凄惨な殺人事件が世間の注目を集めています。
容疑者が、正社員を辞めてからの仕事の遍歴を知り、「働くことで、その人の生き方も変わる」ことを感じます。
「働くこと」と「生き方」は、「ニワトリが先かタマゴが先か」と同じく、どちらが先で影響しあっているかは分かりにくいです。
でも私が多くの方々の「働くこと」に携わる中で、「生き方」との関わりを実感することも多いのは事実です。
公共職業訓練としてパソコンを教えている会社で、修了後の就職支援をした方もその一人です。
その方は、大学受験に失敗してから引きこもりがちなまま23歳になり、そんな日々を何とかしたいと職業訓練に通い始め、日々通学するなかで生活のリズムを整え、他者との関係も築きながら社会への一歩を踏み出していました。
彼女はクラスで一番若い女性だったにもかかわらず、地味な服装で化粧っ気もなく、髪も後ろで一つに黒ゴムで縛っていました。
真面目な彼女は日々パソコンに取り組んでMOSの資格も取得。
しかし、修了日が近くなって始めた就職活動では、月一回の通院や今までの職歴の無さもあり、なかなか結果が出せません。
そこで、まずは契約社員としての勤務から…と臨時職員(公務)に応募し、何とか社会復帰を果たしたのでした。
契約期間まで何とか務めた彼女は、再度就職活動をし、今度はリース会社の事務職に正社員として採用されました。
その後3か月…
仕事帰りに立ち寄ってくれた彼女の姿を見てビックリ。
きれいにメイクしてウェーブした髪は華やかに。
「働いた給料で”セシルマクビー”に買い物に行くのが楽しみ!」
見た目はもちろん、目の輝きが別人でした。
以前は肩身が狭くて会えないと言っていた友人と「食事に行く約束をした」と楽しそうに話してくれた彼女の姿を見て、私は「働くこと」は「生き方」そのものを変えるのだと強く実感しました。
収入が得られるだけでなく、働くことで自信がつき、生活にもメリハリが。
「働くことで、その人の生き方も変わる」
両極端な例ですね。