今どき流行りの「就活用語」ランキング

先日、「就活生の間で流行した『就活用語』ランキング」が発表されました。

上位3用語は、

第1位 ガクチカ

第2位 お祈り

第3位 サイレント

「ガクチカ」とは、企業へ提出するエントリーシートや面接で問われる定番質問、「学生時代に力を入れたこと」の略語です。

同様の定番質問である「自己PR」は、題材に困れば高校まで広げて考えますが、「ガクチカ」は大学生活の経験で考えます。

ゼミやサークル活動・部活動など題材があればいいのですが、無い場合は、資格取得から授業での協働作業やアルバイトまで(アルバイトネタは大学によっては不可の場合も)、一緒に題材探しをすることになります。

数年前から使われていた言葉ですが、毎年順位を上げ、すっかり定着しての1位となりました。

そして2位の「お祈り」とは、選考が通過しなかったこと。

企業から来る不採用通知に、「今後のご活躍をお祈りしています」という文面があり、そこから「不採用になった=お祈りされた」と使われています。

3位の「サイレント」とは、選考を受けたのに何も連絡がこないこと。

合格したら企業から必ず連絡があるので、結局は不合格の事なのです。

他の選考を受けずに結果を待つ学生も多く、企業には「サイレント」せず連絡してほしいと思います。

でも、不合格の連絡をした後に合格に変えることは難しいので、採用活動中は結果を保留し続けたい企業側の気持ちも分かります。

悩ましいところです。

他の用語も見てみると、一時期話題になった「オワハラ」が順位を下げています。

内々定を出した学生に、企業が就職活動を終わるよう強制することです。

2年前は大きな問題になっていましたが、今やSNSで拡散されて企業イメージへのリスクも大きく、結果企業のためにもならないということで、徐々に減って話題に出なくなってきました。

こんな「就活用語」の順位の変遷にも、学生と企業の採用現場の試行錯誤が見えてきます。


「eスポーツのプロ選手」という選択肢

ジャカルタ・アジア大会で初の公開競技となった「eスポーツ」

まだまだ何のこと?という人も多いでしょうが、対戦型ゲームを使ったプロゲーマーが勝敗を競う競技です。

日本はまだまだ普及していないですが、アメリカや韓国では高額賞金が出る大会も開催されています。

そして、現実に日本でも「eスポーツ選手募集」という求人があるのです。

大学4年生と面談していたら、就職活動を始めて最初に、eスポーツのプロチーム選手へ応募したとのこと。

残念ながら通過しなかったそうですが、その理由も本人曰く、「以前書き込んだTwitterで口が悪かったから」だとか。

いや~、時代は変わりましたね。

男子学生が、「任天堂」「バンダイナムコ」「スクウエア・エニックス」など、ゲームメーカーのエントリーシートを添削に持って来るのは以前からよくありました。

でもさすがに、「eスポーツのプロ選手」に応募という話は、高校生の頃にやっとゲーム機が普及し始めた私にとって、時代が変わったことを痛感する出来事でした。

AIの発達で無くなる仕事の話ばかり出ますが、こうして新たに生まれる職業もある訳で、キャリアを専門とするからには、否定するのではなく、情報を得ながら時代とともに進んでいく必要を感じます。

そもそも、ゲームはスポーツなのか?賛否両論ですね。

とはいっても、2019年の茨城国体では都道府県対抗の大会も開催され、近い将来、オリンピック競技になる可能性もあるのです。

相反して、WHO(世界保健機関)が「ゲーム障害」を疾患として認めたばかり。

いずれにしても、ゲームを無視しして今後は語れない時代に入ったようです。


「やりがい」は、周りの人の言葉から生まれる

事務職の女性の方と面談をしていたら、「やりがいとか、よく分からないです」と。

事務職は滞りなく業務が進むことが当たり前。

その維持のために努力を続けていても、なかなか成果を実感しにくい職種です。

営業職は「ノルマがイヤ」という声もある一方で、自分がやったことが形になって評価に繋がる職種でもあります。

企業にもよりますが、事務職は、個人名で仕事を評価されることも少なく、「事務員さん」なんて呼ばれることも。

そんな仕事の「やりがい」はいつ感じるのでしょう?

