看護師を目指す学生たち

世間はお休みモードでしたが、企業の採用担当者の方々はゴールデンウィーク中も休みのないところが多かったようです。

連休を挟んで就職活動は進展し、キャリアセンターを来訪する学生さん達もぐっと人数が減りました。

売り手市場ということで言えば、内々定をいただき、ひと段落した学生さんも多い様子です。

そんな中、各地の病院の看護師採用試験があちこちで行われています。

看護師は私が尊敬する仕事の一つです。

短い期間ではありますが、地元市民病院の整形外科で医療事務員として働いていた時期があり、診察室内の業務をする中で、看護師さん達がどのように働いているかも実感しています。

瞬時の判断が求められる状況や、笑ってミスをやり過ごせない内容ばかり。

そんな中、患者さんへてきぱきと処置をし、的確な説明をしている姿は、本当に尊敬できました

看護師を目指す学生さんたちは、日々内容の濃い授業を受けていますが、さらにこの時期は、病院実習の合間を縫っての就職活動となります。

学生さんと模擬面接をする中で、よくありがちな質問である「看護師を目指した理由」や「実習で印象に残ったこと」を聞くのですが、この質問に対する回答が濃いのです。

学生さんによってもちろん回答は違うのですが、「目指した理由」によく登場する「看護師を目指すきっかけになった看護師さん」も含め、世の中の一体どれだけの看護師さんが、命や人と向き合ってがんばってくれていることか。

そんな内容を含め、看護師になりたい思いや実習での出来事を語る学生さんの回答を聞きながら、感動しうるっとしてしまうことも多いのです。

この思いを持ち続け、理想の看護師を目指し、活躍することを願っています。

そこで、まずは選考通過を。

そのために、私も精一杯力になりたいと思います。


働く気持ちを「上げる」もの

今お伺いしている大学で、卒業式の日に会った学生の後日談を聞きました。

鉄道関係を軒並み受け続け、最終的に鉄道マンになれた学生さんです。

鉄道同好会の顧問の所に、「念願叶って楽しくてしょうがない」と、制服姿の写真が添付されたメールが来たとのこと。

制服姿で憧れの職務に張り切っている彼の話を聞き、こちらまでうれしくなりました。

仕事を選ぶ時やどんな仕事に就こうか考える時、他の人にとってささいなことがあこがれやモチベーションのもとになることがあります。

以前、民間の職業訓練校で、再就職支援として子供さんが2人いる20代後半の女性の方と話をしたら、「制服を着て事務がしたい!」と言われました。

今どき、事務職でも制服のないところも多く、「事務職ならいいのかな~?」と聞くと、「制服を着て働きたい!」と。

そのこだわりを不思議に思いつつ、求人検索を手伝った結果、近所の調剤薬局の事務員として就職することができました。

家も近いし、自宅から制服を着て通っているとのこと。

私も、子育て後に飲食店のランチタイムで働きながら、「ネームタグを首から下げ、腕時計したまま働きたい」と思って簿記の勉強を始め、その後大学の会計事務の仕事に就くことができました。

カウンセラーとして初めて実務についた時も、自分のネームプレートの入ったブースで面談できた時は感慨深く、その時撮ったブースの写真は今でもスマホの中に残っています。

もちろん、仕事はイメージ通りにいくことばかりではなく、気持ちが下がり心折れる時もあります。

でも、その仕事に対して、「私はこれに気持ち上がったんだよな~」というものがあることは、ふとした心の支えになるはずです。


AI(人工知能)技術が普及すると、仕事はどうなる?

新しい年が明けて早々、「AI(人工知能)技術の普及により、2030年には雇用が240万人減る」との試算を三菱総合研究所がはじき出しました。

少子高齢化だから働く人の人口は減っていくものの、雇用はそれよりも減りそうです。

特に、女性に人気の事務職や販売職、非正規雇用の多い生産現場の職が減っていく予想なので、雇用人数が減ることもですが、ある職種が急激に減ってしまうことが問題ですね。

「働ければどんな仕事でもするか」と聞いたときに、「YES」という人はそう多くはないですから。

では、いったい人間の方がAIより優れている仕事は何でしょうか。

AIが得意とするのは、蓄積した情報の分析や計算で、画期的なものを生み出すことは苦手です。

そして、創造力やコミュニケーション力は人間の方が優れていると言われています。

これからは、そんなことも意識しながら人間の強みを伸ばす工夫も必要です。

こんな状況の中、大学新卒就活で話題にでる職業の将来性はどうでしょうか。

AI技術の普及以前に、高度成長期のような右肩上がりの景気もなく、バブルもはじけ、リーマンショックなんてことも起こり、過去の環境が将来もずっと続く保証なんてどこにもありません。

