出せない層

などなど、様々です。

その中の①⑤は、全く違う意味で、スケジュールに影響をうけることはあまりない。

そして②はスケジュールが無くなれば、青田刈りの対象でしょう。

問題は③と④

しかも、③は大学生にはとても多いのです。

この層が、スケジュールがないのにどうやって就職活動を始め、就職先を決めるか。

実際の大学での就職支援行事で、大学側が対象の中心と考えているのも、そして実際の参加者も、この層です。

でも、経団連の方々の想定している「大学生」は①②じゃないかと。

「優秀な人材が海外流出」の心配をしていますが、「就職できなかった学生が増える」という問題だってあるのです。

スケジュールが無くなり、「決まり」「ルール」がないのに自分で動く。

今どきの大学生にとって、このハードルは高いように感じます。

採用活動の時期が自由になれば、大学・企業・地域などが、この③④層を巻き込んでいく機会を今以上に考えていくことになりそうです。

あでも、企業の「本音」と「建て前」を探りながら就活している学生たちを見ていると、ルールがなくなれば、「分かりやすい」就活にはなりますね。


「就活ルール」がなくなる?(1)立場によって意見はいろいろ

経団連会長が「就活ルール」廃止と発言し、話題になっています。

経団連の「指針」をもとに決められていた大学新卒の就職活動のスケジュールがなくなるかも。

来年度4年生になる学生の活動を含め、ここ4年間は、3月から会社説明会、6月から面接、そして10月に内定。

そんなスケジュールにのって、大学生たちは就職活動をしてきました。

でも、それは建前。

外資系企業は、そんなスケジュールお構いなく、早くも3年生の秋冬には内定が出ていました。

日本の企業でも、ソフトバンクやユニクロのように、既に通年採用をしている企業もあります。

スケジュールを守るはずの経団連加盟企業だって、6月前に「面談」という名の面接を行なったり、社員がリクルーターとして接触して来たり…。

ただ6月1日に、すでに選考しておいた学生たちを集めて、形式だけの面接をしている感じ。

まあ、スケジュールを守らなくても罰則もないですし。

それから、大企業より遥かに数の多い中小企業は、学生にいくら内定を出しても、大企業に後から内定を出されて辞退した分、また採用活動を。

スケジュールがあるばっかりに、企業も学生も振り回されている感じでした。

かといって、採用担当者を増やしたり採用費用をかけたりと、一年中採用活動ができるほど体力のある企業がどれだけあるか。

早く内定を出せば、入社まで繋ぎとめる努力も人事の方々には必要ですし。

採用する企業側でも、優秀な人材の採用にどれだけコストをかけられる企業かによって、「ルール廃止」への意見もいろいろです。


今どき流行りの「就活用語」ランキング

先日、「就活生の間で流行した『就活用語』ランキング」が発表されました。

上位3用語は、

第1位 ガクチカ

第2位 お祈り

第3位 サイレント

「ガクチカ」とは、企業へ提出するエントリーシートや面接で問われる定番質問、「学生時代に力を入れたこと」の略語です。

同様の定番質問である「自己PR」は、題材に困れば高校まで広げて考えますが、「ガクチカ」は大学生活の経験で考えます。

ゼミやサークル活動・部活動など題材があればいいのですが、無い場合は、資格取得から授業での協働作業やアルバイトまで(アルバイトネタは大学によっては不可の場合も)、一緒に題材探しをすることになります。

数年前から使われていた言葉ですが、毎年順位を上げ、すっかり定着しての1位となりました。

そして2位の「お祈り」とは、選考が通過しなかったこと。

企業から来る不採用通知に、「今後のご活躍をお祈りしています」という文面があり、そこから「不採用になった=お祈りされた」と使われています。

3位の「サイレント」とは、選考を受けたのに何も連絡がこないこと。

合格したら企業から必ず連絡があるので、結局は不合格の事なのです。

他の選考を受けずに結果を待つ学生も多く、企業には「サイレント」せず連絡してほしいと思います。

でも、不合格の連絡をした後に合格に変えることは難しいので、採用活動中は結果を保留し続けたい企業側の気持ちも分かります。

悩ましいところです。

他の用語も見てみると、一時期話題になった「オワハラ」が順位を下げています。

内々定を出した学生に、企業が就職活動を終わるよう強制することです。

2年前は大きな問題になっていましたが、今やSNSで拡散されて企業イメージへのリスクも大きく、結果企業のためにもならないということで、徐々に減って話題に出なくなってきました。

