「就活ルール」がなくなる?(2)大学生側から考える

「就活ルール」がなくなると…。

立場が違うと意見も全く違うから、この問題は意見が割れるのです。

「大学生」とひとくくりに言っても、

①自力で外資系企業だってガンガン行動できる層

②大企業に入れる可能性の高い国公立・有名私大で、そこそこ就活がんばる層

③決められたスケジュールがあるから、周りのみんなと一緒に活動する層

④周囲のサポートがないとなかなか動けない層

⑤活動はしていても、コミュニケーションが不得意で、現状のコミュ力重視の就活ではなかなか結果が出せない層

などなど、様々です。

その中の①⑤は、全く違う意味で、スケジュールに影響をうけることはあまりない。

そして②はスケジュールが無くなれば、青田刈りの対象でしょう。

問題は③と④

しかも、③は大学生にはとても多いのです。

この層が、スケジュールがないのにどうやって就職活動を始め、就職先を決めるか。

実際の大学での就職支援行事で、大学側が対象の中心と考えているのも、そして実際の参加者も、この層です。

でも、経団連の方々の想定している「大学生」は①②じゃないかと。

「優秀な人材が海外流出」の心配をしていますが、「就職できなかった学生が増える」という問題だってあるのです。

スケジュールが無くなり、「決まり」「ルール」がないのに自分で動く。

今どきの大学生にとって、このハードルは高いように感じます。

採用活動の時期が自由になれば、大学・企業・地域などが、この③④層を巻き込んでいく機会を今以上に考えていくことになりそうです。

あでも、企業の「本音」と「建て前」を探りながら就活している学生たちを見ていると、ルールがなくなれば、「分かりやすい」就活にはなりますね。


「就活ルール」がなくなる?(1)立場によって意見はいろいろ

経団連会長が「就活ルール」廃止と発言し、話題になっています。

経団連の「指針」をもとに決められていた大学新卒の就職活動のスケジュールがなくなるかも。

来年度4年生になる学生の活動を含め、ここ4年間は、3月から会社説明会、6月から面接、そして10月に内定。

そんなスケジュールにのって、大学生たちは就職活動をしてきました。

でも、それは建前。

外資系企業は、そんなスケジュールお構いなく、早くも3年生の秋冬には内定が出ていました。

日本の企業でも、ソフトバンクやユニクロのように、既に通年採用をしている企業もあります。

スケジュールを守るはずの経団連加盟企業だって、6月前に「面談」という名の面接を行なったり、社員がリクルーターとして接触して来たり…。

ただ6月1日に、すでに選考しておいた学生たちを集めて、形式だけの面接をしている感じ。

まあ、スケジュールを守らなくても罰則もないですし。

それから、大企業より遥かに数の多い中小企業は、学生にいくら内定を出しても、大企業に後から内定を出されて辞退した分、また採用活動を。

スケジュールがあるばっかりに、企業も学生も振り回されている感じでした。

かといって、採用担当者を増やしたり採用費用をかけたりと、一年中採用活動ができるほど体力のある企業がどれだけあるか。

早く内定を出せば、入社まで繋ぎとめる努力も人事の方々には必要ですし。

採用する企業側でも、優秀な人材の採用にどれだけコストをかけられる企業かによって、「ルール廃止」への意見もいろいろです。


「ちびまる子ちゃん」をありがとう

さくらももこさんが53歳という若さで亡くなりました。

本名も公表せず、自分が表立ったところへ出ることも少なく、まさに「ちびまる子ちゃん」のイメージを守ることを大切にした作家さんでした。

私は大学生の頃、寮の同室の友人に勧められ、初めて「ちびまる子ちゃん」を読みました。

私も2人姉妹の妹で、しかもその時住んでいた静岡市の隣町「清水」を舞台にした小学3年生のまる子は、まさに私にとって分身のよう

さらに、清水在住のサークル顧問の教授から「さくらももこさんのうちはすぐ近所だ」なんて話を聞き、ちょっと清水に行けば「ちびまる子ちゃん」に出てくる街並みがすぐそこに。

そんな環境もあって、より話に入り込んで読みふけりました。

周りを見る目線は子どもながらの毒もあるけれど、純粋。

ずるかったり小心者だったり、人に言えないところもあるけれど、優しい。

そんな「まる子ちゃん」と、とてもいきいきとした周りの登場人物たち。

「さくらももこワールド」にすっかりはまって、今でも本棚にこんなに!

