相手の気持ちを「体感」する

キャリアコンサルタントを目指して取り組む方々と接する中で、ロールプレイは欠かせません。

国家資格のキャリアコンサルタント試験は、「学科」や「論述」試験だけでなく、15分間の面談(キャリアコンサルティング)を実際に行い、その内容を振り返る口頭試問も含めた「実技」試験があるのです。

試験対策としてフィードバックさせていただくことも多いのですが、ロールプレイのクライエント(相談者)役をさせていただくこともあります。

自分の実体験を話すこともありますし、設定した役として相談に至る背景も含めて準備し、臨むこともあります。

しっかり準備したら、ロールプレイではその役になり切ってキャリアコンサルタント役の方に向き合い「相談」していきます。

この体験は、実はキャリアコンサルタントとして面談するうえで、とても勉強になるのです。

クライエントはどのように接してもらうと話しやすいのか、どのように問われると無理なく自然に内省していけるのか、答えにくい質問は何か、聴いてもらえている実感はどういうときに感じるのか、などなど…。

キャリアコンサルタントとしてクライエントに向き合うとき、その感覚を知っているかどうかで、接し方は変わってきます。

それも、知識やスキルとして「知っている」ことと「体感した」こととでは、大きな違いがあります。

実社会でも、いろいろな経験をした人は、相手の気持ちが理解できると言います。

「体感」して理解したことを、実際のロールプレイや面談で活かすことで、関わり方に深みが増していきます。


近づくために、まずは相手の世界を受け止めてみる

梅雨に入ったというのに、毎日お天気続きで雨が降らないなと思っていたら、今日は土砂降り。

台風並みの雨と風で、大変なお天気になりました。

こんな天気の中、今日は豊田市へセルフ・キャリアドック制度を活用したキャリアコンサルティングに行ってきました。

お伺いした事業所の近くだったこともあり、私は初めてトヨタの本社を見ました。

愛知県はさすがトヨタのお膝元、大学生と面談をしていると、

「だって、愛知はトヨタもあるしモノづくりが盛んだから、私もモノづくりに興味あります!」と

目をキラキラさせて話す学生が結構いるのです。

でも、残念ながら私は出身も県外で、今までにトヨタ車を運転したこともほとんどなく、共感する気持ちは地元の方たちに到底及びません。

でもそんな時、話を聞く立場としては、いったんそのキラキラの思いをそのまま受け止めて言葉を返します。

「トヨタもあるからモノづくりに興味を持ったんだね。」

このステップを入れることで、ぐっと相手との距離は近づきます。

そうやって足並みをそろえたところで、今度はそのキラキラの中身を聞いてみます。

「モノづくりのどんなところに興味があるの?」

いきなり「その気持ち分からないなぁ~」とそのまま自分の気持ちを言ったり、「ふ~ん」と気のない返事をすると、すっかり話の腰を折ってしまい、その先の大切な話をしてもらえなくなります。

相手と同じ気持ちになれないからといって、相手の話が聞けない訳ではないのです。

まず、相手の気持ちや相手の思い描く世界を受け止めて言葉で返し、その上で更に詳しく聴いたり、時には自分の本音を言ったりすることで、お互いの理解も深まるのです。


興味のある話題

長男は県外に住んでいるため、普段はLINEでやり取りしています。

大学入学時には写真も交えて送られてきていたメッセージも、2年経った今ではめっきり減りました。

月1回の仕送りの連絡以外は用事がないと連絡は来ないし、こちらからのメッセージには、2日経っても「既読」さえつかない始末。

読んでないわけないのに、そのままほったらかし…。

そんな状況なので、たまに息子が興味ありそうな話題があれば、私からLINEしています。

今日は中日ファンの息子に、中日が今季初勝利したことをLINEしてみました。

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すると30分もたたないうちに返信が!

何か聞きたいことがあってLINEしても、返信に2日はかかるのに…。

結局は、相手に反応してほしいなら、「相手の興味を引く話題」ということですね。

春は新しく出会う人も多い季節です。

つい、自分の知っている話や、自分たちで通じる話をしがちですが、もし新しい方が一緒にいたら、ぜひその方の興味を引く話題も交えて会話してください。

「何に興味があるのか」を考えることで、気持ちがその方に向きますし、その方も興味を持つ話であれば会話も弾み、知らなかった一面が見られるかもしれません。

私も、長男は何に興味があるのか、反応を探りながら、LINEを送ってみようと思います。


「友達100人できるかな?」

おうかがいしている大学併設の幼稚園は、今日が入園式でした。

幼いながらも制服を着て手を引かれる姿はかわいいですね~。

そんなコメントがでるあたり、私も年を取ったものです(^^;)

