4月になり、入社式に思うこと

今年は4月1日が日曜日だったので、4月2日に多くの企業で入社式が行なわれました。

経営再建中の東芝は、昨年新卒採用を制限していたので、2年振りの入社式です。

220名の新入社員が入社したのですが、それぞれの胸中はどうなんでしょうか。

一方、バブル期を思い出すような入社式もありました。

居酒屋「塚田農場」で有名なエー・ピーカンパニーでは、クルーザーを貸切って全国の特産品を使った料理や飲み物で「おもてなし」する入社式です。

離職率も下がったということなので、この入社式に参加して会社でがんばろうと思えるのであれば、先行投資として成功です。

入社式の様子を聞きながら、大学での就職支援で出会った学生さん達はいったいどんな入社式を迎えたのか、思いを馳せていました

就職活動の中で迷い、不安になっていた彼女。(彼女らしい就職先にめぐり会えました)

今までの経験に自信を持つことができ、企業へも意欲を伝えられた彼。(高校大学と7年離れていた地元で新たなる一歩です)

事務職を諦めなかった彼女。(静かだけれど強い熱意が結果へ繋がりました)

卒業式の直前に就職が決まった彼。(彼からは、諦めない大切さを学びました)

みんなみんな、入社おめでとう!

そして社会人1年生として、それぞれの場で元気よく第一歩を!


以前なかった仕事~アイリスト~

最近は、AIによって「将来なくなる仕事」の話題が多いですが、反対に、私たちの周りには「以前なかった仕事」だってたくさんあるのです。

その一つが「アイリスト」

まつ毛エクステ(エクステンション)やらまつ毛パーマをしてくれる、まつ毛ケアのプロフェッショナルです。

まつ毛エクステでは、人口毛を専用の接着剤で自分のまつ毛につけて、ぱっちりした目元にすることができます。

つける本数・太さ・長さ・カールの種類で印象も変わるので、イメージに合わせて相談しながら決めていくことができるのです。

私はやっていただいたことはないのですが、一緒に働いていた方が「朝のメイクがとっても楽!」と大喜びしていましたし、今では気軽に通える場所になっています。

一時期、目元に薬剤やピンセットを使って繊細な作業をすることで、かぶれたり炎症を起こしたりと健康被害が話題になったこともありました。

そのため、平成20年に通達が出され、今は「美容師免許」を持っている人しか施術できない制度になっています。

同じ資格で携わっていても、美容師との違いは様々あって、

座って施術する、シャンプーで手が荒れない、受付からカウンセリング・施術・アフターケアまで一人で担当できる、設備が少なく独立しやすい、などなど。

女性で美容師免許を取られた方で、アイリストを目指す方も多いそうです。

先日面談でお会いした方もまだ20代半ばの女性でしたが、単に作業の提供だけでなく、お客様との信頼関係を築いてその方に合ったサービスを提供したいと、意欲にあふれた魅力的な方でした。

こうして意欲ある方が新しい仕事を広げ、高めてくれるのも将来的に楽しみです。

そう言えば「キャリアコンサルタント」も新しい仕事。

「アイリスト」の彼女に負けず、必要とされる仕事ができるよう、日々精進…です!