 

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冷めた目線もあるけれど、純粋であたたかい心を持つ「まる子」は、自然体でいることの大切さも教えてくれました

才能ある作家さんを早く亡くし、とても残念です。

まだまだもっと多くの作品を見てみたかった…。

さくらももこさんのご冥福をお祈りします。


今どき流行りの「就活用語」ランキング

先日、「就活生の間で流行した『就活用語』ランキング」が発表されました。

上位3用語は、

第1位 ガクチカ

第2位 お祈り

第3位 サイレント

「ガクチカ」とは、企業へ提出するエントリーシートや面接で問われる定番質問、「学生時代に力を入れたこと」の略語です。

同様の定番質問である「自己PR」は、題材に困れば高校まで広げて考えますが、「ガクチカ」は大学生活の経験で考えます。

ゼミやサークル活動・部活動など題材があればいいのですが、無い場合は、資格取得から授業での協働作業やアルバイトまで(アルバイトネタは大学によっては不可の場合も)、一緒に題材探しをすることになります。

数年前から使われていた言葉ですが、毎年順位を上げ、すっかり定着しての1位となりました。

そして2位の「お祈り」とは、選考が通過しなかったこと。

企業から来る不採用通知に、「今後のご活躍をお祈りしています」という文面があり、そこから「不採用になった=お祈りされた」と使われています。

3位の「サイレント」とは、選考を受けたのに何も連絡がこないこと。

合格したら企業から必ず連絡があるので、結局は不合格の事なのです。

他の選考を受けずに結果を待つ学生も多く、企業には「サイレント」せず連絡してほしいと思います。

でも、不合格の連絡をした後に合格に変えることは難しいので、採用活動中は結果を保留し続けたい企業側の気持ちも分かります。

悩ましいところです。

他の用語も見てみると、一時期話題になった「オワハラ」が順位を下げています。

内々定を出した学生に、企業が就職活動を終わるよう強制することです。

2年前は大きな問題になっていましたが、今やSNSで拡散されて企業イメージへのリスクも大きく、結果企業のためにもならないということで、徐々に減って話題に出なくなってきました。

こんな「就活用語」の順位の変遷にも、学生と企業の採用現場の試行錯誤が見えてきます。


「eスポーツのプロ選手」という選択肢

ジャカルタ・アジア大会で初の公開競技となった「eスポーツ」

まだまだ何のこと?という人も多いでしょうが、対戦型ゲームを使ったプロゲーマーが勝敗を競う競技です。

日本はまだまだ普及していないですが、アメリカや韓国では高額賞金が出る大会も開催されています。

そして、現実に日本でも「eスポーツ選手募集」という求人があるのです。

大学4年生と面談していたら、就職活動を始めて最初に、eスポーツのプロチーム選手へ応募したとのこと。

残念ながら通過しなかったそうですが、その理由も本人曰く、「以前書き込んだTwitterで口が悪かったから」だとか。

いや~、時代は変わりましたね。

男子学生が、「任天堂」「バンダイナムコ」「スクウエア・エニックス」など、ゲームメーカーのエントリーシートを添削に持って来るのは以前からよくありました。

でもさすがに、「eスポーツのプロ選手」に応募という話は、高校生の頃にやっとゲーム機が普及し始めた私にとって、時代が変わったことを痛感する出来事でした。

AIの発達で無くなる仕事の話ばかり出ますが、こうして新たに生まれる職業もある訳で、キャリアを専門とするからには、否定するのではなく、情報を得ながら時代とともに進んでいく必要を感じます。