エン・ジャパンが求人・転職サービスの「エン転職」利用者9,297名に行った調査で、「やりがいを感じること」を聞いています。

1位 お礼や感謝の言葉をもらう 62%(女性は69%)

2位 仕事の成果を認められること 56%(女性は63%)

やはり「言葉で評価されること」は仕事の「やりがい」に直結するようです。

つまり、事務職の部下にモチベーションや成長意欲を実感してもらうには、成果を言葉で評価することが大切なポイントになります。

お礼や感謝の言葉をいただき、成果を認められることで、自身の存在価値が実感でき、仕事のモチベーションも上がります。

上司のみならず、周りに事務職の方がいたら、日頃の当たり前に対する尽力に、感謝の言葉を伝えてみませんか。


セルフ・キャリアドック制度は、ひと段落

昨年度中にセルフ・キャリアドック制度の申請をした方との面談が終了しました。

企業で働く方と、「働く」今を一緒に見つめ、今後の方向性を考えていく面談制度です。

助成金を活用した制度ということで、この仕事に携わるかどうかは、同じキャリアコンサルタント同士でも賛否両論。

判断が分かれる業務でした。

私も迷ったうえで携わることにしたのですが、実際に面談にお伺いすればするほど必要性を痛感。

面談した方にとって有意義な機会だと実感する場面ばかりでした。

大企業であれば、育成という視点で、会社がその企業内での社員のキャリア形成を担います。

でも、中小企業はその機会が少ないため、客観的な視点で自分の「働き方」を考えたり、中長期的に将来のことを考えたり、という機会が無かった方も多く…。

「明日への力」となる面談を私自身も心がけ、臨んできました。

生活と仕事のバランスはどうしていきたいのか、将来もそうなのか、今後に活かせる自分の強みは何か、会社の中で自分には何を求められているのか、そしてこれから必要になる力は何か…。

性別・年齢・役職・今までの経験・大切にしていることなど、人によって働く上での状況は様々で、そんなことをあらためて考える、有意義な時間となりました。

1年半の間に、自動車販売店や保険会社の方に始まり、製造業や福祉施設の方・税理士・IT企業のシステムエンジニア・瓦職人・トリマー・アイリストなどなど、64名の方とお会いしました。

