「何者」 「シューカツ!」 ~小説で就活を知る

大学新卒の就職活動にはシーズンがあり、選考フローも独特です。

エントリーシートやグループディスカッションも、一度に大量の希望者を対象にする新卒就活で行われる選考方法です。

そんな「就活」を題材にした小説からは、また違った角度から「就活」を知ることができます。

 

★朝井リョウさん「何者」(公開中の映画の原作)

この作品には、SNSと現実が混在する「今どきのリアルな就活生」の姿が描かれています。

就活をテーマとしつつ、鋭い観察眼による登場人物の描写と、読む人をも巻き込むストーリー展開になっています。

「確固たるものさし」が分からないまま進んでいかなければならない就活で、「大したことない自分」をどう社会へ出していくかに苦悩する登場人物たちの姿が、リアルに描かれています

★石田衣良さん「シューカツ!」

7人の大学3年生が「シューカツプロジェクトチーム」を結成して、全員合格を目指します。

主人公や、主人公が出会う人たちを通して、「働くとは?」「就活の本質とは?」を考えさせてくれる作品です。

「何ができるかで評価されてきた」学生から、「実社会の壁に折り合いをつけて、自分を社会に理解してもらう」社会人への、人間としての成長が描かれています。

 

就活は、自分で進んでいかなければならないからこそ、悩み、落ち込むことも多いのです。

でも、だからこそ、目を見張るほどの成長があるのも、また就活なのです。

ぜひ周囲は、一歩離れて見守り、応援していきたいですね。

「どんな活動をしているか」や「就活生はどんな気持ちか」が体感できるので、最近の就活に興味のある方には、読んでみることをおススメします。

*小説の就活スケジュールは、現在の就職スケジュールとは違います。


新卒就活で「インターンシップ」って参加したほうがいいの?

素直にこの質問を投げかけられたら「YES」です。

企業との接点であることは確かですし、接点は多いほうがいいからです。

インターンシップは企業での就業体験で、3月エントリー開始にスケジュールが変更された2年前から、急激に増えた活動です。今では、就活サイトで応募企業を探すのと同様に、インターンシップを検索して申し込むことができます。

インターンシップにもいろんな種類があって、目的に合わせてどう参加していくか、選んでいく必要があります。

1day…企業の説明会に近いです。仕事内容を幅広く大勢の学生さんに知ってもらうために、回数多く実施します。説明会+ちょっとしたワークの場合が多いです。全然就活してない人の入門編にはいいかもしれません。

