メール返信にとまどう就活生

今お伺いしている大学も春休みが終わり、学内に学生が戻ってきました。

新入生らしき学生さんが学内のあちこちで教室や学食を探して立ち止まったりキョロキョロしたり。

学食は春休みと打って変わり、座る席もないほど人があふれ、学内に学生が一番多い時期です。

徐々に落ち着いてきます…(^^;)

一方、キャリアセンターの来訪者は例年より少なめ。

今年の就職活動は、実質インターンシップから始まっており、インターンシップで何らかの応募書類を提出して参加した学生さんは、そのまま優先的に説明会へと誘導されるケースが多いようです。

例年応募書類の添削に追われる3月中旬から4月にかけても、比較的来訪する学生は少なめでした。

今の時期は中小企業の説明会や面接に、忙しく活動中なのです。

今どき学生は、文章を書く機会も減り、直接友人に電話がつながるので友人以外と電話で話をする機会もほとんどなく、「電話できない」「電話に出ない」ことが話題になっていました。

それに加え、私が実感するのは、実は「メールを送ったことがない」学生が増えたこと。

今どきの学生は、LINEやその他のSNSが中心の世代で、直接会話に入ることが当たり前。

送信先も、その画面を開いている限りその人と繋がり続けます。

HPなども、文中のアドレスからワンクリックで相手先へ繋がります。

でも新たにメールを送ろうとしたら、送信先のアドレスを入力したり張り付けたりしたうえで、本文にも宛名を入力し、挨拶から入る訳で…。

「このメールどうやって返信したらいいですか?」という、私にしたら、何を聞かれているのか分からない質問も増えてきました。

大学によっては、電話のかけ方やメールの送り方を丁寧な資料で伝えているので、それも使いながら説明。

こんな様子を見ていると、世代や立場の違いを埋めるためにも、学生にとっての就職活動は、社会へ出るために大切なステップだと実感します。


今までの人生全てを受け入れて進む背中に「エール」を!

ある日、キャリアセンターへ添削で来談した彼は、既に6回ほど来所していました。

今まで彼と面談した複数の担当者は、彼の自己PRに対し「ありきたり」だったり「表面的」だったりというコメント。

私も彼の持参したエントリーシートを読み終えて伝えたのは、「説明はよくわかるけど、自分が体験したもっと具体的な経験をもとに書いてみたら」でした。

そこでどんな経験があるかと聞いてみたのですが、「大学のサークルはすぐ辞めてしまったし、高校は部活へ入っていなかった」とのこと。

引き続き、既に書かれているアルバイト以外の話をと、他の経験を尋ねていきました。

すると、高校はSSH(スーパーサイエンスハイスクール)コースで、東京での研究発表の機会、海外から招待した学生とのディスカッションと、様々活動していたと言うのです。

それは企業の方もぜひ聞きたいから、その時のことを思い出して書いてみよう!

と言ったのですが、いい返事がきません。

しばらく、私がはげまし、その学生さんが渋る、というやりとりが続きます。

いろいろな角度から聞いているうちに話し出したのは、受験に失敗して不本意な大学へ来てしまい、SSHだということも敢えて書いていなかったとのこと。

同級生は有名な大学へ進学しているのに、自分は大したことしていないし、英語もあまりできないし…その時のことを書いても、と思っていたと。

その話を聞いて、

就職活動はリセットの場でもあること、受験の頃の経験はまだ消化できていなくても、今までの人生全て、がんばったことは先へ活かせることを話しました。

私の話を聞いてじっと考え込む彼。

「ありがとうございます!!」と吹っ切れたように表情が変わり…。

なんていうドラマ的展開になるのは傷も浅い場合。

現実、目の前の彼は、今までの大学生活でも抱え込んでいた思いを振り返るような表情で、

「そうなんですね…もう一度自己PRを作ってみます」

と帰っていきました。

彼が過去の自分を認めてあげることができ、高校の話を胸を張って企業へ話せること

そして、そんな彼の将来に期待して喜んで受け入れてくれる企業に出会えること

進む彼の背中に、「エール」を!