女性の人生において「働く」ことを考える

先日、セルフキャリアドック制度でお伺いしたお二人の女性のお話で実感したのは、女性こそより「長期的目線」でキャリアを考えることが大切だということ。

お一人目はまだ若いトリマーさん。

看板犬に迎えられての面談でした。

専門職ということもあり、働き方と結婚・出産といった人生の節目には密接な関係があります。

将来的に独立も考えられる仕事ではありますが、その道を選ぶのかどうかも大きな選択の一つ。

長期的な視点で考えてみることが大切です。

もう一人は宅地建物取引士の資格もお持ちの不動産会社にお勤めの方。

既に子供さんは高校生ですが、ご主人の転勤や子供さんの進学と、ご自身の思いとは異なる動きに巻き込まれ、仕事も生活もその状況に合わせてこられました。

働くことでのやりがいや充実感は大切でも、家族との生活も大切ですし、なかなか「自分の人生」に関する選択に踏み切れない場合も多いのです。

ただ、人生は長いのです。

「人生100年時代」とも言われています。

仕事か生活か、家族か自分か、という2択で迷うのではなく、両方ともバランスを取りながら選んでいくことも考えていきたい。

それに、そのバランスはずっと同じでなくてもいいのです。

例えば子供の成長に合わせて、家庭中心の時期、仕事に重点を置く時期と、バランスを調整していくこともできます。

大変な時はどうしても視野が狭くなり、目の前のことに手いっぱいになりがちですが、そんなときこそ、人生を長期的に見て、その将来のための小さな一歩を歩みだすことが大切です。

例え些細なことでも自分の意思で行動し始めることで、気持ちも前向きになり、「自分らしい人生」を感じることもできるのです。


今までの人生全てを受け入れて進む背中に「エール」を!

ある日、キャリアセンターへ添削で来談した彼は、既に6回ほど来所していました。

今まで彼と面談した複数の担当者は、彼の自己PRに対し「ありきたり」だったり「表面的」だったりというコメント。

私も彼の持参したエントリーシートを読み終えて伝えたのは、「説明はよくわかるけど、自分が体験したもっと具体的な経験をもとに書いてみたら」でした。

そこでどんな経験があるかと聞いてみたのですが、「大学のサークルはすぐ辞めてしまったし、高校は部活へ入っていなかった」とのこと。

引き続き、既に書かれているアルバイト以外の話をと、他の経験を尋ねていきました。

すると、高校はSSH(スーパーサイエンスハイスクール)コースで、東京での研究発表の機会、海外から招待した学生とのディスカッションと、様々活動していたと言うのです。

それは企業の方もぜひ聞きたいから、その時のことを思い出して書いてみよう!

と言ったのですが、いい返事がきません。

しばらく、私がはげまし、その学生さんが渋る、というやりとりが続きます。

いろいろな角度から聞いているうちに話し出したのは、受験に失敗して不本意な大学へ来てしまい、SSHだということも敢えて書いていなかったとのこと。

同級生は有名な大学へ進学しているのに、自分は大したことしていないし、英語もあまりできないし…その時のことを書いても、と思っていたと。

その話を聞いて、

就職活動はリセットの場でもあること、受験の頃の経験はまだ消化できていなくても、今までの人生全て、がんばったことは先へ活かせることを話しました。

私の話を聞いてじっと考え込む彼。

「ありがとうございます!!」と吹っ切れたように表情が変わり…。

なんていうドラマ的展開になるのは傷も浅い場合。

現実、目の前の彼は、今までの大学生活でも抱え込んでいた思いを振り返るような表情で、

「そうなんですね…もう一度自己PRを作ってみます」

と帰っていきました。

彼が過去の自分を認めてあげることができ、高校の話を胸を張って企業へ話せること

そして、そんな彼の将来に期待して喜んで受け入れてくれる企業に出会えること

進む彼の背中に、「エール」を!


新卒就活のエントリーシート事情

キャリアセンターには、履歴書の添削に訪れる学生が多いのですが、3月に入って添削が増えたのが「OpenES」

新卒の就職活動用に、2013年にリクルートが始めたWeb上のエントリーシートです。

共通フォーマットに入力したデータを複数の企業へ提出することができます。

Web上で提出するエントリーシートが増えるにつれ、多くの企業に活用され、就職活動のツールとしてすっかり定着したようです。

履歴部分や「学業、ゼミ、研究室などで取り組んだ内容」「自己PR」「学生時代に最も打ち込んだこと」といった内容を入力するのですが、他にも応募先の企業の指定によって、「志望動機」やその他の設問が設定されることもあります。