その姿を見ながら、集団生活の新たな始まりを思い出していました。

私は、歌にもあるような「友達100人」なんて数の勝負はとてもできるような子供ではありませんでした。

幼稚園も遅刻の常習犯で、祖母に手を引かれ、幼稚園に隣接する公園を通りながらだましだまし連れていかれるのが常でした。

もう私がつく頃は園庭でのお遊戯も佳境に入っており、遅れて登園した私は、部屋から一人で、みんなのお遊戯の様子を見つめていた記憶があります。

その記憶を発端に、集団生活にはどちらかというと窮屈さを感じることも多く…。

自分の意見に引っ張られ、相手に合わせることにはかなりエネルギーを使っているような気がします。

でも、SNSでの友人数が話題になるような人付き合いはできません。

でも、それでもいいかな…と考えられるようになったのは、自分で仕事を始めて、自分のペースで動くようになった頃からです。

どうしても質より量の方が話題に出がちな人との関係ですが、新入生も新社会人も、そして新たな場へ臨まれた方々も、自分のペースで大切に関係を築いていってください。

そして、新たな人との出会いを楽しんでください。

 


トラブルの当事者が、それぞれ考えていること

セルフ・キャリアドック制度に携わって企業内の複数の方と面談をしていると、うまくいっていない部署の当事者双方の話をそれぞれに聞く、という展開になることもあります。

もちろん、キャリアコンサルタントには「守秘義務」がありますので、話した内容をその相手や企業側に伝えることはありません。

面談を始める前にも、その点は約束しています。

そもそも「部署内トラブル」として面談をしているわけでもありません。

それなのに、面談中にそれぞれの方が悩んでいる話として出てきたわけです。

話を聞きながら、「あれ?これってさっき面談した方のこと?」と感じたのです。

でも話を聞いてみると、それぞれ受け止め方がずいぶん違う…。

一方は、あいさつも返してくれない人がいて感じが悪い。

もう一方は、頼んでも仕事を任せてもらえない。

面談内では、組織に少しでもプラスになるように、それぞれの方のキャリアステップも踏まえた方向性を、相手の方の話には触れずにアドバイスさせていただいたのですが…。

それにしても、トラブルに至る双方の意見とはこれほど見方が違うのかと実感しました。

仕事でもその他の人間関係でも、こじれた当事者同士では見方や考え方が偏って、より一層こじれることも多いです。

でも一歩離れて、第三者に自分の意見を聞いてもらったり、話しながら自分の状況や行動を振り返ったりすることで、より良い方向への糸口が見つかることもあるのです。

仕事の場で、そんな時に相談できる存在として、キャリアコンサルタントがもっと役立てたらと思った出来事でした。


人は、相手によって話題を選ぶ。

成人式から帰った長男は、その翌日、久しぶりに会った友達との話題について話してくれました。

高校の同級生とは今年予定されている同窓会の情報確認、中学校の恩師とは最近連絡が取れない同級生の話題、地元の大学へ通う友人とは大学生活やアルバイトなどの近況、と言った感じで、相手に合わせて様々な話をしてきたようです。

でも、今年秋に決まったロシア行きのことは、「大学生で、留学しそうな学部の友人にだけ言った」とのこと。

「全部説明するのがめんどくさかったから」と。

既に社会人の友人もいれば、地元だけで生活していて海外なんて考えていない友人も多く、海外へ行くこと、さらにその行き先がロシアであることを短時間で説明するのが面倒だったというのです。

人は相手が興味を示したり共感してくれる話題を何気なく選んで会話を進めていきます。

じっくりと話す機会でなければ、説明に時間がかかったり、理解してもらいにくい話題は避けているのです。

我が家の子供たちは、家で学校の話題をあまりしませんでした。それも、子供たちなりに、私には理解しにくいと判断していたからかも…。

親として許容範囲が狭いと思われていたのか(^^;)

いまやキャリアコンサルタントという仕事をしている私としては、目の前に来談された方に、「何を話しても受け入れてもらえそう(=受容)」と感じてもらえる大切さと難しさを、あらためて考える機会となりました。


立場の違う方のお話は「役に立つ」

今回お手伝いさせていただいているキャリアコンサルタント養成講座の方々は、初日からぐっと距離が近く、早くも2回目にして「キックオフ会」なる飲み会をセッティング。

しかも、ほぼ全員参加というのも驚きです。

受講生という同じ立場の方々でも、顔ぶれが変わり関わり方が変わると、互いの距離感も違うものだと実感です。

もちろん、私も参加させていただきました。

参加者の中には会社を経営している方もおり、セルフキャリア・ドック制度を活用されたとのこと。

今週、実際に企業にお伺いする私としては、キャリアコンサルタントに会社に入られる経営者側の意見が聞きたいところ。

これはチャンスと、コンサルティングの様子やキャリアコンサルタントに望まれることなど、いろいろお伺いしました。

これぞ、飲み会の力!

