チャレンジ精神をいつまでも

今日は岐阜県瑞浪市の高校へ、就職支援ガイダンスにお伺いしました。

高校生の就職活動と言うと、大学生とは時期も流れも異なり、求人票の公開が7月1日から、選考は9月16日から、と決められています。

そして、大学生と違い、高校やハローワークとの関わりがとても強い就職活動になります。

今まさに、三者面談で希望就職先を提出し学内選考を、という時期なのでした。

私も高校へお伺いするのは初めてだったため、どんな生徒さん達が集まるのか楽しみ半分不安半分。

午前中はレクチャー中心に、そしてその時間内に作った自己PRを基に、午後から各部屋へ分かれて模擬面接を、という流れでした。

実際始まってみると、朝の不安はあっという間になくなり…。

いい意味で私の想像を裏切る生徒さん達でした。

自己PRの題材探しでは、部活や学内行事を中心に考えます。

でもそれでは題材が見つからない時は、「手伝い」も含めて考えることに。

何を書けばいいか分からない…という生徒さんも、ほんの少し言葉かけすることで、

決められた家事をどんな日でも毎日やり続ける責任感

手伝いを感謝されることに喜びを感じ生まれた他者への貢献意欲

そんな強みを働く場へ活かす、意欲にあふれた自己PRに仕上がりました。

また、社会人にとって求められるチャレンジ精神の例として、「新しい仕事を頼まれたとき引き受ける人?」と言う質問には、その部屋全員が挙手。

大学生ではなかなか全員の手が挙がらない質問なので、感動してしまいました。

私も社会人の一人として、この率直な意欲が活かされる社会であることを願い、励ましの言葉を伝えて学校を後にしました。


女性活躍って言われているけど、管理職になりたい?

説明会で「女性も管理職になれる」をセールスポイントとして話す企業の方の言葉に、

「私、別に管理職になりたい訳じゃない」

と話す女子学生がいました。

世の中は女性活躍推しで「女性も管理職に」と言っているのに、その企業と学生ではポイントがズレていたのです。

今どきはワークライフバランスに関心が高い学生も多く、仕事か結婚・出産か、なんて選択をすることを望んではいません。

できるなら、やりがいのある仕事も子育ても無理無く経験できる方法を選びたいのです。

やりがいのある仕事…というと、管理職になる可能性もその中に含まれます。

ところが、独立行政法人「国立女性教育会館」の調査結果がリアルでした。

管理職を目指したいと入社1年目に答えた女性は64.7%。

同時期の男性が94.1%なのに比べて低いうえに、その気持ちも、入社2年目には44.1%まで下がってしまう、という調査結果でした。

これを一言で、女性はやる気がないと捉えるのは違うのです。

入社後、ふと見上げた管理職はほとんど男性。

さらに数少ない女性管理職は、未婚か子供のいないバリキャリタイプ(バリバリと仕事優先で働くタイプ

子供のいる女性管理職の比率はとても少ないのです。

働き方もタイプも異なる女性管理職が身近に感じられるようになり、女性管理職のロールモデル(例となる存在)が増えれば、管理職に対する意欲にも大きな影響があるはずです。

管理職という可能性も含め、仕事の任される幅や責任が増え、仕事の面白さを知ることで、成長もやる気も変わっていきます。

「そんなの無理」と考えるとその先はないのですが、「そうなったらいいな」と考え、少しずつでも先へ進むことで徐々に世の中は変わっていくはず。

長時間労働も女性活躍も、あらゆる人が働きやすく、いきいきと働ける環境になるために、まずは一歩一歩、です。


キャリアコンサルタントの仕事とは

今日はキャリアコンサルタント養成講座でサポートさせていただいた受講生の方と、お仕事をご一緒することができました。

打ち合わせ後の会話の中で、キャリアコンサルタントの仕事はまだまだ多くの方に内容を理解してもらっていないと思う半面、新しい仕事として幅を広げられる可能性が大きいことを再認識

