「地域限定正社員」って昔はなかったよね(前編)

JILPT(労働政策研究・研修機構)が2018年春に就職する大学生へ行なった調査結果が発表されていました。

その調査項目の中に「地域限定正社員」についての報告が。

「地域限定正社員」といえば、ここ数年増えている採用枠で、転居を伴う転勤がない正社員のことです。

金融機関(銀行や保険会社など)や小売業(ユニクロなど)で取り入れている企業が多いですね。

正社員(総合職)として働きたいけれど、転勤はしたくない…と、女性を中心に人気があります。

さらに、無限定の正社員との相互転換を認めていて、状況に合わせて変わることのできる企業も出てきています。

もちろん、「地域限定正社員」のキャリアステップや業務内容、権限、待遇などが、転勤のある正社員と違う企業もあるので、確認して選んでいくことが大切です。

実際に大学生と面談していると、地元を離れたくないとか、将来のことを考えると全国転勤のある企業を選ぶことには抵抗がある、といった学生さんがいます。

特に愛知は地元志向が強いため、就職活動を始める時点では「地域限定正社員か一般職」を目指して活動する女子学生の方が多いのです。

この調査によると、就職活動前の希望調査では「ぜひ応募したい」と「処遇に大きな差がなければ応募したい」という学生は合わせて、

男性で64.2%、女性で82・4%、男女合計では72.6%。

大人気です。

ところが、就職活動を経て、実際に地域限定正社員に内定したのは、当初希望していた男女のうち、合計28.6%に過ぎません。

比較的枠の多い女子学生でも35%程度。

結局、希望はしたものの、現実の就職活動の中で、希望する業界で採用がないため妥協したり、競争倍率の高さに他の枠へ応募して結果を得たりと、現実対応していったようです。