相手の気持ちを「体感」する

キャリアコンサルタントを目指して取り組む方々と接する中で、ロールプレイは欠かせません。

国家資格のキャリアコンサルタント試験は、「学科」や「論述」試験だけでなく、15分間の面談(キャリアコンサルティング)を実際に行い、その内容を振り返る口頭試問も含めた「実技」試験があるのです。

試験対策としてフィードバックさせていただくことも多いのですが、ロールプレイのクライエント(相談者)役をさせていただくこともあります。

自分の実体験を話すこともありますし、設定した役として相談に至る背景も含めて準備し、臨むこともあります。

しっかり準備したら、ロールプレイではその役になり切ってキャリアコンサルタント役の方に向き合い「相談」していきます。

この体験は、実はキャリアコンサルタントとして面談するうえで、とても勉強になるのです。

クライエントはどのように接してもらうと話しやすいのか、どのように問われると無理なく自然に内省していけるのか、答えにくい質問は何か、聴いてもらえている実感はどういうときに感じるのか、などなど…。

キャリアコンサルタントとしてクライエントに向き合うとき、その感覚を知っているかどうかで、接し方は変わってきます。

それも、知識やスキルとして「知っている」ことと「体感した」こととでは、大きな違いがあります。

実社会でも、いろいろな経験をした人は、相手の気持ちが理解できると言います。

「体感」して理解したことを、実際のロールプレイや面談で活かすことで、関わり方に深みが増していきます。