今までの人生全てを受け入れて進む背中に「エール」を!

ある日、キャリアセンターへ添削で来談した彼は、既に6回ほど来所していました。

今まで彼と面談した複数の担当者は、彼の自己PRに対し「ありきたり」だったり「表面的」だったりというコメント。

私も彼の持参したエントリーシートを読み終えて伝えたのは、「説明はよくわかるけど、自分が体験したもっと具体的な経験をもとに書いてみたら」でした。

そこでどんな経験があるかと聞いてみたのですが、「大学のサークルはすぐ辞めてしまったし、高校は部活へ入っていなかった」とのこと。

引き続き、既に書かれているアルバイト以外の話をと、他の経験を尋ねていきました。

すると、高校はSSH(スーパーサイエンスハイスクール)コースで、東京での研究発表の機会、海外から招待した学生とのディスカッションと、様々活動していたと言うのです。

それは企業の方もぜひ聞きたいから、その時のことを思い出して書いてみよう!

と言ったのですが、いい返事がきません。

しばらく、私がはげまし、その学生さんが渋る、というやりとりが続きます。

いろいろな角度から聞いているうちに話し出したのは、受験に失敗して不本意な大学へ来てしまい、SSHだということも敢えて書いていなかったとのこと。

同級生は有名な大学へ進学しているのに、自分は大したことしていないし、英語もあまりできないし…その時のことを書いても、と思っていたと。

その話を聞いて、

就職活動はリセットの場でもあること、受験の頃の経験はまだ消化できていなくても、今までの人生全て、がんばったことは先へ活かせることを話しました。

私の話を聞いてじっと考え込む彼。

「ありがとうございます!!」と吹っ切れたように表情が変わり…。

なんていうドラマ的展開になるのは傷も浅い場合。

現実、目の前の彼は、今までの大学生活でも抱え込んでいた思いを振り返るような表情で、

「そうなんですね…もう一度自己PRを作ってみます」

と帰っていきました。

彼が過去の自分を認めてあげることができ、高校の話を胸を張って企業へ話せること

そして、そんな彼の将来に期待して喜んで受け入れてくれる企業に出会えること

進む彼の背中に、「エール」を!


新卒就活のエントリーシート事情

キャリアセンターには、履歴書の添削に訪れる学生が多いのですが、3月に入って添削が増えたのが「OpenES」

新卒の就職活動用に、2013年にリクルートが始めたWeb上のエントリーシートです。

共通フォーマットに入力したデータを複数の企業へ提出することができます。

Web上で提出するエントリーシートが増えるにつれ、多くの企業に活用され、就職活動のツールとしてすっかり定着したようです。

履歴部分や「学業、ゼミ、研究室などで取り組んだ内容」「自己PR」「学生時代に最も打ち込んだこと」といった内容を入力するのですが、他にも応募先の企業の指定によって、「志望動機」やその他の設問が設定されることもあります。

学生側からすれば、予め準備した文章を共通して使えるため、Web上での就職活動が活発になった今、とても効率的なツールです。

企業側からしても、応募の手軽さから、幅広い学生の応募が見込めるため、導入のメリットはあります。

ただ、効率的な就職活動が広がったからと言って、すべてその方向かと言えばそうでもありません。

大手・有名企業企業などは放っておいても応募者があふれるため、反対に、手間がかかって面倒なエントリーシートを課して学生を絞り込もうとしています。

変わった「お題」が課せられたり、大きな自由記入(PR)欄があったり、全て手書き指定だったり…。

この場合、何を書いたらいいか途方に暮れる学生と、一緒に対策を考えるサポートです。

どこでも通用する正解はなく、企業のカラー(社風)によって評価も異なるため、企業研究をベースに、その学生さんらしさを活かしつつ方向性を探っていきます。

ハードルの高いエントリーシートは、入社意欲の高い学生や対応能力の高い学生を選ぶ方法であり、「我が社」のカラーに合うかどうかを判断する材料として使われているのです。

「効率化」と「独自性」

学生と企業の模索は続きます。


三寒四温

春先は天候が目まぐるしく変わります。

寒かったかと思えば、汗ばむような陽気の日も。

冷たい風が吹きすさむ日もあれば、雨の日も、穏やかな日差しの日もあります。

「三寒四温」とはよく言ったものです。

そうして、着実に暖かくなっていくようです。

今日お伺いした事業所は碧南市。

思いのほか時間がかかり、往復車で3時間余りの行程となってしまいました。

穏やかな男性の方との面談でしたが、気づけば日当たりのいい応接室で、手に汗をかくほど。

日差しはすっかり春なんだと実感しました。

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事業所へ向かう途中、「衣浦大橋」は渋滞していて、海の上にかかる橋の上で停まってしまいました。

私は、川を渡る橋が渋滞するのには慣れているけれど、海の上の橋は違う印象です。

ちょっと怖い感じ。

これは、私が泳げないからか…。

トラックの交通量も多く、停まっている間、橋が揺れています(^^;)