資格試験にキャリアコンサルティングの理論として名前が挙がる方々もほとんど存命ですし、新しく変化し続ける仕事なのです。

主な仕事として、教育分野では大学の就職支援やキャリア教育だけでなく、小中高校対象の支援もできます。

企業の分野では、再就職支援だけでなく、働いている方のキャリア形成も大切な仕事です。

それ以外にも、ハローワークや派遣会社でも仕事の場が広がっています。

養成講座にも、大学など学校関係の方だけでなく、企業の人事担当者や社会保険労務士、派遣会社やハローワークの方と、様々な方がいらっしゃいました。

支援内容を取り上げても、コンサルティング(カウンセリング)としての個別面談もあれば、集団向けの支援の進行役、キャリア形成の制度構築など、幅広く関わることができます。

今まで関わってこなかったジャンルのお仕事に触れることができるのも、人との出会いがあってこそ。

またの機会でもご一緒したいですね…。


経験が足りなければ、実践で磨く

次男は、いつもは週末集中して稼いでいるアルバイトを平日の夜に追加して、試験期間に休もうと調整し始めました。

前もって調整しながら進めるのは、大学生の就職活動でも大切です。

各企業が並行して選考が進むので、乗り切るためにはマルチタスクとスケジュール管理が必要になります。

でも、実際に動き出してみると、既にできる学生と、苦手な学生が混在しています。

その違いは経験のちがいでもあるのですが、苦手な学生でも、就職活動を通じて磨くことができます。

入社後の作業効率や仕事の質にも繋がるスキルなので、私も、就職活動を通じて少しでも向上するように考えて関わっています。

遅ればせながら先月から本格的に就職活動を始めた学生さんも、活動を通じて徐々に変化してきました。

共通する部分を記入した履歴書を数枚ストックしてすぐ提出できるように準備したり、説明会の日を逆算して志望動機を作成したり、その合間で適性検査の対策をしたり…。

ぽつりぽつりと応募していた状況から、応募している企業の選考と並行して、更に合同説明会で応募企業を見つけるまでになりました。

自分でやるべきことを把握して、行動内容をコントロールできるようになったのです。

このスキルは、頭で考えているだけでなく、実践することで、より磨かれます。

私も、大学生に負けないようにまず実践!


キャリアコンサルティングで「キャリアの健康診断」

今日は名古屋近郊の税理士法人へセルフキャリアドック制度のキャリアコンサルティングにお伺いしました。

以前、私は会計事務所で働いていたことがあり、事務所の雰囲気が似ているところに懐かしさを感じながら面談させていただきました。

一般的に「キャリアコンサルティング」というと、就職や転職支援、または働きながら悩みがあるときの相談といったイメージが中心です。

でも、このセルフキャリアドック制度は、転職支援でも悩み相談でもありません。

もちろん話すうちにその内容に近づくこともあります。

でも、健康な人が健康に生活し続けるために定期的に健康診断を受けるように、お仕事されている方に、定期的に働き方や仕事・それに伴う人間関係を振り返っていただく機会と想定しています。

