説明会で「女性も管理職になれる」をセールスポイントとして話す企業の方の言葉に、
「私、別に管理職になりたい訳じゃない」
と話す女子学生がいました。
世の中は女性活躍推しで「女性も管理職に」と言っているのに、その企業と学生ではポイントがズレていたのです。
今どきはワークライフバランスに関心が高い学生も多く、仕事か結婚・出産か、なんて選択をすることを望んではいません。
できるなら、やりがいのある仕事も子育ても無理無く経験できる方法を選びたいのです。
やりがいのある仕事…というと、管理職になる可能性もその中に含まれます。
ところが、独立行政法人「国立女性教育会館」の調査結果がリアルでした。
管理職を目指したいと入社1年目に答えた女性は64.7%。
同時期の男性が94.1%なのに比べて低いうえに、その気持ちも、入社2年目には44.1%まで下がってしまう、という調査結果でした。
これを一言で、女性はやる気がないと捉えるのは違うのです。
入社後、ふと見上げた管理職はほとんど男性。
さらに数少ない女性管理職は、未婚か子供のいないバリキャリタイプ(バリバリと仕事優先で働くタイプ)
子供のいる女性管理職の比率はとても少ないのです。
働き方もタイプも異なる女性管理職が身近に感じられるようになり、女性管理職のロールモデル(例となる存在)が増えれば、管理職に対する意欲にも大きな影響があるはずです。
管理職という可能性も含め、仕事の任される幅や責任が増え、仕事の面白さを知ることで、成長もやる気も変わっていきます。
「そんなの無理」と考えるとその先はないのですが、「そうなったらいいな」と考え、少しずつでも先へ進むことで徐々に世の中は変わっていくはず。
長時間労働も女性活躍も、あらゆる人が働きやすく、いきいきと働ける環境になるために、まずは一歩一歩、です。