具体的に書くって、意外と難しい?

大学生の履歴書やエントリーシートの文章の添削をしていてよくあるのが「具体性がない」文。

読み終わっても、抽象的で読み手に何となくしか伝わらないので注意が必要です。

自分の頭の中にあるイメージから文章を作ってしまうとこうなります。

具体的な文章にするコツは、伝えたい点がよく表れた「ある1日」や「ある出来事」を取り上げて考えることです。

そのとき自分は何をして、何を大切にどう工夫したのか。

大変だったのはどんなところで、そのときどんな思いでの取り組んだのか。

といった風に、具体的な出来事を通じて自分の努力の仕方や大切にしている思い(価値観)を言葉にして、初めて読んだ人に伝わるように書くことが大切なのです。

例えば、ラーメン屋でのアルバイトでがんばった話を書くのなら、

「私の強みであるコミュニケーション力を生かして他のアルバイトと連携し、努力し続けた結果、売上に貢献することができました。」

では、「私」としてどうがんばったかや、なぜがんばったのか、といったその人のよさや大切なことが伝わりません。

「繁忙期を乗り切るにはアルバイト同士の連携が大切と考え、お客様の来店やテーブルの片づけは周囲へ声を掛け、店の回転率を向上させました。」

こうすると、慌ただしい店内でも何とか結果へ繋げようと、自分から声をかけて周囲を動かしている姿が頭の中に浮かびます。

つまり、自分の頭の中にあるイメージは具体的に伝えないと相手とは共有できないし伝わらないのです。

そこで、心の中の思いも含め、具体的に文章にしていきます。

その場の光景が相手の頭に浮かぶようになってこそ、どんな人かも伝わるのです。


豆まきで鬼退治したら、春が来る。

今日は節分。

私が幼い頃は、山梨の実家の近所にある「大神宮祭」というお祭りに行くのが恒例でした。

2つの神社の間にある道を鬼が子供たちを脅かしながら通っていくのですが、通り道の沿道には出店が並び、夜遅くまでとても賑やかでした。

このお祭りでは山梨特有の食べ物も売られていました。

「切山椒(きりざんしょう)」は拍子木のように細長い形でほんのり山椒の香りがする甘くて柔らかい餅

「かや飴」「落花生飴」は板チョコ状に薄く延ばされ中にピーナッツの入った琥珀色の飴

言葉では説明しにくいけど、長いこと節分に帰省することがないので写真もなく…。

この時期しか売られていないので、思い出すと無性に食べたくなります。

縁起物の「甲州ダルマ」は、描かれた眉が鶴を髭が亀を表していると言われ、手描きされているので毎年顔を見て選ぶのも楽しみでした。

他にも熊手などの縁起物を売る店が連なり、ワクワクしながら店を回ったことを思い出します。

甲府盆地で2月の始めといえば目に入る南アルプスは真っ白で、「八ヶ岳おろし」といわれる北西のからっ風が吹き荒れる時期。

「立春」とは名ばかりの寒い季節の中、縁起物の連なる店やそれを買い求める人ごみの中、春を待ち遠しく感じたことを思い出します。

明日は二十四節気の始まり「立春」

暦上は明日から新しい年が始まります。

新年を迎えてまだ1月あまりですが、ここでリセットできるのもありがたい。

新たな気分でがんばりましょう!


「バイトリーダー」って書けば楽勝!?

一時期、新卒採用をする企業の間で、「エントリーシートを読むと世の中バイトリーダーだらけ」と言われていました。

これは学生さん達が、「役割」や「ポジション」があると企業に選ばれる、と考えていたことから生まれた現象でした。

もちろん任された役職があれば、成果として伝えていくことは大切です。

でもその話を書くときには、内容こそ、よく考えていく必要があります。

「バイトリーダー」といってもバイトをしている業種や店舗の状況によって目指すことは違いますし、その人によって問題への取り組み方も違います。

人数の多いアルバイトを意見調整しながらまとめ上げた「リーダー」もいれば、信頼を積み重ねて常連客の対応を任されるまでになった「リーダー」もいるのです。

その点を意識したうえで、その話で自分の「何」を伝えたいかを考えながら書いていくのです。

つまり、「リーダー」のポジションが評価されるのではなく、リーダーを任されての頑張りや、そこで身につけた力が評価されるのです。

そう考えていくと、「リーダー」にこだわらずとも、エピソードを通じて自分の良さを伝えることはできます。

「じっくりと粘り強く」がんばるタイプなのか、「瞬発力を活かして一気に」がんばるタイプなのか、「周りを巻き込んで一緒に」がんばるタイプなのか…。

人それぞれ違うことを前提に、自分はどのようなタイプなのかを考えながら、仕事にも生かせそうな「自分らしい良さ」が伝わるように、具体的なエピソードを基にまとめていきます

実際に履歴書に書く文章量は少ないのですが、初めて読む人の頭に「その人らしい」光景が浮かび、企業の方に「ぜひうちでがんばってほしい」と思ってもらえる文章を目指して試行錯誤する努力が、先へと繋がっていくのです。