楽しい移動時間ではあるのですが、中にはそんなシーンもあり、ちょっと刺激的な半日でした。


私のエージェント

以前一緒に仕事をしていた方から、お仕事を紹介していただきました。

この瞬間、仕事は人づてに繋がっていく、ということを実感します。

その仕事を離れてから早くも3年半経っていました

いい方ばかりで、仕事も内勤と外回りと、私にとってバランスがよく、のびのびと働いていました。

でも、キャリア支援の資格取得を目指していた私は、そこで勤務している間に無事CDAに合格し、新たな実践の場へと、その職場を後にしたのでした。

しばらくはみんなが揃う食事会にも顔を出していたのですが、ご無沙汰しがちに…。

そこへ、不定期に届く「会心のおやじギャグ」のショートメールで繋がっていた方から、キャリアコンサルタントを探していると知らせが来たのでした。

こんなこところにも、私の「エージェント」が!

ほんと、「仕事って縁だな~」と感じます。

実際にそのお話が契約するに至り、その方へささやかながらお礼をお渡ししようと、久しぶりに元の職場へ行ってきました。

連絡をくれるに至った経緯を聞きつつ、懐かしくて話がはずみます。

その方は、某有名家電メーカーで営業として定年までしっかり勤め上げた方。

人との繋がりを大切にされるところは、さすが「営業」です。

その方とのまたのご縁を願って、かつての職場を後にしました。

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今日のお礼の品は、感謝を込めて「桂新堂」の「はあとえびせんべい」


3月1日は就職活動が本格的に始まる日

今日は3月1日。

大学生の就職活動は、今日から本格的に始まります。

私も今日から別の大学へ。

ここ数日は、マイナビ・リクナビのような求人サイトが合同企業説明会をこぞって開くので、出かけている学生さんも多く、今日も意外に来談者は少なめでした。

来談した学生さんの中には、夜中の0時過ぎに求人サイトにがんばってエントリーした学生さんも。

俗に「クリック戦争」とか表現される状況ですね。

企業にエントリーすると応募の意思を示したことになり、説明会や選考ステップの案内が来て申し込むことができるのですが、上手くいかずに不安に駆られて来談する学生さんも。

2月までは準備しかできず、これでいいのか不安になりますし、3月以降は上手くいかない状況に不安が募ります。

明るい表情に見える学生さんでも、話を聞くと「よく眠れなくて夜中に起きてしまう」と。

売り手市場とは言え、「みんなで一斉に就職活動」は周囲と比較して、より心配になってしまうようで…。

本当は、自分の良さを今までの学生生活から振り返り、思い通りにならない現実を乗り越えつつ、それでも認めてくれる大人の存在に気づく、成長の機会なのですが、なかなか…。

心から応援しつつ、私自身も決してあきらめずに目の前の学生さんを信じて向き合うことを、自分自身に言い聞かせた3月1日でした。

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学食では、1年前と同じ方が作っていたナポリタンをなつかしくいただきました(^^)


インターンシップに参加したら、その企業へ入社するのか?

先日発表された株式会社リクルートキャリアの「就職白書2018ーインターンシップ編ー」によると、7割以上の企業が2018年度にインターンシップを実施予定と回答しています。