学生側からすれば、予め準備した文章を共通して使えるため、Web上での就職活動が活発になった今、とても効率的なツールです。

企業側からしても、応募の手軽さから、幅広い学生の応募が見込めるため、導入のメリットはあります。

ただ、効率的な就職活動が広がったからと言って、すべてその方向かと言えばそうでもありません。

大手・有名企業企業などは放っておいても応募者があふれるため、反対に、手間がかかって面倒なエントリーシートを課して学生を絞り込もうとしています。

変わった「お題」が課せられたり、大きな自由記入(PR)欄があったり、全て手書き指定だったり…。

この場合、何を書いたらいいか途方に暮れる学生と、一緒に対策を考えるサポートです。

どこでも通用する正解はなく、企業のカラー(社風)によって評価も異なるため、企業研究をベースに、その学生さんらしさを活かしつつ方向性を探っていきます。

ハードルの高いエントリーシートは、入社意欲の高い学生や対応能力の高い学生を選ぶ方法であり、「我が社」のカラーに合うかどうかを判断する材料として使われているのです。

「効率化」と「独自性」

学生と企業の模索は続きます。


3月1日は就職活動が本格的に始まる日

今日は3月1日。

大学生の就職活動は、今日から本格的に始まります。

私も今日から別の大学へ。

ここ数日は、マイナビ・リクナビのような求人サイトが合同企業説明会をこぞって開くので、出かけている学生さんも多く、今日も意外に来談者は少なめでした。

来談した学生さんの中には、夜中の0時過ぎに求人サイトにがんばってエントリーした学生さんも。

俗に「クリック戦争」とか表現される状況ですね。

企業にエントリーすると応募の意思を示したことになり、説明会や選考ステップの案内が来て申し込むことができるのですが、上手くいかずに不安に駆られて来談する学生さんも。

2月までは準備しかできず、これでいいのか不安になりますし、3月以降は上手くいかない状況に不安が募ります。

明るい表情に見える学生さんでも、話を聞くと「よく眠れなくて夜中に起きてしまう」と。

売り手市場とは言え、「みんなで一斉に就職活動」は周囲と比較して、より心配になってしまうようで…。

本当は、自分の良さを今までの学生生活から振り返り、思い通りにならない現実を乗り越えつつ、それでも認めてくれる大人の存在に気づく、成長の機会なのですが、なかなか…。

心から応援しつつ、私自身も決してあきらめずに目の前の学生さんを信じて向き合うことを、自分自身に言い聞かせた3月1日でした。

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学食では、1年前と同じ方が作っていたナポリタンをなつかしくいただきました(^^)


インターンシップに参加したら、その企業へ入社するのか?

先日発表された株式会社リクルートキャリアの「就職白書2018ーインターンシップ編ー」によると、7割以上の企業が2018年度にインターンシップを実施予定と回答しています。

実際に前年度に比べて大幅に増加していることは、大学で就職活動に関わっていると実感できます。

その他、学生にインターンシップに参加した企業への入社予定を問う設問もあり、インターンシップと就職との関連性も知ることができます。

調査によれば、インターンシップに参加した企業に22.3%、同業種の企業に29.1%の学生が入社する予定があるとのこと。

インターンシップに参加した約半数の学生が、インターンシップとの繋がりで企業を選んでいる結果になっています。

ただ、裏を返し、私がこの結果から感じたのは、「48.2%もの学生が、インターンシップに行っても、その企業や業界を選ばなかった」ことです。

実際に仕事を体験したり、企業の説明を聞いたり、社員の方の話を聞いたりした後で、「違う」と感じて方向転換したわけです。

私は、これもインターンシップのメリットだと感じています。

コンビニの店頭で買うお菓子のメーカー、CMを見ていいなと思った企業、街角で看板をよく見る企業や金融機関…。

「名前を知ってる」ことと、「その仕事がやりたい」とか「そこで働くと自分の力が発揮できる」とかいうことは違うのです。

それに応募前に気づいて、じゃあどうする…とふり返って見直す機会になることこそ、インターンシップの良さだと思います。

企業も採用・教育コストをかけた新人を失う可能性が低くなりますし、学生も入社した時のやる気にあふれた思いがリセットされて途方に暮れることも減るはずです。

後はもちろん、実質「企業説明会」と化したインターンシップの内容が充実することを願うばかりです。


神に仕えるための就職活動もあるんですね。

先日、伊勢神宮近くの大学に、3年生対象の就活講座でお伺いしました。

面接指導も含めた講座を無事終わり、学生さん達を「がんばって!」とはげまし、さあ名古屋へ戻ろうとしたのですが、思いもよらぬ足止め。

タクシーを呼ぼうと電話を掛けると、伊勢神宮の観光エリアまで少し距離があるからか、「そちらにはタクシーいないんでね~」と断られる事態。

まさか断られるなんて思わず、慌てて他の個人タクシーへ電話をかけ、もう今日の仕事は終わって帰宅してしまった運転手さんに頼み込んで、なんとか来てもらうことができました。

