インターンシップに参加するなら目的を持とう。

今年は、大学3年生対象のインターンシップが、本当に数多く実施されています。

それに、売り手市場を反映してか、昼食付きや交通費が一定金額支給されるインターンシップも、目に付くようになってきました。

あまり好景気の実感はなくとも売り手市場なことは確かで、今年の採用活動で思うように採用できなかった企業も多いのです。

そんな企業にとっては、インターンシップの段階から、今度こそは来年の採用に繋げようと気合が入ります。

もちろん学生目線では「昼食目当て」の参加者もいるでしょうが、やはり参加するからには目的を持って参加することが大切です。

そしてその目的は、人によって違ってきます。

志望業界や職種が絞り切れないなら、複数のインターンシップに参加して、その時の印象を振り返り、自分の興味や価値観を絞るもよし。

仕事の理解を深めるなら、社員の方との懇談会で、現実的な「働く」感覚を理解するもよし。

グループディスカッションが苦手なら、グループワークを含むインターンシップに参加して経験を積むもよし。

志望企業のインターンシップに本気で準備して、本選考へ繋げるもよし。

やはり、参加するときは目的を持って選択し、参加後もその内容を振り返って今後へ繋げることが大切です。

どうしてもイベントっぽい印象で、スタンプラリーのように参加を重ねがちですが、目的を持って活用することで、より納得のいく就職活動に繋がっていくのです。


様々な人と話した経験値が、コミュニケーション力を上げる

愛知県内の有名女子大学で行われた就活講座に参加してきました。

来春の本選考を見据えて、就職活動の流れを実際に体験するという内容。

大学側の指導もあり、既に準備をしている学生さんばかりでしたが、グループディスカッションや集団面接は、実際受けてみるといろいろと得るところが大きかったようです。

その中で、「グループディスカッションで発言するのは難しい」という話題に。

グループディスカッションは、初めて顔を合わせたメンバーと、制限時間内、テーマに沿って話し合って結論を出すのです。

もちろん結論を出すための進め方も大切ではあるのですが、そもそも、メンバー同士の関わり方が評価される場合も多いのです。

そして、初対面同士の会話の流れに入っていくことに、苦手意識がある学生さんも多いのです。

結局はコミュニケーションなので、学内学外を問わず様々な方と会話することで、経験も増え、力もついていきます。

今回は女子大。

しかも、学部は違っても、何となく見たことのある顔ぶれでのディスカッションでした。

でも実際の本選考は違います。

メンバーには男女ともいますし、文系理系、文化系体育会系と、タイプの異なるメンバーと向き合うことになります。

そのことを説明し、本選考までの期間に、様々な人、特に社会人と話す機会を自分から作るようお話ししました。

その経験は、グループディスカッションのみならず、面接でも生きてきます。

大学生は「大人」の印象もありますが、生活の仕方によって、意外にも学生同士の会話が中心の人もいます。

「これからのがんばり次第で、本選考でも自分らしくのびのびと話せるようになるから」と励ますと、それに応える笑顔、笑顔。

がんばってくれそうです!


大学3年生の冬休みは、インターンシップが大盛況

今年は例年以上にインターンシップを実施する企業が多く、冬休みへ向けて10月ごろから増え続けています。

実質「企業説明会」として1日だけのインターンシップを実施する企業も多く、学生さんとしても参加しやすいので2~3社に参加といった様子。

建て前は「インターンシップは採用活動とは別で」となっていますが、現実には参加した学生さんを基に名簿を作成して別ルートの選考や説明会へ誘う企業も多いのです。

マイナビ調査によると、実際に学生側が、インターンシップで興味がある内容は「仕事体験」

でも実際に仕事を体験させるには、人事だけでなく現場の協力が必要になります。

現場の負担になるとなかなか実施する企業は少なく、結局妥協案として「社会人らしい」「その企業が実施する」という意味で、企業の説明+「グループワーク(企画立案・課題解決など)」といった内容が多くなっています。