つまり、更にいきいきと働いていただけるようにお話を伺う訳です。

これがよくある「キャリアコンサルティング」のイメージと大きく違う所です。

だから私も、面談を始める前にその点をしっかり伝えて、すり合わせをしてからお話を伺っていきます。

このステップを大切だと考えるようになったのは、企業から退職勧奨として面談を設定されたと誤解されたことがあったからです。

面談の中で、何度も誤解について否定しつつお話を伺ったのですが、警戒され抵抗するコメントを口にする方を前に、本来の面談を進めることができませんでした。

それ以降、せっかくの機会を役立ててもらうために、しっかりと面談の前にその目的を説明し、その方にとってプラスになる機会であることを理解していただいています

実際には、お話を伺う中で新たな気づきにつながり、笑顔で面談を終えられる方が多いのです。

更に役立てる存在になれるように、日々精進です。


就職活動での「変化」は「成長」に繋がる

週に一日お伺いしている大学で継続して面談していた学生さんが、希望していた企業の内定を取得し、就職活動の終了を報告に来てくれました。

3月から毎週、書類作成や模擬面接など、それぞれの企業の選考ステップに合わせて支援してきました。

全ての企業の選考がうまくいったわけではなく、その度に、話を聴き、相談し、時にはアドバイスも、と回を重ねてきただけに、私も感慨ひとしおですし、ほっとしました。

実際に働く方々の話を聞く機会を作るよう私が勧めると、最初は「え~っ」と抵抗感のある様子。

でも、最終的には自分から、合計6人の方に話を聞いて質問を重ね、仕事の理解を深めていきました。

就職活動を始めた頃とは全く異なる業界に志望先が変化する中で、自分自身で納得して就業先を選び、準備も重ねて自分の力で結果を得た彼女。

就職活動の終了を宣言すると同時に、「知識の少ない業界だから仕事のために勉強しないと」と語る姿に、私はとても力強さを感じました。

就職する業界が異なれば、これから出会う人々も異なります。

就職活動を始めた当初とは、意識も考え方も大きく変化した彼女の姿を、私は「成長」と受け止めています。

今後のさらなる成長と、彼女が、前途を自分の力で切り開いていくことを願って、笑顔で別れを告げました。


企業によって、新卒採用の経験値は違う

週一回お伺いしている大学は、面談時間が長く設定されているため、一人の学生とじっくり話をすることができます。

久しぶりに来談した学生に活動状況を聞きながら、選考に申し込むか迷っている企業の話を聞きました。

扱っているものはとてもおしゃれで、その学生も興味があるようです。

ただ、中小企業で新卒採用の経験があまりない企業と聞き、説明会の感想を聞いてみると、事業説明や業務の流ればかりで面白くなかったとのこと。

社会人経験のない学生が何を知りたいのか、という点を意識せず、純粋に企業紹介をしていたと思われます。

昨今の企業説明会は、企業の紹介の場ではあるのですが、とにかく学生に興味を持ってもらえて、想像しやすい内容を工夫して実施しています。

学生たちは興味を持たないと応募もしないからです。

先輩が仕事のやりがいを語ったり、入社後の仕事の中でも学生が興味を持つ分野を中心に話したり、福利厚生を説明したり…。

もちろん、現実と異なることではやり過ぎですが、学生目線で説明するという点は大切なことです。

その意識がないと、入社後も、既に他社で営業スキルを学んで実績を上げていた中途採用社員では疑問に思わない点や、当たり前すぎて分からないことさえ理解してもらえない点は、説明してもらえません

すると、次第にモヤモヤが募っていく訳です。

新卒採用は、社会で働くことから教育していく必要があります。

継続して新卒学生を相手にしている企業には、新入社員は何につまづきやすいか、何が理解できないのか、反対に何を知りたいのか、といった傾向や、最終的に離職に繋がってしまう点は何か、ということにも経験値があります。

そうならないために、研修やフォローをする可能性が高いのです。

もちろん、それでも平均的に3年で3割は退職するという事実を乗り越えるのは難しいのですが、今まで中途採用ばかりで…という企業は、より一層その観点での確認が必要です。

新卒学生がしっかり職場に定着していける企業は、他の社員にとっても働きやすい企業であることは確かです。

入社後どのように成長していけるかという点では、社内の環境も大きな影響があるのです。


チャンスを幸運に変えるには(後編)

偶然の機会を最大限に活用するためには、5つの条件があるとクランボルツは言うのです。

その条件とは

好奇心・持続性・柔軟性・楽観性・冒険心

「冒険心」を持って行動を起こし、

「楽観性」と「持続性」で、うまくいかないときも何とかなるさとやり過ごして継続し、

とにかくやってみようと「柔軟性」と「好奇心」で、前向きに行動し続ける。

そうやって行動し続けたことで、結果として「機会」を活かすことができる訳です。

この話は、何も世界的なオペラ歌手や成功した起業家や芸能人だけの話ではありません。

未来は予測できないことだらけ。

計画も大切ですが、計画に縛られてしまってはもったいない。

かといって、予期できない出来事をただ待つだけもダメなのです。

機会を創り出すために、積極的に行動して出会いを増やし、その上でやってきた偶然は準備をもとに最大限に活用してステップアップの機会へと変えていく…。

「どうせ人生は何も変わらないよ」とか、「思い通りにいかないから考えても無駄」と思ってしまう時も、とにかく行動して出会いや機会に繋げていくことで、チャンスが幸運になるという訳。