そもそも、ゲームはスポーツなのか?賛否両論ですね。

とはいっても、2019年の茨城国体では都道府県対抗の大会も開催され、近い将来、オリンピック競技になる可能性もあるのです。

相反して、WHO(世界保健機関)が「ゲーム障害」を疾患として認めたばかり。

いずれにしても、ゲームを無視しして今後は語れない時代に入ったようです。


信じること 信じ切ること

山口県周防大島町の山中で行方不明になっていた2才児が見つかり、発見したボランティアの方に注目が集まっています。

その方の言葉を聞いて実感したのは、「信じ切ること」の大切さ。

行方不明になってから3日。

毎日暑い日が続く中、私もそうですが、世間の大多数の方が生き抜くのは難しいのでは…と考えていました。

それは、発見後のお母さんの言葉にも表れていました。

そんな中、大きな声で名前を呼びながらの捜索。

タオルもアメも持参し、後のインタビューでは、必ず生きていると信じて山を登って行ったと。

「信じる」って難しい…。

信じたとおりにならないかもしれない訳で、その時のショックを思うと、ついついそのショックから自分を守る考えが浮かびます。

ダメかも…という可能性を考えることで、そうなった時のショックを和らげよう、と自然にしてしまうのが人間です。

私も、面談相手の力を信じてはいるのですが、信じ切れているかといえば、どうなのか。

現実との打算によって「信じてはいるものの、うまくいかないかも」と考える自分もいます。

半年前も、卒業1ヶ月前になっても就職先が決まらなかった学生さんが面談に来なくなり、もう在学中の就職は難しいかな~と。

それが、卒業式の日に彼に会った職員さんから、「就職決まったって!」と聞き、びっくり。

卒業後も就職活動を続けると思って、あらかじめ説明していたハローワークを活用し、自分でつかみ取った就職先でした。

私、信じ切れてなかったかも、と。

現実的に考えたり、がっかりする気持ちから自分を守ったりで、信じ切ることは難しい。

でも、やっぱり自分にできる限り、目の前の方を「信じ切って」いきたいな…と感じたニュースでした。


「やりがい」は、周りの人の言葉から生まれる

事務職の女性の方と面談をしていたら、「やりがいとか、よく分からないです」と。

事務職は滞りなく業務が進むことが当たり前。

その維持のために努力を続けていても、なかなか成果を実感しにくい職種です。

営業職は「ノルマがイヤ」という声もある一方で、自分がやったことが形になって評価に繋がる職種でもあります。

企業にもよりますが、事務職は、個人名で仕事を評価されることも少なく、「事務員さん」なんて呼ばれることも。

そんな仕事の「やりがい」はいつ感じるのでしょう?

エン・ジャパンが求人・転職サービスの「エン転職」利用者9,297名に行った調査で、「やりがいを感じること」を聞いています。

1位 お礼や感謝の言葉をもらう 62%(女性は69%)

2位 仕事の成果を認められること 56%(女性は63%)

やはり「言葉で評価されること」は仕事の「やりがい」に直結するようです。

つまり、事務職の部下にモチベーションや成長意欲を実感してもらうには、成果を言葉で評価することが大切なポイントになります。

お礼や感謝の言葉をいただき、成果を認められることで、自身の存在価値が実感でき、仕事のモチベーションも上がります。

上司のみならず、周りに事務職の方がいたら、日頃の当たり前に対する尽力に、感謝の言葉を伝えてみませんか。


神社へお参りする新たな楽しみ「御朱印帳」

お盆ではありますが、帰省するわけでもなく。

そこでちょっと出かけようかと、熱田神宮へ行ってみました。

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「よく神社にお参りに行く」と話をした時に、「神道ですか?」と聞かれるのですが、そうではありません。