学生が実際に職業や企業理解につながるプログラムを体験したければ、内容をよく確認する必要があります。

実は、就職活動を始める時期に学生さんと話をしていると、「営業職」は人気がありません。

「だって飛び込みとか無理です~。」

いやいや、日本中の営業マンが飛び込み営業をしているわけではありません。

でも、学生が営業マンの仕事を見る機会はほぼ無いために、イメージはそうなっているのです。

顧客と関係を築いて適宜提案する営業、もあることをイメージできません。

こういう部分にこそ、仕事体験は生かせるのです。

3月に就職活動が本格化すると、あっという間に受ける企業を選ばなければなりません。

その前に、職種や業界・企業の方向性を絞るために、この冬休みはインターンシップの機会も積極的に利用するように、学生さん達に声を掛け、できる準備を促しています。


大学生の就活で、企業側の窓口は人事担当者だけど…

大学生と話していると、「職場の雰囲気が合うかどうか」を判断材料にしている人が結構います。

でもその点を判断するのに、人事担当者だけを基準に判断すると偏ってしまいます。

今や採用を担う人事は「広報部隊」

売り手市場でもあり、数ある企業の中から、いかに自社をいいと思って応募してもらうか、人事担当者は学生さんとの接点で努力しています。

企業説明会で、生き生きとした表情で学生に親しみを込めて話す担当者。

戦略として、男子学生を集めようと「見た目重視」できれいな女性を人事担当者として置く企業もあります。

さらに、接点を持った学生といかにいい関係を築いて維持していくかにも心を配っています。

そういった努力もあってか、人事担当者に対する学生の好感度は高く、実際に学生の口から「人事の方がすごくいい人で~」という言葉もよく聞かれます。

ただ、悪気がなくとも、人事とその他社員とのカラーが異なることは少なくありません。

中には採用担当者を専門業者に委託している企業もあります。

「職場の雰囲気」を知りたいのなら、人事担当者以外の社員との接点を持つことも大切です。

インターンシップで実際に働く方と懇談会を設けている企業もありますし、社員の方と話ができる機会があるか聞くと調整してくれる企業もあります。

その企業の方は、どんなことを努力し、どんなことにやりがいを感じ、今後へ向けてどう取り組んでいこうとしているのか…。

そんなことを伺いながら、共感できるのか、自分とは違うかもと感じるのか、実際に働く人と話し、一緒に働く仲間として価値観を確認することも大切です。

実際に会って感じた点を判断材料に加えることで、入社後の納得性も上がります。

インターネット上で情報は多く集まりますが、直接会うからこそ得られることはまだまだ多いのです。


企業はどうして大学の成績を聞くのか?

先日、文部科学省が大学や企業を対象にした調査(8月1日時点)の結果が公表されました。

その中で、企業が「学業成果の活用」をしているかという点も調べられています。

大学の成績と言えば、教官によって評価方法も基準も異なります。

出席をしっかりチェックしている講義もあれば、レポート提出だけだったり、試験一発勝負だったり…。

評価方法も基準も様々なので、企業も成績ですべてを判断しようとは思っていません。

純粋に学力を判断したい場合には、選考の過程にSPIなどの適性検査を課して、基準に見合った学力や思考力の確認をしています。

ただ、今回の調査を見ると、61.5%の企業が面接内で学業成績について質問していて、昨年より更に3.3ポイント増えているのです。

「他の評価と合わせて多面的な評価をする」や、「学業に対する取り組みや考え方の特徴を知る」が中心ですが、自己アピールポイントの補足や裏付けにも活用されています。

学生さんは、成績表を提出する時に、成績が「いい」「悪い」だけを気にしています。

もちろんその点も大切ですが、学業への取り組み姿勢や考えが話せることの方が、企業にとっては大切なのです。

学業成績の話題になると、学力偏重や学歴差別という批判に繋がる場合も多く、賛否両論盛り上がります。

ただ、「勉強」というやりたくない課題にどのように取り組み、どうやり遂げるかは、同じく「task」である仕事への取組み姿勢と共通することも多く、そういった意味で企業では参考にされているのです。