新卒就活のエントリーシート事情

キャリアセンターには、履歴書の添削に訪れる学生が多いのですが、3月に入って添削が増えたのが「OpenES」

新卒の就職活動用に、2013年にリクルートが始めたWeb上のエントリーシートです。

共通フォーマットに入力したデータを複数の企業へ提出することができます。

Web上で提出するエントリーシートが増えるにつれ、多くの企業に活用され、就職活動のツールとしてすっかり定着したようです。

履歴部分や「学業、ゼミ、研究室などで取り組んだ内容」「自己PR」「学生時代に最も打ち込んだこと」といった内容を入力するのですが、他にも応募先の企業の指定によって、「志望動機」やその他の設問が設定されることもあります。

学生側からすれば、予め準備した文章を共通して使えるため、Web上での就職活動が活発になった今、とても効率的なツールです。

企業側からしても、応募の手軽さから、幅広い学生の応募が見込めるため、導入のメリットはあります。

ただ、効率的な就職活動が広がったからと言って、すべてその方向かと言えばそうでもありません。

大手・有名企業企業などは放っておいても応募者があふれるため、反対に、手間がかかって面倒なエントリーシートを課して学生を絞り込もうとしています。

変わった「お題」が課せられたり、大きな自由記入(PR)欄があったり、全て手書き指定だったり…。

この場合、何を書いたらいいか途方に暮れる学生と、一緒に対策を考えるサポートです。

どこでも通用する正解はなく、企業のカラー(社風)によって評価も異なるため、企業研究をベースに、その学生さんらしさを活かしつつ方向性を探っていきます。

ハードルの高いエントリーシートは、入社意欲の高い学生や対応能力の高い学生を選ぶ方法であり、「我が社」のカラーに合うかどうかを判断する材料として使われているのです。

「効率化」と「独自性」

学生と企業の模索は続きます。


3月1日は就職活動が本格的に始まる日

今日は3月1日。

大学生の就職活動は、今日から本格的に始まります。

私も今日から別の大学へ。

ここ数日は、マイナビ・リクナビのような求人サイトが合同企業説明会をこぞって開くので、出かけている学生さんも多く、今日も意外に来談者は少なめでした。

来談した学生さんの中には、夜中の0時過ぎに求人サイトにがんばってエントリーした学生さんも。

俗に「クリック戦争」とか表現される状況ですね。

企業にエントリーすると応募の意思を示したことになり、説明会や選考ステップの案内が来て申し込むことができるのですが、上手くいかずに不安に駆られて来談する学生さんも。

2月までは準備しかできず、これでいいのか不安になりますし、3月以降は上手くいかない状況に不安が募ります。

明るい表情に見える学生さんでも、話を聞くと「よく眠れなくて夜中に起きてしまう」と。

売り手市場とは言え、「みんなで一斉に就職活動」は周囲と比較して、より心配になってしまうようで…。

本当は、自分の良さを今までの学生生活から振り返り、思い通りにならない現実を乗り越えつつ、それでも認めてくれる大人の存在に気づく、成長の機会なのですが、なかなか…。

心から応援しつつ、私自身も決してあきらめずに目の前の学生さんを信じて向き合うことを、自分自身に言い聞かせた3月1日でした。

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学食では、1年前と同じ方が作っていたナポリタンをなつかしくいただきました(^^)


インターンシップに参加したら、その企業へ入社するのか?

先日発表された株式会社リクルートキャリアの「就職白書2018ーインターンシップ編ー」によると、7割以上の企業が2018年度にインターンシップを実施予定と回答しています。