じゃあなぜ?と考えた時、思い出したのは実家の神棚。

実家には今でも神棚があります。

祖父は靴屋を営んでいたので、年末には歳神様のために神棚をきれいにし、朝夕には日々水を供え、神様を大切にしていました。

中学生の時に建て直すまで過ごした家は、居間に神棚がありました。

だから、小学校から帰っておやつを食べている時も、晩ご飯の後にテレビを見ている時も、ななめ上には神棚があって、何か見守られているような感じ。

私にとって神様は身近な存在だったのです。

木々の多い神社の雰囲気も好きなので、神社へお参りするは楽しみなのですが、気軽に行ける近くの神社はもう一巡してしまい…。

そこへ、神社で御朱印帳を書いてもらう話を聞いたので、早速熱田神宮で御朱印帳を購入。

書いていただきました。

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なんかいい感じ(^^)

同じ神社へお参りするときにも、新たな楽しみができました。


「単独」でお仕事をする方たちとの「共同作業」

私の様々な業務の中で、講師の仕事は「個人」に任される印象が強いのですが、複数の先生方と共同で進める場合もあります。

今年度前期、某大学のキャリア系科目は10名もの先生方と関わりながらの仕事。

「せっかくご一緒したので」と、打ち上げの場にお誘いいただきました。

奇しくもその日は「世界コスプレサミット2018」開催日。

打ち上げで名古屋市栄駅に着くと、すぐ近くのオアシス21はコスプレーヤーで大混雑。

スターウォーズのジェダイのローブを着た人とか、背中にムートンのマット状のものを背負った女の子とか、全身鎧で身を包んだ方とか…。

名古屋は連日39度前後で「命に危険を及ぼす暑さ」なのですが、さらに危険になりそうな衣装を身につけた人であふれていました。

サーティーワンの前は長蛇の列ですし、そこここに床に座り込んで休憩している人もいて、前に進むのも大変です。

その中をかき分け、打ち上げ会場へ。

一転、涼しい会場では、講師の先生方とおいしい料理や様々な飲み物を堪能(^^)

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夏休みの話題もあり、仕事についての真面目な話もあり、昔好きだった芸能人の話(緒形拳とか柴田恭兵とか)もあり…。

とても楽しく、盛り上がった夜でした。

またお仕事でお会いする機会が楽しみです。


セルフ・キャリアドック制度は、ひと段落

昨年度中にセルフ・キャリアドック制度の申請をした方との面談が終了しました。

企業で働く方と、「働く」今を一緒に見つめ、今後の方向性を考えていく面談制度です。

助成金を活用した制度ということで、この仕事に携わるかどうかは、同じキャリアコンサルタント同士でも賛否両論。

判断が分かれる業務でした。

私も迷ったうえで携わることにしたのですが、実際に面談にお伺いすればするほど必要性を痛感。

面談した方にとって有意義な機会だと実感する場面ばかりでした。

大企業であれば、育成という視点で、会社がその企業内での社員のキャリア形成を担います。

でも、中小企業はその機会が少ないため、客観的な視点で自分の「働き方」を考えたり、中長期的に将来のことを考えたり、という機会が無かった方も多く…。

「明日への力」となる面談を私自身も心がけ、臨んできました。

生活と仕事のバランスはどうしていきたいのか、将来もそうなのか、今後に活かせる自分の強みは何か、会社の中で自分には何を求められているのか、そしてこれから必要になる力は何か…。

性別・年齢・役職・今までの経験・大切にしていることなど、人によって働く上での状況は様々で、そんなことをあらためて考える、有意義な時間となりました。

1年半の間に、自動車販売店や保険会社の方に始まり、製造業や福祉施設の方・税理士・IT企業のシステムエンジニア・瓦職人・トリマー・アイリストなどなど、64名の方とお会いしました。

私にとっても、今まで出会ったことのない職業の方と向き合う貴重な機会であり、貴重な経験。

今後へ、いかに活かすか。

新たな課題です。