私にとっても、今まで出会ったことのない職業の方と向き合う貴重な機会であり、貴重な経験。

今後へ、いかに活かすか。

新たな課題です。


大学生の就職支援の経験が役立つところ

今春から、職業訓練の受講生の方へ、1ヶ月に1回キャリアコンサルティングを担当しています。

前回お伺いしたのは3か月間の「離職者訓練」

つまり、お仕事を辞め、失業保険をいただきながら次の仕事へ向けてスキルを身につけたい、という方対象の訓練です。

そして、今回は6か月間の「デュアル訓練」

3ヶ月間の訓練でスキルを身につけ、そのスキルを活かし、実際に企業で3か月間実習をするコースです。

職場での実習がセットになっていることもあり、仕事の経験が少ない若年者を中心に、ステップを経て職場定着を目指していきます。

実習での仕事ぶりが認められ、その実習先へ就職する、ということもあるのです。

今回面談した方の中には、まだ社会人経験のない「既卒者」(大学卒業後未就職者)も。

そういった「既卒者」の方へは、大学生の就活支援の経験が役立ちます。

普段大学生と話している「自己PR」や「志望動機」の説明も、活かすことができます。

さらに、実際に「働く」イメージを持ってもらうために、次回面談までに仕事の内容を調べてくる約束もできました。

振り返れば、以前職業訓練で就職支援をしていた時にはできなかった支援です。

でも、5年間の経験を経て身につけ、それを今向き合っている方へ役立てることができました。

キャリア支援のフィールドは、とても幅広い…。

そのことを意識して、様々な経験を積むことの大切さを、あらためて実感しました。

やっぱり、日々精進。


「違い」を活かし合う大切さ

三重県津市で三重県主催の「ダイバーシティ」講座に参加してきました。

「ダイバーシティ」といえば、少し前から聞かれるようになった言葉ではありますが、まだまだどんな意味か分からないという方も多いですね。

「多様性」、つまり、企業で人種や国籍・性別・年齢を問わず人材活用すること、なのです。

「女性」「LGBT」「シニア」「障がい者」「外国人」等々、これからは多様な人々で力を出し合うことが大切な世の中なのです。

会場となった三重県総合文化センターには、敷地内に複数の施設が。

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本講座の始まる前にも、その施設内で障がい者の方が働くステップアップカフェ「Cotti菜」のランチ会があり、そちらももちろん参加。

障がい者の方の働く姿を見ながら、水耕栽培の新鮮な野菜を使ったおいしいランチをいただきました。

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本題の、多様性を「強み」として捉える講演はもちろん、とても学びの多い時間でした。

この講座は、以前キャリアコンサルタント養成講座で出会ったNPO法人の方にご紹介いただいての参加です。

最近話題の「LGBT」「外国人」「障がい者」といった分野へ実感が足りないな、と感じていた矢先、声を掛けていただいた事をきっかけに参加。

何となく意識はしているけど、自分から探すところまで至っていない取り組みに、お誘いいただけるのもありがたい。

もちろん、久しぶりに顔を合わせた方々と過ごした津市内の夜も、とても楽しい時間でした。

元気をチャージ!


一緒に過ごす人から影響を受けながら、雰囲気は作られる

今年度、キャンパスが2つに分かれている大学の、それぞれのキャンパスで講座を担当しています。

郊外のキャンパスで学生さんとグループワーク。

複数の学部を担当し、「学部によって結構雰囲気が違うな~」と思いつつ、今度は名古屋市内のキャンパスへ。

すると、何だかさらに雰囲気が違います。

何が違うか考えてみると、男子学生がちょっと元気で、女子学生が華やか、なのです。

もちろん、郊外のキャンパスでも華やかな学生さんはいましたが、全体の印象としては違ったものでした。

このところ、大学の都心回帰が話題になっていますが、まさにキャンパスの場所によって学生さんの雰囲気も変わっていく訳です。

共に過ごす友人たちから受ける影響は大きい。

行動だけでなく、価値観さえ変わるかもしれません。

それは企業においても同じ。

「社風」なんて言葉はまさにそんな「雰囲気」の蓄積です。

だから、就職活動の中でも、業務内容や職務内容だけでなく、そんな「社風」を知る機会は大切なのです。

入社してから気づいて、「何だか合わない」と思うより、できるだけ社員の方と接点を持って、少しでも納得できる手掛かりを集めることも、就活の大切な確認ポイントです。


今の若者はどう働きたいのか?

今どきの新入社員は、「働く」ことについてどう考えているんだろう?

