私のキャリア支援の「原点」に帰る

今日は求職者向けの職業訓練を行っている専門学校へお伺いし、就職支援の一つとしてキャリアコンサルティングを行ってきました。

私は以前、職業訓練業務に携わっていました。

と言うより、私がキャリアコンサルタントを目指したきっかけこそが、職業訓練でした。

出産・育児で中断したキャリアを繋げようと、正社員の仕事を目指して応募したのが、偶然、公共職業訓練としてパソコンの訓練をしている会社だったのです。

そこは、失業保険を受給中の求職者対象に、愛知県から公共職業訓練を委託されていました。

家から車で5分程度の近所にあったその訓練施設の存在を、私はそれまで知りませんでした。

でもそこで、私の中でマイナス要素でしかなかった職歴が受講生の就職支援に役立つという経験を経て、私はキャリア支援の道へ一歩を踏み出したのでした。

職業訓練では、スキルを身につけることができるのですが、それはあくまで仕事に活かすため。

就職支援も訓練後の方向性を後押しします。

今日面談したクラスは、受講生が20名。

面談の中で、以前の職場を思い出して懐かしく感じる時もあり…。

時間内、お一人お一人と、次の仕事へ繋げるためにどのような方向で動いていくか確認を。

そして、また来月の面談で1ヶ月の進捗状況をお伺いすることを約束し、施設を後にしました。


大学生が書くエントリーシート数が減っている

大学のキャリアセンターに来る学生もめっきり少なくなり、大企業の6月解禁を待たずに今年の就職活動はピークを過ぎたようです。

「2019年卒マイナビ就職モニター調査」の結果が5月15日に発表になり、4月時点の大学生全体の動きが分かります。

調査によると、4月時点で41.3%の学生が最終面接へ進んでおり、29.9%が内々定。

ただ早い段階で結果が出たためか、内々定をいただいても就職活動を続ける学生が多い様子。

また、4月にエントリーした企業の数は平均5.3社とのこと。

実はエントリー数は年々減っていて、2年前に比べると半分程度なのです。

それに、リクルートのOpenESという共通フォーマットのエントリーシートを導入する企業も増えているので、「エントリーシートの添削」のために来談する学生もぐっと減りました。

更に、この時期の来談数を減らしている原因は、インターンシップ。

4月に内々定をいただいた企業のインターンシップに参加していた学生は50.7%もおり、今や就職活動のスタートはインターンシップなのです。

本選考より前に、インターンシップの申し込みで簡単な書類を提出させ、本選考でのエントリーシートを省いた企業も多いようです。

結局、エントリーシートは企業学生双方に負担が大きく、できれば無くしたいという両者の思いが反映して、このまま減っていくのかもしれません。


「努力する」ことが、その人の「伸びしろ」を伸ばす

先週から2日間に渡り、キャリアコンサルタントの国家資格取得を目指す方への実技対策講座を担当しました。

参加された方も、始めは達成度がバラバラ。

そこで、合格に近づくために何が課題なのか、そしてその課題にどう取り組むのか、ということを1日目に共有してお別れしました。

そして、皆さんそれぞれが努力を重ねた1週間を経て、お会いした2日目。

面談のロールプレイを確認して不思議に思ったのは、実力が揃ってきたこと。

大変かな~と感じていた方こそが、努力努力の1週間を過ごしてこられたのでした。

そもそもの力とは別に、うまくいかないと感じている人ほど、何とかしようと努力すること。

そして、その必死の努力こそが、その人の中にあった伸びしろを大きく伸ばすことができること。

そんなことを実感した2日目でした。

キャリアコンサルタントの試験は、5月27日に学科と論述試験。

そして6月2・3日または9・10日(2つある試験機関ごとに設定されているのです)が実技試験。

受験される方が、ぜひ実力を発揮できますように…。


今から行動することの大切さを伝える

名古屋鉄道に乗って約一時間。

初めてお伺いした大学で、2年生向けにガイダンスを担当しました。

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私が「キャリアコンサルタント(カウンセラー)」として最初に携わったのは、大学のキャリアセンターでのカウンセラー業務。

