大学生の就職活動は、スケジュールの変更で6月が選考開始だった今年は既に落ち着いてしまいましたが、8月が選考開始だった昨年は、この時期、喜ばしい「内定取得」のはずが、「内定取得したものの…」と、悩んで相談に来る学生もいました。
そんな学生の多くが、話を聞いていくと、親と意見が異なっての相談でした。
大学で就職支援に携わる中で、親の存在は無視できません。
内定を取得したのに、親に反対されて困っている
親の反対で内定を断り、再度活動している
親がエントリーシートの添削をして、訂正を強要する
就職活動はうまくいっているか、親にしつこく聞かれる
親が、面接でこう答えろと強要してくる
等々、あげるときりがありません。
現実の就職活動では、金銭的支援と子供の話を聞くことが、親の大きな役割になります。
でも心配のあまり、ぐいぐいと子供の就職活動に入り込んでしまうケースも多いのです。以前触れた、つばめの親子ような距離感が大切なのですが…。
私は、親と意見が対立したと相談に来る学生には、まず、「今の状況と自分の意見を、改めて親に話す場を設けること」を勧めています。
親からするといつまでも子供のままで、心配で、世話をしないとうまくできないのではと思ってしまいがちですが、もう子供は既に一人で働くことができるまでに成長したのです。
改めて、「自分なりに考えたこと」を親にしっかり話し、未熟ながらも「しっかり考えて出した結論」であることを伝え、子供の成長に気づいてもらうようにしています。
そして、親がその「考え」を尊重して話すことできれば、そのことが、子供自身に更に自覚を与え、無事飛び立てる巣立ちへと繋がっていくのです。