仕事体験型…IT企業でプログラミングをしたり、商社で営業に同行したりするものもあります。入社後の仕事への理解が深まります。

採用直結とは限りませんが、企業・仕事への理解が深まるので、結果的に志望動機は厚く語れるようになりますし、熱意も高まります。

1週間程度で選考あり…選考があるインターンシップはなかなか通過するのが難しく、本選考より倍率が高いことも多いのです。

ただ、通過せず、「意外と就活難しい…」と実感した学生さんは、本選考へ向けての本気度が一気に上がるので、その点でもチャレンジすることはプラスに活かされます。

インターンシップ参加が選考に有利かは企業によって様々です。

参加者を、別の選考ルートで有利に進める企業もありますし、人事の目に留まることもあるかも…です。

でも、例えそうならなくても、参加することでその企業やその仕事への理解が深まり、方向性を絞ることには繋がります。

参加して想像どおり志望度が高まることもあれば、想像と違って方向を変える場合もあるのです。

それもこれも、行動したからこその、前進です。

ただし、気軽に参加して欲しいとはいえ、企業の選考目線は常にありますから、基本的なあいさつや言葉遣い・態度は、意識して臨んでくださいね。


今どきの大学新卒就活で使う「履歴書」のこと

今どき、新卒の就活では、大学指定の「履歴書」を使うことが多いのです。

大学名が入り、大学独自のフォーマットで作られた履歴書を、封筒とともに大学内の生協・書店で販売していたり、大学内で配布していたりします。

市販の履歴書では、職歴のない新卒の学生はアピールできる内容が少ないので、大学のキャリアセンターでは「大学指定の履歴書」を使うように言うところが多いです。

就活でよく話題に出るES(エントリーシート)は、企業によって設問も違いますし、提出がある企業もない企業もあります。

でも履歴書は、提出のタイミングは様々でも、ほとんどの企業でいずれ提出することになります。

エントリーシートも、履歴書で作成した文章を活用して対応できる設問も多いので、まずは履歴書の文章を作成して備えるといいですね。

履歴書は、大まかに2つの部分からできています。

名前・住所・電話番号・アドレス・学歴などを記入する履歴部分。

そして、趣味・特技や、自己PR・学生時代力を入れたこと(「ガクチカ」なんて呼ばれてます)、志望動機などを記入する、文章の部分。

実は、この文章の部分こそ準備が必要なのに、それでいてなかなか取り組みにくいのです。

でも、履歴書も、エントリーシートも、面接も、大まかにこれらの文章を中心に選考が進んでいきます。だからこそ、今ここでしっかり時間をかけて試行錯誤することが大切なんです。

結果、自分の考えが文章に整理されると、面接でも自分について語れるようになっていきます。

文章を書くときは、始めは履歴書の字数よりなるべく多く文章を書き出して、徐々にまとめながら、内容の濃い文章に仕上げていきます。

あとは、活動をする中で見直しながら進めるといいですね。

まぁ、うまく書けないなぁ~なんて時は、大学のキャリアセンターに相談に行くとアドバイスがもらえます。

昔は「就職課」なんて固いイメージでしたけど、今や「キャリアセンター」は学生さんの味方です!今はまだ空いてますし…。


大学3年生は、年内を目標に活動準備を進めよう!

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ついこの前まで、半袖でもいいかも…という日もありましたが、すっかり肌寒くなりました。

短い秋なのか冬の直前なのかといった陽気に、木々もきれいに色づきました。

今日から新たな大学で、学生さんの支援に携わることになりました。在職の方々、どうぞよろしくお願いします。

今日は、2018年卒つまり現3年生の面談。

まだがんばっている現4年生のことが頭の片隅にチラつきつつも、3年生にも動き出してもらわないと。

説明会が3月から、面接選考が6月からスタートするスケジュールも2年目となり、なんとか定着しつつあります。

でも、選考期間が短いので、準備の違いが就活の納得性に大きく影響します。

早めに準備することは大切です。

年内を目標に、まずは履歴書の文章を書いてみましょう!


結局、まだまだ人気の「一般職」は、狭き門なのです。

女子学生でも「総合職に!」という人が増える中、まだまだ「一般職」の人気は根強いです。

特に地元志向が強い愛知近郊では、「自宅から通勤できる事務職=一般職」として希望する女子学生が多い印象。

ところが名古屋では、歴史ある女子大が金融や地元メーカー一般職の学校推薦枠を数多く持っています。

そうすると、他大学で一般職だけを目指して就職活動をしている女子学生は、それ以外の数少ない枠を希望する学生で争い、狭き門になってしまうのです。

近年、地方銀行では一般職をやめて総合職だけの募集にする銀行も増えてきていますし、採用人数が「若干名」なんていう企業もあり、より狭くなるばかり。

そこで、一般職を目指して活動している学生は企業の垣根を越え、「一般職」という枠に自由応募として選考を受けていきます。

すると、就職活動中の学生曰く、「地元企業の一般職の説明会へ行くと、同じ人ばかり」といった状況に。

「え~っ、大学推薦、無いんですか!?」

「○○大学の友達は、一般職の推薦受けるって言ってました~(T_T)」

企業説明会が始まる時期になってそう嘆く女子学生には、今からできる方法を確認しながらのサポートをすることになります。

そう考えると、本当に一般職という働き方がいいという人は、一般職に関する推薦枠の多い大学を選ぶということが選択の一つになってきます。

だったら、高校もしくは中学の段階でその選択ができるか…ということに。

早い時期から、自分の進路について考える機会も必要ですね。

その意味も含め、最近では小・中学校でもキャリア教育が盛んになってきています。

小学校や中学校の時点で、自分の将来を具体的に考える意識を持つだけでも、様々な選択の場での判断に繋がります。

ただ、人は自分や周囲の思う以上に成長します。

成長して変化したことを認めながら、成長した自分を活かせる方向へ進んでいきたいですね。


続・いまどき女子の就活事情 一般職って…。

一般職って、何をするのか、ほんと分かりにくい名称ですよね。

一般職と総合職の違いは、仕事内容と転勤の有無の違いだと思っている人が多いのですが、給与や昇給、更には研修を受ける機会も違うのです。

ところが、どうしても、新卒で就活をしている女子学生たちは、初任給や直近の仕事の内容で判断しがちです。

でも、入社してから、徐々に同期の中で給与・賞与格差が生まれると、やる気に大きな影響が出てきます。「こんなにがんばってるのに、あの子よりボーナスがこんなに低いなんて…」