実際に前年度に比べて大幅に増加していることは、大学で就職活動に関わっていると実感できます。

その他、学生にインターンシップに参加した企業への入社予定を問う設問もあり、インターンシップと就職との関連性も知ることができます。

調査によれば、インターンシップに参加した企業に22.3%、同業種の企業に29.1%の学生が入社する予定があるとのこと。

インターンシップに参加した約半数の学生が、インターンシップとの繋がりで企業を選んでいる結果になっています。

ただ、裏を返し、私がこの結果から感じたのは、「48.2%もの学生が、インターンシップに行っても、その企業や業界を選ばなかった」ことです。

実際に仕事を体験したり、企業の説明を聞いたり、社員の方の話を聞いたりした後で、「違う」と感じて方向転換したわけです。

私は、これもインターンシップのメリットだと感じています。

コンビニの店頭で買うお菓子のメーカー、CMを見ていいなと思った企業、街角で看板をよく見る企業や金融機関…。

「名前を知ってる」ことと、「その仕事がやりたい」とか「そこで働くと自分の力が発揮できる」とかいうことは違うのです。

それに応募前に気づいて、じゃあどうする…とふり返って見直す機会になることこそ、インターンシップの良さだと思います。

企業も採用・教育コストをかけた新人を失う可能性が低くなりますし、学生も入社した時のやる気にあふれた思いがリセットされて途方に暮れることも減るはずです。

後はもちろん、実質「企業説明会」と化したインターンシップの内容が充実することを願うばかりです。


希望という名の光

オリンピックの番組の合間に流れるCM

年度末が近いからか、やたらと「スタッフサービス」のいろんなパターンのCMを繰り返し目にします。

テーマ曲が耳から離れません…。

録画ではスキップされてしまうことの多いCMですが、印象深いものもあります。

テレビで流れているとつい見入ってしまうのが、カロリーメイトのCM。

「受験に意味があるかどうかは分からない。ただ一歩一歩自分の力でつかみとった景色は、生涯、忘れないはずだ」

山を登る姿と勉強している受験生の姿が繰り返される中、山下達郎さんの「希望という名の光」という歌が流れます。

このCMを目にするたびに、私は子供たちが受験していた時の気持ちが蘇ってきて、切ない気持ちになります。

「受験に意味があるかどうか」

どうなんでしょうね…。

受験そのものも大切ですが、私は、そこを目指した日々にこそ、意味があると思っています。

受験は結果が思い通りにいくこともあれば、いかないこともあります。

ただ、思い通りにいかなくても、その先に道は続いています。

うちの息子たちは二人とも第一志望の大学に合格することはできませんでした。

1年前、そして3年前の息子たちを思い出し、それでも今、それぞれに歩き出していることに、「私より強いな~」と感じています。

受験生にとって、がんばったという事実は自分だけの「たからもの」です。

健闘を祈っています。


神に仕えるための就職活動もあるんですね。

先日、伊勢神宮近くの大学に、3年生対象の就活講座でお伺いしました。

面接指導も含めた講座を無事終わり、学生さん達を「がんばって!」とはげまし、さあ名古屋へ戻ろうとしたのですが、思いもよらぬ足止め。

タクシーを呼ぼうと電話を掛けると、伊勢神宮の観光エリアまで少し距離があるからか、「そちらにはタクシーいないんでね~」と断られる事態。

まさか断られるなんて思わず、慌てて他の個人タクシーへ電話をかけ、もう今日の仕事は終わって帰宅してしまった運転手さんに頼み込んで、なんとか来てもらうことができました。

タクシーを待つ間、学内の掲示板を見ていると…。

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神職に必要な実習の詳細、神職の就職活動に向けて現任の宮司さんの講話や奉職内定者への心得指導の連絡などなど、普段の就職活動では目にすることのない掲示内容に、思わず見入ってしました。

担当した講座にはこの学部の学生さんはいなかったのですが、神社好きの私としては興味津々。

それに、こんな検定もあるんですね…。学内にポスター貼ってありました。

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帰りの近鉄特急は、ご一緒した講師の先生方と話も盛り上がり、あっという間の1時間半でした。


結果を出すために努力するのは「スポーツ」も「営業」も同じこと

大学が強化しているバスケットボール部の学生さんと話している時のこと。

社会人との練習の場で、実力をつけるために自分より実力がある人が参加する日を敢えて選んで練習に参加していたと。

その人たちの技を盗み、まねをして、少しづつ力をつけていったとのこと。

だからこそ、彼はレギュラーメンバーの主軸として活躍し、チームを結果へと繋げることができたのです。

彼は、みんな実力者ぞろいでそれでもなお頑張っているのだから、みんなと同じことをしていてはその中でレギュラーになることはできないと分かっているのです。

そして、そのためには何をすればいいのかを考え、工夫して努力を積み重ねてきたのです。

さらに努力するだけでなく、その努力を結果へ繋げようと日々取り組んでいたはず。

これこそ「営業」でも生きる力です。

でも彼は「営業ってノルマあってブラックですよね~」と。

例えば彼が、個人で営業成績を出す仕事についたら、「周囲を見て学びながら成績という結果を出し、営業成績という分かりやすい部分で評価され、やる気に繋がる」ような気がします。

まぁ実際にその仕事についてどのように彼が思うかは、仕事や企業と接点を持ってこれから考えていくことになるのですが…。

最近は、「ノルマ」「ブラック」といった言葉で、自分や仕事を本当に理解しないまま判断しているケースをよく目にします。

自分の力が何に活かせるのか、その仕事ではどういう評価があるのか、そんな「自己理解」と「仕事理解」を経て、自分らしい頑張りが認められ、自分も成長する仕事へ結びつくよう、面談は続きます。


9日間の長旅を経て、荷物が無事着いた。

送った荷物が着いたと長男からLINEが来ました。

8日の夕方に、近くの郵便局から送りだした後、「国際郵便追跡サービス」で荷物は今どこなのか時々見ていたところ、12日にはモスクワに到着。

税関を通って発送されたので、「もうそろそろ着くかも」と長男にLINEで連絡。

着いたら教えてと頼みました。

ところがなかなか連絡が来ない。

「どこか行っちゃったのかな~?」

「中身は食品って書いてあるから、誰かが持って行ったかも…」

と不安に思っていたところ、やっと着いたと連絡がありました。

あちこち、いろんな人の手を介して着いたはずなので、よっぽど箱もぼこぼこになっているのかと思ったら、着いた荷物の写真は結構しっかりしていました。

中に入れたおせんべいも、無事割れないまま。

当たり前なことだけど、「意外と大丈夫なんだ~」と親子して感心したのでした。

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息子も、しばらくは日本の食べ物を楽しめそうです。