実際に前年度に比べて大幅に増加していることは、大学で就職活動に関わっていると実感できます。

その他、学生にインターンシップに参加した企業への入社予定を問う設問もあり、インターンシップと就職との関連性も知ることができます。

調査によれば、インターンシップに参加した企業に22.3%、同業種の企業に29.1%の学生が入社する予定があるとのこと。

インターンシップに参加した約半数の学生が、インターンシップとの繋がりで企業を選んでいる結果になっています。

ただ、裏を返し、私がこの結果から感じたのは、「48.2%もの学生が、インターンシップに行っても、その企業や業界を選ばなかった」ことです。

実際に仕事を体験したり、企業の説明を聞いたり、社員の方の話を聞いたりした後で、「違う」と感じて方向転換したわけです。

私は、これもインターンシップのメリットだと感じています。

コンビニの店頭で買うお菓子のメーカー、CMを見ていいなと思った企業、街角で看板をよく見る企業や金融機関…。

「名前を知ってる」ことと、「その仕事がやりたい」とか「そこで働くと自分の力が発揮できる」とかいうことは違うのです。

それに応募前に気づいて、じゃあどうする…とふり返って見直す機会になることこそ、インターンシップの良さだと思います。

企業も採用・教育コストをかけた新人を失う可能性が低くなりますし、学生も入社した時のやる気にあふれた思いがリセットされて途方に暮れることも減るはずです。

後はもちろん、実質「企業説明会」と化したインターンシップの内容が充実することを願うばかりです。


神に仕えるための就職活動もあるんですね。

先日、伊勢神宮近くの大学に、3年生対象の就活講座でお伺いしました。

面接指導も含めた講座を無事終わり、学生さん達を「がんばって!」とはげまし、さあ名古屋へ戻ろうとしたのですが、思いもよらぬ足止め。

タクシーを呼ぼうと電話を掛けると、伊勢神宮の観光エリアまで少し距離があるからか、「そちらにはタクシーいないんでね~」と断られる事態。

まさか断られるなんて思わず、慌てて他の個人タクシーへ電話をかけ、もう今日の仕事は終わって帰宅してしまった運転手さんに頼み込んで、なんとか来てもらうことができました。

タクシーを待つ間、学内の掲示板を見ていると…。

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神職に必要な実習の詳細、神職の就職活動に向けて現任の宮司さんの講話や奉職内定者への心得指導の連絡などなど、普段の就職活動では目にすることのない掲示内容に、思わず見入ってしました。

担当した講座にはこの学部の学生さんはいなかったのですが、神社好きの私としては興味津々。

それに、こんな検定もあるんですね…。学内にポスター貼ってありました。

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帰りの近鉄特急は、ご一緒した講師の先生方と話も盛り上がり、あっという間の1時間半でした。


結果を出すために努力するのは「スポーツ」も「営業」も同じこと

大学が強化しているバスケットボール部の学生さんと話している時のこと。

社会人との練習の場で、実力をつけるために自分より実力がある人が参加する日を敢えて選んで練習に参加していたと。

その人たちの技を盗み、まねをして、少しづつ力をつけていったとのこと。

だからこそ、彼はレギュラーメンバーの主軸として活躍し、チームを結果へと繋げることができたのです。

彼は、みんな実力者ぞろいでそれでもなお頑張っているのだから、みんなと同じことをしていてはその中でレギュラーになることはできないと分かっているのです。

そして、そのためには何をすればいいのかを考え、工夫して努力を積み重ねてきたのです。

さらに努力するだけでなく、その努力を結果へ繋げようと日々取り組んでいたはず。

これこそ「営業」でも生きる力です。

でも彼は「営業ってノルマあってブラックですよね~」と。

例えば彼が、個人で営業成績を出す仕事についたら、「周囲を見て学びながら成績という結果を出し、営業成績という分かりやすい部分で評価され、やる気に繋がる」ような気がします。

まぁ実際にその仕事についてどのように彼が思うかは、仕事や企業と接点を持ってこれから考えていくことになるのですが…。

最近は、「ノルマ」「ブラック」といった言葉で、自分や仕事を本当に理解しないまま判断しているケースをよく目にします。

自分の力が何に活かせるのか、その仕事ではどういう評価があるのか、そんな「自己理解」と「仕事理解」を経て、自分らしい頑張りが認められ、自分も成長する仕事へ結びつくよう、面談は続きます。


新卒就活も既に本格化

2019年卒、つまり現大学3年生の就職活動は、去年に比べて急増したインターンシップへの参加を皮切りに、既に始まったような状況です。

大学も、独自のイベントを実施して就職活動を後押し。

3月の就職活動(広報活動)解禁前ということで、実質「企業説明会」を「業界研究」という呼び方で実施したり、学内へ多数の企業に集まってもらい、ブースを設営して合同説明会を実施したり、と既に企業との接点を作っています。