タクシーを待つ間、学内の掲示板を見ていると…。

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神職に必要な実習の詳細、神職の就職活動に向けて現任の宮司さんの講話や奉職内定者への心得指導の連絡などなど、普段の就職活動では目にすることのない掲示内容に、思わず見入ってしました。

担当した講座にはこの学部の学生さんはいなかったのですが、神社好きの私としては興味津々。

それに、こんな検定もあるんですね…。学内にポスター貼ってありました。

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帰りの近鉄特急は、ご一緒した講師の先生方と話も盛り上がり、あっという間の1時間半でした。


結果を出すために努力するのは「スポーツ」も「営業」も同じこと

大学が強化しているバスケットボール部の学生さんと話している時のこと。

社会人との練習の場で、実力をつけるために自分より実力がある人が参加する日を敢えて選んで練習に参加していたと。

その人たちの技を盗み、まねをして、少しづつ力をつけていったとのこと。

だからこそ、彼はレギュラーメンバーの主軸として活躍し、チームを結果へと繋げることができたのです。

彼は、みんな実力者ぞろいでそれでもなお頑張っているのだから、みんなと同じことをしていてはその中でレギュラーになることはできないと分かっているのです。

そして、そのためには何をすればいいのかを考え、工夫して努力を積み重ねてきたのです。

さらに努力するだけでなく、その努力を結果へ繋げようと日々取り組んでいたはず。

これこそ「営業」でも生きる力です。

でも彼は「営業ってノルマあってブラックですよね~」と。

例えば彼が、個人で営業成績を出す仕事についたら、「周囲を見て学びながら成績という結果を出し、営業成績という分かりやすい部分で評価され、やる気に繋がる」ような気がします。

まぁ実際にその仕事についてどのように彼が思うかは、仕事や企業と接点を持ってこれから考えていくことになるのですが…。

最近は、「ノルマ」「ブラック」といった言葉で、自分や仕事を本当に理解しないまま判断しているケースをよく目にします。

自分の力が何に活かせるのか、その仕事ではどういう評価があるのか、そんな「自己理解」と「仕事理解」を経て、自分らしい頑張りが認められ、自分も成長する仕事へ結びつくよう、面談は続きます。


新卒就活も既に本格化

2019年卒、つまり現大学3年生の就職活動は、去年に比べて急増したインターンシップへの参加を皮切りに、既に始まったような状況です。

大学も、独自のイベントを実施して就職活動を後押し。

3月の就職活動(広報活動)解禁前ということで、実質「企業説明会」を「業界研究」という呼び方で実施したり、学内へ多数の企業に集まってもらい、ブースを設営して合同説明会を実施したり、と既に企業との接点を作っています。

私も、これからしばらくは大学の就職支援の仕事が続きます。

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今週からは、名古屋市内の私立大学で終日履歴書添削。

面談時間が短く設定されているので、基本的な履歴書の第一印象をまずはチェックします。

文字の大きさや誤字脱字、「てにをは」の修正や記入間違いなど。

世間では、履歴書はパソコンで作成したものをメール添付することも増えましたが、大学新卒就活では、エントリーシートはWeb提出も増えたものの、履歴書はまだまだ手書き。

字が下手だと思う人も、読む人が読みやすいようとにかく「丁寧に」

その心掛けだけで字の印象は随分変わります。

時間の余裕をもって書くという準備もプラスに働きます。

そうして作られた履歴書を、私も心して読ませてもらい、よりその学生さんの良さが伝わるよう面談していきます。