そんな、先輩社員の素朴な疑問に答えるアンケート結果があります。

日本生産性本部が、昭和44年から長期(50回)に渡って新入社員に行っているアンケートの結果が先日発表になりました。

平成30年度の新入社員はどうかと言うと…

「働き方は人並みで十分」と答えた人が61.6%もいます。

「若いんだから、周りに負けじと働けよ…」と思っている先輩社員から見たら、物足りないとも言えそうです。

それに、「若いうちは自ら進んで苦労するぐらいの気持ちがなくてはならないと思う」人の割合は年々減って、今や5割を切ります。

反対に、「好んで苦労することはない」と答えた人は増え続け、今回は34.1%に。

こんなところも、ジェネレーションギャップが生まれそうです。

「自分が若かった頃は…」なんて比較したところで、今どきの若者にはピンとこない訳です。

では、働く目標はと言えば、「楽しい生活をしたい」が41.1%

そして「経済的に豊かな生活を送りたい」が30.4%

「自分の力を試す」とか「社会のため」に働くという人は、今やそれぞれ10%以下です。

楽しく生活しつつ、経済的に豊かになれば…と思いながら働く人が増えているようです。

こういった価値観は、世の中の状況にも大きく影響を受けて変化していきます。

「今どきの若者は…」と非難するだけでなく、こんなに価値観は変化しているんだということを知ったうえで新入社員と接することは、お互いの距離を縮めるためにも大切ですね。


「ディーセント・ワーク」って何?

大学でキャリア教育の講義をする中で、「ディーセント・ワーク」という言葉に出会いました。

聞きなれないこの言葉は、「働きがいのある人間らしい仕事」という意味。

ILO(国際労働機関)が実現を目指し、目標としているものです。

日本では、ディーセント・ワークを実現するために、NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)が20の課題を挙げています。

労働条件だけでなく、労働法の知識を得たり声を上げたり、といった行動を促すものもあれば、

日本型雇用(終身雇用・年功序列)、「大黒柱」、「良い母親のイメージ」といった従来の価値観を問う内容もあり。

中には、ブラック企業のモノを買ったり、サービスを受けたりしない、という消費者の取り組みも含まれています。

課題の中でどれが大切かグループワークで話し合えば、今どき大学生の価値観が見えてきます。

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就職活動を支援していても実感することですが、今どきの大学生は、冷静に世の中を見つめています。

高度成長期を経験した世代やバブル世代など世の中に勢いがあった時代とは違い、がんばっても成果が出るとは限らない時期しか知らない世代。

手書きの伝票を時間をかけて処理した時代と、パソコンや様々なITシステムで効率的に単純作業がこなせる時代で、同じ価値観である訳がないのです。

「長時間労働」一つとっても受け止め方は異なり、「がんばっている」対「非効率・企業の管理不足」

その世代間のギャップは、上の世代が思う以上に大きい。

いまの大学生世代が理不尽だと感じることは、これからの社会にとって課題として向き合っていく必要のある大切なものばかり。

そんな課題に地道に取り組むことで、あらゆる世代が「働きがい」を感じながら「人間らしく」働ける世の中に近づいていくはずです。


新しい「キャリアコンサルタント」たち

昨年携わったキャリアコンサルタント養成講座を受講されていた方々の合格祝賀会にお招きいただきました。

お会いするのは半年ぶりです。

前もって全員の合否を聞いていなかったため、結果はどうなのか、どきどきの再会でした。

全員参加されていたので恐る恐る伺うと、全員合格。

ほっと一安心です。

やはり、皆さん労力も時間もお金もかけて臨んでいるのですから、結果は大切です。

心おきなく祝杯を挙げることができました。

3月に試験があり、4月に結果が発表になっていたので、合格後の近況も伺うことができました。

キャリアコンサルタント試験に合格したからと言って、全員が本業として「キャリアコンサルタント」になる訳ではありません。

でも、折角合格したのですから、

それぞれの職場や環境の中で、直接資格を活かしてキャリアコンサルティングをするもよし、

学んだことやキャリアコンサルタントとしての視点で、所属する企業へ関わっていくこともよし、(主体的なキャリア形成のための研修や新たな制度など、実施運営面でも力が発揮できます)

身近な人や自分自身に対して、人生の中でのキャリアを見つめる瞬間に役立てるもよし

資格を取って本業にしなくても、「キャリアコンサルタント」になった自分にとって今何ができるか考え、「一歩を踏み出すこと」こそ大切です。

新しく「キャリアコンサルタント」になられた方々に、エールを!