こんな「就活用語」の順位の変遷にも、学生と企業の採用現場の試行錯誤が見えてきます。


「eスポーツのプロ選手」という選択肢

ジャカルタ・アジア大会で初の公開競技となった「eスポーツ」

まだまだ何のこと?という人も多いでしょうが、対戦型ゲームを使ったプロゲーマーが勝敗を競う競技です。

日本はまだまだ普及していないですが、アメリカや韓国では高額賞金が出る大会も開催されています。

そして、現実に日本でも「eスポーツ選手募集」という求人があるのです。

大学4年生と面談していたら、就職活動を始めて最初に、eスポーツのプロチーム選手へ応募したとのこと。

残念ながら通過しなかったそうですが、その理由も本人曰く、「以前書き込んだTwitterで口が悪かったから」だとか。

いや~、時代は変わりましたね。

男子学生が、「任天堂」「バンダイナムコ」「スクウエア・エニックス」など、ゲームメーカーのエントリーシートを添削に持って来るのは以前からよくありました。

でもさすがに、「eスポーツのプロ選手」に応募という話は、高校生の頃にやっとゲーム機が普及し始めた私にとって、時代が変わったことを痛感する出来事でした。

AIの発達で無くなる仕事の話ばかり出ますが、こうして新たに生まれる職業もある訳で、キャリアを専門とするからには、否定するのではなく、情報を得ながら時代とともに進んでいく必要を感じます。

そもそも、ゲームはスポーツなのか?賛否両論ですね。

とはいっても、2019年の茨城国体では都道府県対抗の大会も開催され、近い将来、オリンピック競技になる可能性もあるのです。

相反して、WHO(世界保健機関)が「ゲーム障害」を疾患として認めたばかり。

いずれにしても、ゲームを無視しして今後は語れない時代に入ったようです。


一緒に過ごす人から影響を受けながら、雰囲気は作られる

今年度、キャンパスが2つに分かれている大学の、それぞれのキャンパスで講座を担当しています。

郊外のキャンパスで学生さんとグループワーク。

複数の学部を担当し、「学部によって結構雰囲気が違うな~」と思いつつ、今度は名古屋市内のキャンパスへ。

すると、何だかさらに雰囲気が違います。

何が違うか考えてみると、男子学生がちょっと元気で、女子学生が華やか、なのです。

もちろん、郊外のキャンパスでも華やかな学生さんはいましたが、全体の印象としては違ったものでした。

このところ、大学の都心回帰が話題になっていますが、まさにキャンパスの場所によって学生さんの雰囲気も変わっていく訳です。

共に過ごす友人たちから受ける影響は大きい。

行動だけでなく、価値観さえ変わるかもしれません。

それは企業においても同じ。

「社風」なんて言葉はまさにそんな「雰囲気」の蓄積です。

だから、就職活動の中でも、業務内容や職務内容だけでなく、そんな「社風」を知る機会は大切なのです。

入社してから気づいて、「何だか合わない」と思うより、できるだけ社員の方と接点を持って、少しでも納得できる手掛かりを集めることも、就活の大切な確認ポイントです。


大学生が書くエントリーシート数が減っている

大学のキャリアセンターに来る学生もめっきり少なくなり、大企業の6月解禁を待たずに今年の就職活動はピークを過ぎたようです。

「2019年卒マイナビ就職モニター調査」の結果が5月15日に発表になり、4月時点の大学生全体の動きが分かります。

調査によると、4月時点で41.3%の学生が最終面接へ進んでおり、29.9%が内々定。

ただ早い段階で結果が出たためか、内々定をいただいても就職活動を続ける学生が多い様子。

また、4月にエントリーした企業の数は平均5.3社とのこと。

実はエントリー数は年々減っていて、2年前に比べると半分程度なのです。

それに、リクルートのOpenESという共通フォーマットのエントリーシートを導入する企業も増えているので、「エントリーシートの添削」のために来談する学生もぐっと減りました。

更に、この時期の来談数を減らしている原因は、インターンシップ。

4月に内々定をいただいた企業のインターンシップに参加していた学生は50.7%もおり、今や就職活動のスタートはインターンシップなのです。

本選考より前に、インターンシップの申し込みで簡単な書類を提出させ、本選考でのエントリーシートを省いた企業も多いようです。

結局、エントリーシートは企業学生双方に負担が大きく、できれば無くしたいという両者の思いが反映して、このまま減っていくのかもしれません。


「お客様」として扱われる学生たち

新卒の就職活動シーズンは、どうしても履歴書やエントリーシートの添削やら模擬面接など、大学のキャリアセンター側の業務に携わることが多くなってしまいます。

そんな中で、合同説明会の相談コーナーを担当する機会をいただきました。

支援している学生さん達が出かけていく活動先になる訳です。

近鉄に乗って向かった先は三重県津市。

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電車好きの私としては、先頭車両からの眺めにテンション上がります(^▽^)/

数多くの企業ブースエリアとは離れた一角で、来場した学生さんと面談をしていたのですが、実際に活動の場に来ると、気になる点もあります。

それは、学生さんへの主催者側の声のかけ方。

「お客様」として、丁寧な言葉づかいで丁重に扱われています。

売り手市場で人が集まらない企業にしても、学生さんは大切な「応募者」です。

年下の学生に対し、ことのほか丁寧な言葉で接し、頭を下げてブースへ呼び込んでいます。

採用目線ではそれも仕方がないとも思いますが、就職活動の間、ずっとこの感じで接してもらうと、人生経験の浅い学生は勘違いするかも…。

現実として、今年の選考は「早く」「甘く」進んでいる印象です。

例年では通過しないような、言葉遣いや態度の緩い学生も、面接を通過しています。

思いは複雑ですね。

入社してから、お互いに、現実とのギャップに問題が起きなければいいのですが…。