就職活動に直面した4年生の相談を毎日受けていると

「大学生になってから、自己PRに書くようなこと何もやってないです」とか

「相手の目を見て話すのが苦手なんです」とか

「グループディスカッションで発言できないです」とか

そんな話が連日続きます。

日々、「もう今さら経験積む時間なんてないのに…」という思いは募るばかり。

だったら、さらに低年次の内に、経験を積むように関わらないと…

そう考えて、「キャリア教育」にも携わるようになったのでした。

今日、2年生へ向かって話しながら、キャリア教育へ向けて、2年前に抱いた思いが蘇ってきました。

今日参加した学生さんが、一人でも多く行動へと、一歩が踏み出せますように。


以前なかった仕事 ~胚培養士~

臨床検査技師の国家資格を目指す学科の学生さんと話していた時、話題に出た職業が

「胚培養士(エンブリオロジスト)」

体外に取り出した卵子や精子、受精した胚を取り扱う技術者です。

不妊治療になくてはならない存在として、不妊治療を行っている産婦人科病院で募集されています

現段階で国家資格はありません。

最近は専門に学ぶ教育機関もできてはいますが、大多数は、大学の農学・理学・医学系学部の出身者。

その方達が、医療機関で経験を積みつつ、働きながら、2団体で年1回行われる認定資格を目指すことが多いとか。

日本で体外受精・顕微鏡授精・凍結胚移植によって誕生した子供の数は、2015年には51,000人もいるということで、その陰にはこうした仕事の存在があったのですね。

AIによって消えていく仕事のことが話題になりますが、こうして以前はなかった仕事が生まれてもいるのです。

必要に応じて生まれた仕事が、どのように成長していくのかは、その仕事に取り組む方々の姿勢によると感じています。

今後さらに必要とされる上、携わる人には日々学ぶ姿勢が求められる「胚培養士」という職業を、今後耳にする機会も増えていくと思われます。


「地域限定正社員」のこれから

厚生労働省が4月24日、「地域限定正社員制度の積極的な検討」を要請する通達を、日本経団連を始めとする経済4団体に出しました。

私も以前、地域限定正社員についてこのブログで触れたことがあります。

それは、JILPT(労働政策研修・研究機構)が2018年に就職した男女に行った調査について。

大学新卒の就職活動を始める時点で、男女合わせて72.6%が希望していた「地域限定正社員」ですが、実際にその枠で就職できたのは28.6%だということ。

ニーズはあるのに、世の中に反映されていない問題点でした。

この厚生労働省通達の影響がすぐ表れるかは未知数ですが、その話題に触れたという点では進歩だと考えています。

特にここ東海地区は地元志向が根強く、私が面談していても、この地域を離れず働きたいという学生が圧倒的に多いのです。

もちろん、転勤を伴う総合職にもデメリットだけでなく、メリットもあります。

でも、子育て中の女性が働きやすい環境づくりの一要因として実家のサポートを受けやすいこと

また、介護する親とも近い距離で働き、働き続ける可能性を広げること

さらには、転勤に伴って家族が受ける影響が減ること

今までのライフスタイルや人間関係を活かして、ワークライフバランスのライフ面を充実させること

などなど、様々な点から希望する人が多い働き方なのです。

インターネットもスカイプもなく、移動しないと始まらなかった時代には当たり前だった「総合職=転勤あり」という働き方ですが、時代に合わせて変化していくのは当然です。

少子高齢化の世の中で、働く人それぞれが、意欲を持っていきいきと働けますように。


角度を変えて考えることで、自分の良さに気づく

大学生との面談で、自己PRを作ろうと今までの経験を振り返るとき

そして企業で働く方と、職務経歴書を作成しながら職務の棚卸しをしているとき

それぞれに、角度を変えて考えることの大切さを実感しました。

ある大学生に経験を聞くと、高校の吹奏楽部は人間関係のもつれから2年間で辞めてしまったと。

彼女曰く「だから自己PRになんか書けません」

でも、詳しく聴いてみると、その間にコンテストで全国大会へ出場しているのです。

「継続」や「関係構築」というポイントでは、確かに難しい話になりそうですが、「結果へ向けた努力」には全力を注いだはず。

今もその力は身についていて、今後も使えるので、ぜひ自信を持つよう伝えました。

「私にも、自己PRにできる話ってたくさんあるんですね」と笑顔で帰っていきました。

また、あるIT企業の社員の方との面談では、アルバイトや飲食店の店長・ボランティア等、短期間の経験を積み重ねてきたとのこと。

IT企業に就職してまだ4年で経験も少なくて…。

単に時間軸の職務経歴書を作ると、経験も浅く、年数から長続きしない印象です。

でも、直接お話を聞いた彼は、2年間出向していた大手企業のシステムプロジェクトで実力をつけていました。

その経験から学んだ人間関係構築力やマネジメント力は高く、状況を把握した計画性にも富んだ方でした。

数多くの経験から学び身につけた人間力、そして2年間でリーダーから直接学んだ実務運営能力こそ、職務経歴書でまとめる点なのです。

自分だけでは気づきにくい良さに、角度を変え観点を変えるためにも、キャリアコンサルタントの関わりは役立てると実感した面談でした。


「お客様」として扱われる学生たち

新卒の就職活動シーズンは、どうしても履歴書やエントリーシートの添削やら模擬面接など、大学のキャリアセンター側の業務に携わることが多くなってしまいます。

そんな中で、合同説明会の相談コーナーを担当する機会をいただきました。

支援している学生さん達が出かけていく活動先になる訳です。

近鉄に乗って向かった先は三重県津市。

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電車好きの私としては、先頭車両からの眺めにテンション上がります(^▽^)/