私も、これからしばらくは大学の就職支援の仕事が続きます。

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今週からは、名古屋市内の私立大学で終日履歴書添削。

面談時間が短く設定されているので、基本的な履歴書の第一印象をまずはチェックします。

文字の大きさや誤字脱字、「てにをは」の修正や記入間違いなど。

世間では、履歴書はパソコンで作成したものをメール添付することも増えましたが、大学新卒就活では、エントリーシートはWeb提出も増えたものの、履歴書はまだまだ手書き。

字が下手だと思う人も、読む人が読みやすいようとにかく「丁寧に」

その心掛けだけで字の印象は随分変わります。

時間の余裕をもって書くという準備もプラスに働きます。

そうして作られた履歴書を、私も心して読ませてもらい、よりその学生さんの良さが伝わるよう面談していきます。


日本で働こうとしている留学生たち

毎週お伺いしている大学には、留学生が年々増えてきています。

中国・ベトナム・タイなどを中心に、中にはウズベキスタンから留学している学生もいます。

昨日もベトナム出身の女子学生と面談。

4年生なので就職の話には力が入ります。

「もし卒業までに就職が決まらなくても、帰国しないで日本で就職活動したい」とのこと。

留学生は「留学ビザ」で滞在しているので、卒業後は、就職が決まった企業からいただいた書類とともに手続きし、「就労ビザ」に切り替える必要があるのです。

でも、卒業までに就職が決まらなかった場合、手続きをすると「短期滞在ビザ」で最長半年間ビザが延長され、その間は日本で就職活動することもできます。

日本での外国人就労については、最近よく話題に出ます。

「外国人実習生への賃金未払い」などは、テレビでも取り上げられて話題になっていました。

今後、観光だけでなく、日本に働くために来る外国人が増えるにつれ、多くの場でより多くの問題が出てくると思います。

根本的に、日本は島国ですから、他の国の人が流れ込んでくるということを想定していないですし…。

理由はさておき、「日本で働きたい」と語る彼女の思いをまずは結果に繋げられるよう話をし、面接の練習をしているうちに、元気のなかった彼女も徐々に笑顔に。

その笑顔で働く彼女たちを、日本の社会はどう受け入れていくのでしょうか。

考えさせられますね。


相手に分かるように話す。それは専門的な話でもおなじこと。

先日、理系院生のグループディスカッションと模擬面接を担当してきました。

グループディスカッションは、20名ほどの参加者の中に経験者がほとんどおらず、簡単な解説をしてからのスタートとなりました。

それでも、さすが「理系+院生

予め何も言わずとも、意見を交わす時も発表する時も、根拠も含めてまとめていました。

こういう論理的な点は「強み」ですね。

ぜひ本番でも活かして、気分で話し合いが進んでいる時に、ぐっと引き締める役目を担って欲しいものです。

続けて集団面接。

こちらも初体験の学生さんが多く、初回はキョロキョロもたもた。

でも、説明を受け、コツがつかめると見違えるようにしっかり対応できるように。

ほんと、準備は大切です。

この面接の中で確認した「研究内容」

さすがに理系の修士課程ともなると、文系の私には??な研究ばかり。

何も考えずに説明されると、さっぱり分かりません。

でも集団面接など入り口の選考では、理系だけでなく文系の学生と一緒に選考を受け、面接官も文系出身の人事担当者や事務系の総合職の方になる場合も多く…。

先々選考が進めば、技術系総合職の場合「技術面接」や「プレゼンテーション面接」もあるので、専門的な話は技術職の社員さんとの選考で語り合ってもらうことにして。

集団面接ではあくまで分かりやすく、「文系の友人や家族がわかるレベル」で説明するように伝えています。

話す」というコミュニケーションは「伝える」相手があってこそ。

一方的に相手の様子を考えずに話し続けても、コミュニケーションにはなりません。

それは、専門的な話でも同じこと。

相手に合わせ相手に伝わってこそ、コミュニケーションとして互いの理解が深まるのです。