大切なことは、「悩み」「迷う」からこそ得られる

2018年卒の大学生の就職活動は内定式も終わり、そろそろ終息しつつあります。

実際に学生さんと関わっていると、巷で言われている「売り手市場」を本当に実感します。

厳しい就職活動を強いられる時代には、すんなり結果に至らないケースでも、あっさり内定取得できる場合も多く…。

方向性が絞り切れておらず、手当たり次第に活動している学生。

人当たりがよくコミュニケーション力はあるけれど、その企業に向けての志望度が感じられない学生。

対人経験が少なく、社会人として人と接していくうえでまだ不安がある学生。

こういった学生さんの場合、いわゆる「自己理解」「企業研究」「コミュニケーションスキル」などがまだ不足しているのです。

もともと学生生活では不自由していなかったので、就職活動をきっかけに、通過しない理由を悩んだり迷ったりして、徐々に身につけていけばいいのです。

周囲の人に話を聞いたり、自問自答したり、社会人との接し方を練習したり…。

「苦しむのは嫌」でも、少し視点をずらして先のことを考えると、その過程はとても大切です。

その過程の中で自分を見つめ、納得し、覚悟も決まります。

大学新卒の就職活動は、初めて経験することばかり。

何だか難しそうでハードルが高いと思っていたのに、現実には「売り手市場」で思った以上に結果に繋がってしまい、迷わずあっさり就職先を決めてしまう例も多くなっています。

結局入社後に迷い、早期退職に至る場合も。

就職活動の中で、いかに自分を見つめ、企業を見つめ、将来へ目を向けていけるか。

私たちキャリアコンサルタントはもちろん、親御さんや企業の方々にも心がけてほしい点です。


近づく「内定式」

毎週お伺いしている大学も、先週から夏休みが明け、学生さんとの面談が再開しました。

夏休み前にまだ就職先が決まらなかった学生さんと、久しぶりの再会です。

この期間の活動の様子を聞きながら、彼らのこの夏のがんばりを振返ります。

かなりの学生さんが就職先を決めて最後の夏休みを謳歌している中、彼らは面接に行き続けていました。

結果、面談した学生さんは2人とも内定を取得。

他に結果待ちの企業もあるため、就職先を決定、とまでは至りませんでしたが、がんばったことへの結果を出すことはできました。

迷いや不安、そして自信のない表情から、明るくかすかに自信を感じさせる表情に変わった様子を見て、私は、やはり結果を出すことの大切さを実感しました。

月が明けると10月1日は内定式。

今年は日曜日にあたるため、1日以降に実施する企業もありますが、何はともあれ、企業も学生もここまでの結果をまとめる日です。

来春からの新たなスタートに向けて、できる準備を整理して、面談もクロージングです。

4月になれば社会人。

そしてふと気づくと、今度は3年生のガイダンスの時期。

こちらは、来春の就職活動へ向け、今から何ができるか考え動き出す準備が始まります。


経験が足りなければ、実践で磨く

次男は、いつもは週末集中して稼いでいるアルバイトを平日の夜に追加して、試験期間に休もうと調整し始めました。

前もって調整しながら進めるのは、大学生の就職活動でも大切です。

各企業が並行して選考が進むので、乗り切るためにはマルチタスクとスケジュール管理が必要になります。

でも、実際に動き出してみると、既にできる学生と、苦手な学生が混在しています。

その違いは経験のちがいでもあるのですが、苦手な学生でも、就職活動を通じて磨くことができます。

入社後の作業効率や仕事の質にも繋がるスキルなので、私も、就職活動を通じて少しでも向上するように考えて関わっています。

遅ればせながら先月から本格的に就職活動を始めた学生さんも、活動を通じて徐々に変化してきました。

共通する部分を記入した履歴書を数枚ストックしてすぐ提出できるように準備したり、説明会の日を逆算して志望動機を作成したり、その合間で適性検査の対策をしたり…。

ぽつりぽつりと応募していた状況から、応募している企業の選考と並行して、更に合同説明会で応募企業を見つけるまでになりました。

自分でやるべきことを把握して、行動内容をコントロールできるようになったのです。

このスキルは、頭で考えているだけでなく、実践することで、より磨かれます。

私も、大学生に負けないようにまず実践!