日々同じ生活を送っていたら出会わない方々と出会いお話ができること、そしてそこからいろんなことを得る瞬間はワクワクします。

頭の中の想像だけでは分からない現実の話は、ネット情報とは真実味もライブ感も違います。

だから、「Let’s飲みニケーション!」


「飲みニケーション」は「コミュニケーション」?

大学でサポートさせていただいているアクティブ・ラーニングは、同じメンバーで6回続きます。

今日は3回目。そろそろ折り返し地点です。

それが、今回は前回に比べ、とてもいい雰囲気!

ディスカッションのワークに入って、書記担当が筆記する手元が見えるようメンバーで向き合って話し始めると、表情良く話に参加しながら意見を出しています。

もちろん、中には、うまく意見が出せなかったり、話に入れなかったりと、あと一歩の学生さんもいるのですが、全体的に活気があるのです。

にこやかにグループワークを進める様子を見て、内容の濃い議論に、コミュニケーションは大切だと改めて実感しました。

また次回からの後半戦、あとどの位深く関わり合うことができるようになるか。

そして、その関わりの中から、一人では思いつかなかった結果を導き出すことができるか。

学生さんたちが関わることの力を体感できるか、楽しみです。

ふと、どうしてこんなに雰囲気が違うのかと考えて、私が思いついたのは、「飲み会でもあった?」

近年「飲みニケーション」は賛否両論ありますが、お酒を飲むことで、緊張が和らいで親しく話すことができるし、ぐっと人間関係が近づくような気がして、私は賛成派です。

そろそろ忘年会シーズン。

飲みニケーションでコミュニケーション!


アクティブ・ラーニングでコミュニケーション力も磨く

またまた、大学でのアクティブ・ラーニングのサポートをさせていただきました。

アクティブ・ラーニングに効果的に取り組めれば、社会へ出てからも役立つコミュニケーション力がつくこと請け合いです。

今回のワークは4~6人グループで、1枚のシートに書記が全員の意見を書き取ったうえで、話し合って1つの結論にまとめていく…と、言葉では単純なものでした

が、実際やってみると、ハードルが高い…。

意見を出す人は、書記が1文に書けるように要約して伝えないと、書きにくくて時間がかかってしまいます。

キャッチボールで、ボールを自分の投げたいように投げ続けると相手が取り損ねるのと同じです。続けるためには、相手に受け取りやすいように投げないと。

つまり、相手のことを考えることが大切です。

まとめる時も、意見が出なくて議長が困っていれば、一人一人が意見を、まず一つは出そうとする。

つまり、相手や周囲の人の様子を見て感じながら、自分にできるちょっとした行動で関わっていくことが必要なのです。

この積み重ねは、コミュニケーションそのもの。

コミュニケーションって、最初から上手な人もいますが、経験を積むことで確実に上達する力です。

問題は、いかに嫌にならずに経験を積むか。

学生さんたちが、関わることが「うざい」「めんどい」ではなく、「へ~」「何かいい感じ」と感じて次回も参加できるようにどう関わっていくか、試行錯誤が続きます。


人と出会うことの大切さと、その重みに向き合う。

今日は、今月からお仕事をご一緒させていただく方々との顔合わせでした。

前任者の方がご出産されるということで、その送別会に参加させていただきました。

前任の方から伺ったお話をふまえ、気持ちを引き締めて仕事に臨みたいです。

それにしても、フリーとして仕事を始めてから、今まで以上に人との出会いの大切さを実感するようになりました。

このお仕事も、出会いから繋がったものですし…。

どこかに所属しているうちは、やはりその企業やポジションにいる「私」として、繋がっていただいている感じが強く、私自身も出会いに対する思いが今より薄かったです。

それが、個人で仕事をするようになって、当たり前ですが、「私」として繋がっている実感は大きく、それに伴って、責任も大きく感じるようになりました。

出会いの大切さも、比べ物にならないくらい身に染みる日々です。

でも、もともと私は、様々な人と出会って刺激を受けることがやる気に繋がっていたので、そう考えると、カウンセラー業もこの働き方も、やっぱり合っているのかも。

とにかく、まずは「いっぽいっぽ」を大切に。