すぐ役立つことばかりでは、得られないこと。ノーベル賞も?

大隅良典東京工業大栄誉教授が、ノーベル医学生理学賞を受賞しました!

あちこちで、今まで聞いたこともない「オートファジー」について、どれだけわかりやすく解説できるかを競っています。

病気の解明にも役立つ「基礎研究」に力を注いだ成果が認められての単独受賞でした。

大隅先生はインタビューの中で、「就活のようにすぐ役立つことではなく、役立つのは10年後、20年後、いや100年後でもいいからという気持ちで取り組むことが大切」と、若者にすぐ結果が出ることだけを求めない姿勢の大切さを伝えています。

確かに、大学で学生から相談を受けていると、「どんな資格を取ったら就職に有利ですか?」という質問とか、「リーダーやっておくと就職に有利だと思って」とか「就職に有利だと思ってこのボランティアに行ったんです」なんて話が出てきます。

もちろん結果として身についた力は自身の経験として伝えていけばいいのですが、私も、この考え方に、いつも引っ掛かりを感じていました。

何事も行動するきっかけは大切です。

でも、「これをやったから就職できる」と、役立ち感から行動を選ぶことばかりに注目しないで、「こんな経験してこんな力がついたのから、仕事でも活かしたい」と、行動の結果こそ活かしてほしいのです。

情報のあふれかえる今の時代、就職活動もノウハウを知ってサクッと乗り切る方が得?

でも、その時には無駄に思えても、後で振り返ると大切なことも多いです。目先の結果だけで自分の行動を決めていては、その大切なことは得られません。

だからこそ、そこにじっくり向き合うことができる人は尊いですね。

そんな大隅先生、ノーベル賞受賞おめでとうございます。