今は、留学生が大学を卒業して日本で就職するには、大学の専攻に関連がある職務でないと、就労ビザが認められません。
大卒では、単純労働や肉体労働に就いて、日本で働くことはできないのです。
社会科学系(経済・経営・法学)の学部なら、総合職や営業・通訳などは、ビザが下りる可能性は高いですね。
その上、留学生を採用する企業側でも手続きが必要なので、留学生の採用経験のない企業は二の足を踏むことも多く…。
ところが、留学生本人がその点を理解しておらず、3年生の段階では、「工場で製造の仕事がしたい」とか「飲食店で接客がしたい」とか言うケースも。
日本語会話力がまだまだの学生ほど、情報を理解できない事もあり、そんな感じ。
そこで、かみ砕いて説明。
聞けば、母国に子供がいるとか、実習生で3年働いた上に日本語学校へ通ってから大学へ進学したとか、もう35歳だとか、バックグラウンドも様々。
こんな今の留学生の現状を踏まえ、今回の外国人労働者の受け入れ拡大を考えると、思いは複雑です。
外国の方が、日本で働きたい思いについては、可能性も広がるでしょう。
ただ、日本人は本当にこの方々をどう受け止めているのか。
単なる労働力一人分としか見ていないのでは?
話せば一人一人、母国への思いも、日本語を学ぶ努力も、日本で働くことへの思いも、収入を得たい切実さも、渡航先での心細さも、様々な思いを持った人間です。
昨年、長男がロシアへ留学中、現地の方との様々なやりとりを聞き、優しい対応の話に国へのイメージが変わったこともあれば、厳しい対応の話に心を痛めたこともありました。
この留学生達も様々な思いを抱いて日本に来ているかと思うと、受け入れ体制も整わないまま、話題の中でモノのように扱われている現状に、今後が心配です。