だからこそ、どんな仕事に就いても周りの状況や環境を柔軟に受け入れて対応できることが大切になってきます。

自分が働くうえで譲れない部分は何かをしっかり自分でつかみ、そこは大切にしながら、その他は柔軟に対応しつつ生き抜いていく力こそが必要なのです。


長時間働くことで、体を壊さないか心配です。

FullSizeRender

「過重労働解消のためのセミナー」に参加して、過重労働防止の取組事例を学んできました。

「過重労働」は今話題ですね。

自分だけでなく、家族が、残業や休日出勤が多くて、それがもとで心身に不調が出ると大変です。

昭和の時代は、「職場環境を改善したり仕事量を減らしたりすると、コストはかかるし生産性も低下する」と考えていました。

でも今は、「従業員の健康や満足感と組織の生産性を両立することは可能」という考え方。

むしろ「相互作用があって互いに強化できる」と積極的に捉えています。

長時間労働は、脳・心臓疾患やメンタルヘルス不調の原因になるといわれています。

仕事以外の生活や家族のことも含めて、働き方を考えていく時代に、徐々に変わりつつあるのです。

でも、まだまだ現実は追いついていないですよね。

電通の話を聞いても、「そのくらいの残業よくある話」という考え方がまだまだ多いですし。

ワーク・ライフ・バランスの点からも、一人一人が、生活も充実しながら、働きがいのある仕事で働くことのできる世の中に!


ますます注目される、企業における「メンタルヘルスケア」

連日、電通の家宅捜索のニュースが報じられています。

長時間労働で労災認定された過労自殺をきっかけに、常態化していた長時間労働に調査が入っています。

今までにない大人数での調査ということからも、長時間労働是正を目標とする政府の本気を感じます。

今まさに、過重労働やそれに伴う職場での「メンタルヘルスケア」に注目が集まっています。

そんな中、この前の日曜日(11/6)、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種(ラインケアコース)を受験してきました。

IMG_1248

大阪商工会議所が実施する、職場内のメンタルヘルスケアの知識や対処方法に関する検定で、Ⅰ種(マスターコース)・Ⅱ種(ラインケアコース)・Ⅲ種(セルフケアコース)に分かれています。

ラインケアコースは、管理監督者(管理職)対象。

部門内の部下へのメンタルヘルス対策の推進を目指していて、管理職への条件にしている企業もあるため、会場内もそれらしき男性の姿が目立ちました。

準備はして臨んだものの、受験者が増加して難易度が上がっているとの評判通り、開始早々冷や汗の出る内容でした。

途中退室する方がボチボチいる中、とても帰れる状況ではないまま試験終了。

とにかく、結果を待ちましょう…(汗)

いずれにしても、働いている人と関わる中で、メンタルヘルスの知識は今後必須です。

「知らない」ことで、支援の幅を狭めないよう、今回得た知識を生かしていきたいです。


次に続く選手たちのために、結婚も出産も現役も

1日に、柔道のリオオリンピック57キロ級銅メダリスト松本薫さんがご結婚されました。

当面休養はするものの、結婚して出産しても、東京オリンピックを目指すそうです。

そのコメントで、「結婚して子供を産んでも、アスリートを続けるということが、女性でもできるという道を新しく作っていきたい」と。

9月に結婚された卓球の福原愛さんも、同様の話をしています。

「夢を追い続ける」ことは、女性にとって簡単なようで難しいと話したうえで、

「後輩のためにも新しい道を切り開くことができたら。いい経験もそうじゃない経験も、体験して何かを伝えたい。そして迷ったときの参考にしてもらえれば。」

松本さんが29歳、そして愛ちゃんが28歳。

続けて結婚された同世代の2人が、結婚・出産を経ても、現役を続ける道を模索する気持ちを口にしています。

自分の生き方が次世代の参考になればと、新しい生活に挑戦する姿は、次に続く世代の力になります。

そして、少しでも自分で可能性を切り開いていくという言葉には、私も励まされます。

レベルは違いますが、「企業で正社員として働く」というキャリアの道からそれて、結婚・出産・子育てとともに、働くことに迷い続けた私。

正社員に限らず、仕事の世界でどこまで頑張れるか、がんばってみようと。

身近な世界の中でも、一人一人が少しずつ可能性に向けて行動することで、社会はきっと変わるはず。


入社したら、ず~っと同じ働き方ができますか?「職種転換制度」って?

「職種転換制度」を設定している企業が増えてきました。

新卒で総合職・一般職として入社しても、様々な事情で変わりたいという希望があれば、転換できる制度です。

総合職として就職したけど、結婚・出産・介護等で転勤が難しいとき、同じ会社内で働きながら生活へ重点を置きたいから、と一般職へ転換する選択肢。

あるいは、一般職として働いているうちに、業務の幅を広げ、より責任ある仕事にもチャレンジしたくなって、総合職へ転換するという選択肢。

まだすべての企業にある訳ではないし、どちらか一方向の転換しかできない企業もありますが、以前のことを思えば、選択の幅は広がっています。

長い人生ですから、可能性があるほうがいいですよね。

実際働いてみないと、自分はどう働きたいかが現実として見えてこないから、働く前には思いもしなかった自分の価値観に気づくこともありますし。

思いもよらない状況になることだってあります。

でも、今の世の中、結婚・出産・介護などで一度正社員を辞めると、また戻ろうと思ったときに、正社員へ戻る道がまだまだ不十分なのが現状です。

もちろん、「誰でもリベンジできる社会」になって欲しいのですが、今できることをと考えると、新卒で就職した仕事で制度を活用しながら、できる限りキャリアを積むことも大切です。