数多くの企業ブースエリアとは離れた一角で、来場した学生さんと面談をしていたのですが、実際に活動の場に来ると、気になる点もあります。

それは、学生さんへの主催者側の声のかけ方。

「お客様」として、丁寧な言葉づかいで丁重に扱われています。

売り手市場で人が集まらない企業にしても、学生さんは大切な「応募者」です。

年下の学生に対し、ことのほか丁寧な言葉で接し、頭を下げてブースへ呼び込んでいます。

採用目線ではそれも仕方がないとも思いますが、就職活動の間、ずっとこの感じで接してもらうと、人生経験の浅い学生は勘違いするかも…。

現実として、今年の選考は「早く」「甘く」進んでいる印象です。

例年では通過しないような、言葉遣いや態度の緩い学生も、面接を通過しています。

思いは複雑ですね。

入社してから、お互いに、現実とのギャップに問題が起きなければいいのですが…。


仕事でも「自分らしさ」を活かす

家の前のハナミズキが満開になりました。

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さくらも早く咲きましたが、他の花も早く咲いてしまうんですね。

去年は4月23日のブログに満開のハナミズキの写真があるので、半月近く季節を先取りしてしまっているようです。

先週末は冬へ戻ったかと思うような寒さでしたが、このところ昼間は暖かくなりました。

その反面、朝晩はまだまだ寒いので、気をつけないと体調を崩しそうです。

そんな暖かい日差しの下、企業の方対象のキャリアコンサルティングにお伺いしてきました。

企業は違うのですが、偶然今日は3人とも建築関係のお仕事の方ばかり。

ただ、現場監督の仕事を担っていても、その方のお人柄によって、タイプは様々。

ミスなく着実に作業を進めらてきた方は、その正確な仕事で培った信頼を活かす。

職人気質の方は、自分の背中で仕事に臨む姿勢を示す。

職人さんや業者の方に、自分からグイっと関わっていく方は、その行動力で自身にも力をつけながら仕事に臨む。

その人らしい強みを、自分で理解して活かしていけるといいですね。

そのためにも、過去の仕事を振り返る中で、見えてきた強みを確認し、気づいてもらえるよう言葉で返していきます。

皆さん面談後には明るい表情に。

お仕事これからもがんばってください!


メール返信にとまどう就活生

今お伺いしている大学も春休みが終わり、学内に学生が戻ってきました。

新入生らしき学生さんが学内のあちこちで教室や学食を探して立ち止まったりキョロキョロしたり。

学食は春休みと打って変わり、座る席もないほど人があふれ、学内に学生が一番多い時期です。

徐々に落ち着いてきます…(^^;)

一方、キャリアセンターの来訪者は例年より少なめ。

今年の就職活動は、実質インターンシップから始まっており、インターンシップで何らかの応募書類を提出して参加した学生さんは、そのまま優先的に説明会へと誘導されるケースが多いようです。

例年応募書類の添削に追われる3月中旬から4月にかけても、比較的来訪する学生は少なめでした。

今の時期は中小企業の説明会や面接に、忙しく活動中なのです。

今どき学生は、文章を書く機会も減り、直接友人に電話がつながるので友人以外と電話で話をする機会もほとんどなく、「電話できない」「電話に出ない」ことが話題になっていました。

それに加え、私が実感するのは、実は「メールを送ったことがない」学生が増えたこと。

今どきの学生は、LINEやその他のSNSが中心の世代で、直接会話に入ることが当たり前。

送信先も、その画面を開いている限りその人と繋がり続けます。

HPなども、文中のアドレスからワンクリックで相手先へ繋がります。

でも新たにメールを送ろうとしたら、送信先のアドレスを入力したり張り付けたりしたうえで、本文にも宛名を入力し、挨拶から入る訳で…。

「このメールどうやって返信したらいいですか?」という、私にしたら、何を聞かれているのか分からない質問も増えてきました。

大学によっては、電話のかけ方やメールの送り方を丁寧な資料で伝えているので、それも使いながら説明。

こんな様子を見ていると、世代や立場の違いを埋めるためにも、学生にとっての就職活動は、社会へ出るために大切なステップだと実感します。