行動によって幸運さえも引き寄せるこの考え方は、希望に満ちているなぁ…と私は感じています。

この考え方を知れば知るほど、やっぱり人との出会いや行動、そして日頃の取り組む姿勢は大切にしようと改めて思うのでした。


チャンスを幸運に変えるには(前編)

海外で活躍するソプラノ歌手の中村恵理さんが、チャンスを見事つかんだエピソードを読みました。

彼女は、体調不良で急きょ降板したトップスターの代役を務めたことで、世界の第一線で活躍するようになったのです。

「私は幸運でした」という彼女に、恩師が言った言葉は、

「この世にラッキーなんてあり得ない。良い話が降りかかってきた瞬間に、準備が十分できていただけのこと」

この言葉を聞いて思い出したのが、クランボルツの「計画的偶発性(プランドハップンスタンスセオリー)」というキャリア理論です。

人生は予測できないけれど、行動を起こしてチャンスを切り開いたり、偶然の出来事を最大限に活用したりすることが大切さだ…という考え方です。

クランボルツやこの理論は、キャリアカウンセラーやキャリアコンサルタントを目指す時に学ぶので、その筋では有名で、大好きという人もいるのです。

でも、一般的にはあまり知られていないのが残念。

実は遡ること先月21日、私はその内容で海老原嗣生さん(リクルート出身の雇用ジャーナリスト)のお話を聞く機会があったばかりでした。

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「クランボルツに学ぶ夢のあきらめ方」というタイトルで、お笑い芸人が実名で大勢出てきて、楽しみながら、面白く、そして分かりやすく理論を解説していただきました。

理論と聞くと難しくて避けて通りたいイメージがありますが、具体的な例を数多く織り交ぜながら、現実に繋がる内容でした。

クランボルツはその理論の中で、偶然の機会を最大限に活用するためには条件があると言っているのです。

後編へつづく…。


アルバイトと労働法

次男のアルバイト先から、雇用契約書が送られてきました。

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今どき飲食店のアルバイトでもこういった書面が作成されていることに時代の変化を感じます。

ひと昔前などは、学生のアルバイトでは契約書や労働条件を交わすこともなく、口約束を基に働くことも多かったです。

最近は、特に飲食店では、「ブラック企業」を疑われると、ただでさえ人手不足なのに人材が確保できないことも多く、企業側も制度を整えざるを得ない状況です。

グループワークの評価を担当している大学でも、労働法をテーマに講演を行い、その内容を基にグループワークを実施しています。

一年生を対象としているため、大学へ入学して初めてアルバイトを始めた学生も多いタイミングです。

労働法の知識を学ぶことで、実際に自分のアルバイトについて考え、意識が変わる学生も多いです。

グループワークの中でも、

「労働条件を確認するにも、そもそも契約書なんてもらってない」とか

「働く時間によって休憩時間が決められているなんて知らなかった」という声もあり、

まずは知識を持つことの大切さは実感できました。

ただ、「分かっていても言いにくい」という現実を実感している学生も多く、社会人の労働状況と同じく、まだまだ課題が多いことを知る機会にもなっています。

ただ、「働く」ことを自分のこととして受け止めて考えることは大切ですし、その上で何を選んでいくのか自分で考えることも大切なのです。

我が家の次男も、繁忙期の土曜ランチの時間帯ということもあり、入りたてながら頼りにされたこと、そしてなにより、おいしいまかないご飯にやる気を駆り立てられ、今日も出かけていきました。