15年も経つと、倍近く差が出る企業もあるのです。

他にも、仕事をがんばって、新人の指導も任されるようになって、評価もされている。この部署全体のことを考えて関われる仕事にやりがいを感じてきた。となった場合、マネジメント業務へ可能性が開かれているかどうか。

もちろん本人の希望や適性もありますので、一般職の存在は、選択肢としていいと思います。

ただ、なんとなく「サポート好きだから」とイメージで選ぶのではなく、この企業の一般職はどういう仕事をするのか、自分は入社してどのように仕事をしていきたいのか、いったん立ち止まって考えてみることが大切です。

イメージ通りの一般職なのかは、調べて納得して選んでほしいのです。

ちなみに、私が新卒で就職した一般職は、残業も、県外へ泊りがけの出張もありました。やりがいはありましたが、同期男子との賃金格差には、3年目にしてモチベーションが下がりました。

その同期は全国転勤があって東京から引っ越して来ていたのですが、私も地元ではない浜松に一人暮らしだったので、「転勤してもいいのにな~」と思ったものでした。

せっかく働くなら、やる気にあふれて、いきいきと働きたいですね。


いまどき女子の就活事情 一般職って…。

私が就活をしていた時は、男女雇用機会均等法が施行されてから数年後。女性対象の総合職もあるにはあったのですが、これから先の人生を仕事に賭ける覚悟が必要な存在でした。

結婚・出産を経て働くなんて、無理なんじゃないかな~と漠然と考えてしまう働き方でした。

ところが、今や女性の総合職は珍しい存在ではありません。

逆に、一般職の枠を設けていない企業では、女性も含め、全員総合職採用ということもあります。

結局、産休や育休の整備が進み、男性にも育休取得をという世の中ですので、「総合職だから結婚・出産は無理」ではなくなっているのです。

今では地域限定総合職という両方を併せ持った職もあり、地域的に転居を伴う異動はしたくないけれど、総合職のように働きたいという学生には人気です。

こうやって選べるようになると、逆にどうしたらいいか迷ってしまいます。

私が就職した当時は、男→総合職で転勤あり、女→一般職で転勤なし、という、ある意味分かりやすい採用状況でした。

ところが今や、以前一般職がしていた仕事は、契約社員や派遣社員がしている企業も多く、「サポートする一般職」とまとめて言われている業務内容が、実は想像しにくくなっています。

現実には、総合職や一般職・地域限定総合職の違いは、各企業が設定していて、企業ごとに業務の範囲も責任も違います。

だから、その企業での業務内容を知って、自分が考える働き方と照らし合わせたうえで、総合職・一般職、あるいは地域限定総合職を選択してほしいのです。

そうでないと、入社後、こんなはずでは…と後悔することに。

つづきはまた次回…。


その会社に入ったら、私何をするんですか?

就職するときに、会社の名前と事業内容を聞いただけでは、いざ自分がそこに入って何をするかは分かりません。

学生だと就業経験がないので、入社後、「こんなはずじゃなかった」と違和感を持ち続ければ、それが原因で辞めてしまう人も…。

私が新卒で入った職場では、一般職でありながら、残業しないと仕事は終わらないし、日帰りの県内出張も月数回、年に何回かは泊りがけの出張もありました。

これを、「一般職はデスクでパソコンに向かって書類作成して、定時で帰宅」と思い込んで入社したら、違いは大きいです。

そんな誤解を防ぐ目的も含め、仕事そのものや職務理解のためにOBOG訪問も勧めてはいますが、最近はインターンシップを行うところも増えてきました。

就職前に実際に体験して、自分の方向性に活かすことができます。

うちの子供達がまだ幼い頃、キッザニア(職業体験型施設)で付き添いながら、「私だったら~、マヨネーズ工場で研究員やって、次はホテルスタッフで…」と妄想していた私には、うらやましいの一言です。

情報としては、企業のHPにある社員の声や、就活情報サイトの社員紹介(企業のPR入りますが…)、厚生労働省の「若手・中堅・ベテラン社員へのインタビュー集」もインターネットで検索できます。