就職活動での「変化」は「成長」に繋がる

週に一日お伺いしている大学で継続して面談していた学生さんが、希望していた企業の内定を取得し、就職活動の終了を報告に来てくれました。

3月から毎週、書類作成や模擬面接など、それぞれの企業の選考ステップに合わせて支援してきました。

全ての企業の選考がうまくいったわけではなく、その度に、話を聴き、相談し、時にはアドバイスも、と回を重ねてきただけに、私も感慨ひとしおですし、ほっとしました。

実際に働く方々の話を聞く機会を作るよう私が勧めると、最初は「え~っ」と抵抗感のある様子。

でも、最終的には自分から、合計6人の方に話を聞いて質問を重ね、仕事の理解を深めていきました。

就職活動を始めた頃とは全く異なる業界に志望先が変化する中で、自分自身で納得して就業先を選び、準備も重ねて自分の力で結果を得た彼女。

就職活動の終了を宣言すると同時に、「知識の少ない業界だから仕事のために勉強しないと」と語る姿に、私はとても力強さを感じました。

就職する業界が異なれば、これから出会う人々も異なります。

就職活動を始めた当初とは、意識も考え方も大きく変化した彼女の姿を、私は「成長」と受け止めています。

今後のさらなる成長と、彼女が、前途を自分の力で切り開いていくことを願って、笑顔で別れを告げました。


企業によって、新卒採用の経験値は違う

週一回お伺いしている大学は、面談時間が長く設定されているため、一人の学生とじっくり話をすることができます。

久しぶりに来談した学生に活動状況を聞きながら、選考に申し込むか迷っている企業の話を聞きました。

扱っているものはとてもおしゃれで、その学生も興味があるようです。

ただ、中小企業で新卒採用の経験があまりない企業と聞き、説明会の感想を聞いてみると、事業説明や業務の流ればかりで面白くなかったとのこと。

社会人経験のない学生が何を知りたいのか、という点を意識せず、純粋に企業紹介をしていたと思われます。

昨今の企業説明会は、企業の紹介の場ではあるのですが、とにかく学生に興味を持ってもらえて、想像しやすい内容を工夫して実施しています。

学生たちは興味を持たないと応募もしないからです。

先輩が仕事のやりがいを語ったり、入社後の仕事の中でも学生が興味を持つ分野を中心に話したり、福利厚生を説明したり…。

もちろん、現実と異なることではやり過ぎですが、学生目線で説明するという点は大切なことです。

その意識がないと、入社後も、既に他社で営業スキルを学んで実績を上げていた中途採用社員では疑問に思わない点や、当たり前すぎて分からないことさえ理解してもらえない点は、説明してもらえません

すると、次第にモヤモヤが募っていく訳です。

新卒採用は、社会で働くことから教育していく必要があります。

継続して新卒学生を相手にしている企業には、新入社員は何につまづきやすいか、何が理解できないのか、反対に何を知りたいのか、といった傾向や、最終的に離職に繋がってしまう点は何か、ということにも経験値があります。

そうならないために、研修やフォローをする可能性が高いのです。

もちろん、それでも平均的に3年で3割は退職するという事実を乗り越えるのは難しいのですが、今まで中途採用ばかりで…という企業は、より一層その観点での確認が必要です。

新卒学生がしっかり職場に定着していける企業は、他の社員にとっても働きやすい企業であることは確かです。

入社後どのように成長していけるかという点では、社内の環境も大きな影響があるのです。