そうやって、ライフスタイルに合わせて、一人一人が少しずつ今までより一歩先へ進むことで、世の中も変わっていくはずです。


キャリアコンサルティングが身近に。そして、働く人の役に立つように。

様々な方向からの意見が尽きないのは、電通社員の過労自殺のニュース。

1か月100時間の残業が多いとか少ないとか、他にもその位残業している人や企業はもっとあるとか、上司のパワハラをあまりマスコミが突っ込まないのはなぜかとか…。

インターネットニュースのコメント欄を読んでいると、同じニュースに対して、「本当にいろんな考えの人がいるなぁ~。」と。

そもそも「過労死」が注目され出したのも、以前自殺した「電通」社員への、企業の損害賠償責任の最高裁判決(2000年)がきっかけ。

今回のニュースも、また「電通?」という感じです。

報道されている情報が全てではないと思うと、意見も複雑ですが…。

ただ、同じ状況でも、受け止め方で精神面に与える影響は違うので、そういった働くことに関わる「意味づけ」に、キャリアコンサルタントはお役に立てそうです。

意味も分からず、指示されたから10時間作業するのと、お客様の思いを形にするために工夫を重ねた10時間の作業は、同じではないですよね。

働くことを通じて、「自分がどうありたいか」考える力になれればと思います。

今年度、厚生労働省が企業へ助成金を出して奨励している「セルフキャリアドック制度」というものがあります。

働く人に、定期検診のように、ある節目に企業がキャリアコンサルティングの機会を提供するというものです。

中小企業も対象なので、これからは、多くの方にもチャンスありです。

「今日キャリアコンサルティングだったよ~。」と当たり前に話題に上り、ちょっと立ち止まって、行動や考え方の何かが変わるような支援ができるように、キャリアコンサルタントとして、日々精進です。


台風16号の混乱に巻き込まれ、名古屋の人の多さを知る

名古屋市内で用事があり、台風16号がちょうど名古屋へ近づく時間に行かなければいけないことに。

私が利用している路線は大雨で止まりがちなので、心配しつつ向かったのですが、案の定、帰りに電車が止まってしまいました。

まぁ、覚悟していたので、最善の方法を探しながら、あとは並んで待つことに。

待っている間、私は、名古屋の人の多さに、つくづく感心してしまいました。

こんなにたくさんの人が、名古屋の近くに住んでいて、通勤して働いているんだ~。

なにせ、地元山梨にいたときは、県庁所在地の甲府市街地でも、こんなに人はいませんでした。

働きに行くにも車通勤が多く、電車利用の人はあまりいないのです。

規模の大きい企業も少なく、地元で働く大卒の友人は、教員や公務員、地元の銀行員がほとんどですし、大学を卒業して、そのまま東京で就職した友人も多かったのです。

そう考えると、名古屋は、自宅から通える地元にこだわったとしても、仕事がたくさんあります。

自分のいる環境によって、人生の選択肢の数も幅の広さも、実は違うのです。

ただ、それを名古屋近郊の人に言っても、なかなか実感してもらえません。

多くの選択肢の中から選ぶことができるなんて、私にとっては恵まれていると思うのですが、当事者となると、あまりよく分からないんですね…残念。

FullSizeRender 4

2時間かけて無事帰宅したものの、今度は、近くの川が氾濫しそう!と、台風に振り回された一日でした。


大切なのは「自分の問題」か「周囲の評価」か

「失業して自殺するのは日本人だけ」だそうです。

日本人は、近所の人や会社の人など、周囲の人の評価に影響を受けやすく、失業した事実よりも「評価」が大きな問題だというのです。

そこまで他の人の評価が気になっている人に、「気にしなければいい」と言ったところで何の解決にもならなりません。たとえ、その時はそうしてみても、また同じ状況に戻ったのでは、その人の悩みは解決しないからです。

キャリアコンサルティングに来談して、まず始めに話し出す問題は、表面的で人に話しやすい、つまり自分でも分かっている問題からになります。

そんな場でも、「相談相手のキャリアコンサルタントが自分をどう評価するか」を気にしているのかもしれません。

そこで、まず来談者の話をしっかり聴いていきます。そして、家族や会社の人などとの関係や、それを自分がどう受け止め、どう考えているかにまで話が至ってこそ、やっと本題が見えてきます。

起こっている事実が問題の全てではないのです。

どう評価されるかを気にせずに話せる信頼関係を大切に、話を聴きながら、一緒に感じ、一緒に考えていきます。