いろんな角度から想像してみるといいですよね。

他にも、主に企業内の人材育成や評価の目安に使う「職業能力評価基準」も、具体的な文章でその職の内容が説明されています。

自分の職で求められていることは何か、ステップが上がったらどんなことをするのかが分かり、ステップアップした先を考えて、具体的な目標を立てることもできます。

目標が見つかったり、目標となる先輩がいれば、乗り越えられることもありますよね。


大学の就活事情、いまむかし

私が大学生のころの「就職課」は、就職が決まったら報告へ行くところ、といった認識でした。

私が就職活動をしたのはちょうどバブルがはじける直前で、拘束という名の豪華食事接待もある時代でした。男の同級生達は、実家に泊まって地元で活動しつつ、面接の交通費を下宿から申請して稼いだり(やっちゃだめですよ)、内定数を自慢したりしていて、ほんと、氷河期の学生さん達には申し訳ない売り手市場でした。

当時は、下宿に電話帳のような分厚い就職情報誌が箱に入って送られてきました。その中に閉じこまれたハガキをせっせと書いては、資料を請求したり、セミナーに応募したりすることから、就職活動は始まりました。

男子学生の中には、背の高さほど情報誌が送りつけられていた人もいましたが、当時はまだ女子学生はお呼びでない企業も多く、私の下宿には、男子学生の3分の1にもならない量しか送られてきませんでした。

中には、私の名前を見て男と間違えて電話してきて(男女どちらもいる名前なんです)、「女の方でしたか…」と電話を切る失礼な企業(N証券)もあったくらいです。

と、いろいろありながらも、当時はほとんど自分達で活動していましたね。

ところが今は、各大学が在学生の就職活動に向けて、各種セミナーや相談できる環境を整えています。特に私立大学では、就職状況を大学を選ぶ目安にしている父兄も多く、大学志望者を増やすためにも、手厚いサポートが準備されています。

それに、2013年度の調査では、今や大学では、「キャリア教育」が授業の教育課程内で99.1%、課程外で93.0%も実施されているとのこと。

つまり、キャリアを学ぶことが単位になっているわけです。必須科目になっている大学も半数に上ります。

勤労観・職業観の育成とか、社会人基礎力を育てる授業とか、企業関係者の講演とか、内容も様々工夫されています。

早期離職を減らすため、であったり、自分らしいキャリアを考えてもらうため、であったり、私が大学生だった頃はじっくり考えてもいなかった内容について、学生と社会を繋ぐ教育として、今まさに、盛んに取り組まれています。

そんな流れの中、23日に「キャリア教育実践講習」が名古屋でも開かれており、私もキャリア教育の授業プログラム作成について学んできました。

授業プログラム集もいただけたので、より具体的なイメージが湧きました

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ちなみに、私が新卒で就職した法人は、内定者拘束のために内定者同士でバンドを組ませ、レッスン2回を経て内定式でライブをやるという、まぁなんとも変わったところでした。

それでも内定式当日、ギターがいないとか、キーボードがいないとか、辞退してこなかった人もいましたね。

そんな時代も懐かしい…。


大学受験での思いを、就職活動でリベンジする

昨日、次男のセンター試験の受験料を振り込みました。銀行窓口の受付印が必要なので、これは親の役割ですね。

遅ればせながら、いよいよ次男も受験モードに入ったようです。

同じように育てても、長男と次男では大学受験への取り組み方も、志望校の決め方も違い(文系・理系も)、不思議なものです。

昨年、私立大学で就職支援に携わっていた時に、「国公立大学の受験に失敗したので、就職はリベンジしたい」という学生に、何人も出会いました。

企業の面接で、「どうして今の大学を選んだか」聞かれるのがつらいと。

その年は、私自身、ちょうど長男が受験生だったこともあり、受験生がどんな気持ちでどんな日々を送っているか、その結果が出たときの状況・気持ちが頭をよぎりました。

その学生たちの話に、どうしても、「親」としての「自分」の感情が動いてしまい、私は「カウンセラー」としてセーブしながら、その学生たちと向き合っていました。

それでも、自分の中の失敗経験を、次の機会にリベンジしようとするその学生たちの熱意には、ただただ、心打たれるものがありました。

就職活動を精一杯乗り切り、その学生たちは、それぞれに納得のいく方向へ。

失敗経験に押しつぶされずに大学生活を送り、目の前の機会で更にステップアップを遂げた学生たちの前途を、今も、心より応援しています。