武器は拾いながら走る

大学生の就職活動を支援していると、準備に時間をかけるがゆえに、なかなか動き出せない学生さんに出会います。

「履歴書が仕上がらないからまだ申し込めない」とか、

「不安なので、次の日程にしました」とか。

もちろん準備をすることは大切ですが、今完璧だと思う準備も状況が変わると最善の策ではなくなります。

そうすると、その状況での完璧な準備をしようと思って、また動き出せなくなるという繰り返し…。

ともすると、うまくできない言い訳探し(準備が間に合わなかったから…)にもなり兼ねません。

日頃、行動することを信条としている私は、

「武器は走りながら拾う」

という言葉を自分に言い聞かせ、とにかく行動することを心がけています。

いつまでも最高の武器を磨き上げ続け様子をうかがうのではなく、使ってこそ武器は役立つのだから、何しろ走り出そうという考え方。

武器が必要なら、走りながら拾えばいいのです。

まずは、進め進め!

だからそんな私は、日々学生さんを励まし追い立てながら、少しでも多くの学生さん達が走り出すようにと考えて関わっています。

そもそも、キャリアコンサルティングは相談者の「行動変容」を促すことを目指しているのですが、私はその「まず行動できること」を重視している訳です。

全く方向が定まらなければ、考えていないで合同説明会へ参加し、企業の担当者と話をしてみる。

興味を持った企業があれば、個別説明会へ申し込む。

まだ表面的に選考が始まらない金融機関へは、今のうちに支店訪問する。

志望度が高い企業へは、OBOG訪問を検討する。

とにかく動くことで、一歩先の問題で悩む状況になりますし、もしかしたら、転がっている運に当たることもあるのです。


さくら

桜は満開だというのに天気が悪く、強く降りしきる雨で散ってしまわないかとハラハラしましたが、週末には、無事満開のまま雨が止みました。

折角なので、少しだけでもとお花見に…。

家の近所には「五条川」という川が流れており、桜の名所として有名です。

「日本さくら名所100選」にも選ばれたところで、満開になると、地元中日新聞の一面を飾ることもある所なのです。

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もう少し上流まで歩いていけば、程よい幅の川の両側に桜の木が並び、川の両側から川面に向かって枝が伸びてとてもきれいです。

川面に桜の花が映る中、早くも散りだした花弁が川面を流れていきます。

桜は「散り際が美しい」と言われ、そこも含め、日本人が好きな花ですね。

桜もそうですが、自然に咲く花には季節感があり、咲いた花を見ると、その花に紐づいた光景がさっと思い出されることがあります。

桜を見ると、子供の頃、家族で近所の公園や地元の名所でお花見したこと。

学生の頃、友人達と大学内でシートを敷いて、夜桜を肴に盛り上がったこと。

仕事についてからは、職場の方々とお昼に会社の隣の公園で桜の下でランチしたこと。

そして結婚してからは、自分の家族たちと行った五条川や、桜の木の近くで写真を撮った入学式のこと。

今まで、いろんな所でいろんな人とのお花見が思い出されます。

他にも、桜の下で咲いている白柳を見ると、以前住んでいた団地で子供と毎日出入りしていた階段下の光景が。

そして今月末からシーズンを迎えるハナミズキを見ると、結婚前に帰省した地元の商店街で、街路樹としてきれいに咲いていた光景を思い出します。

そんな記憶に支えられて、また元気に歩き出せることもあります。

春は思い出も、そこからもらえる力も多い季節です。

環境が変わることも多く慌ただしい中で、つい心が疲れることもある季節ですが、過去の思い出に力をもらい、今日の一歩を踏み出していきたいですね。


「友達100人できるかな?」

おうかがいしている大学併設の幼稚園は、今日が入園式でした。

幼いながらも制服を着て手を引かれる姿はかわいいですね~。

そんなコメントがでるあたり、私も年を取ったものです(^^;)

その姿を見ながら、集団生活の新たな始まりを思い出していました。

私は、歌にもあるような「友達100人」なんて数の勝負はとてもできるような子供ではありませんでした。

幼稚園も遅刻の常習犯で、祖母に手を引かれ、幼稚園に隣接する公園を通りながらだましだまし連れていかれるのが常でした。

もう私がつく頃は園庭でのお遊戯も佳境に入っており、遅れて登園した私は、部屋から一人で、みんなのお遊戯の様子を見つめていた記憶があります。

その記憶を発端に、集団生活にはどちらかというと窮屈さを感じることも多く…。

自分の意見に引っ張られ、相手に合わせることにはかなりエネルギーを使っているような気がします。

でも、SNSでの友人数が話題になるような人付き合いはできません。

でも、それでもいいかな…と考えられるようになったのは、自分で仕事を始めて、自分のペースで動くようになった頃からです。

どうしても質より量の方が話題に出がちな人との関係ですが、新入生も新社会人も、そして新たな場へ臨まれた方々も、自分のペースで大切に関係を築いていってください。

そして、新たな人との出会いを楽しんでください。

 


うまくいかなかったからこそ、学んだこと

キャリアコンサルタント養成講座の受講生の方から、2度目のチャレンジでの合格報告がありました。

合格された方々、おめでとうございます!

これからは、同じキャリアコンサルタントとして、様々な方面で活躍されることを願っています。

残念ながら再チャレンジの方は気持ちを切り替え、次回こそはぜひ合格できることを祈っています。

私も、キャリアコンサルタント資格ができる前、移行もととなるCDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)の試験を受けたのですが、一回目は不合格でした。

試験の後、当時の私はなんとなく、「合格じゃないかな~」と思っていました。

だから、不合格通知が来て、中に入っていた講評の言葉には、ひどくショックを受けました。

立ち直ってもう一回受けようと決めるまで、時間がかかりました。

経済的事情も含め、「今度こそは絶対に受からないと!」と、万全の態勢で臨んだ2回目で無事合格。

この時の試験は反対に、「今回はダメかも…」と思う内容でした。

今思えば、自分が成長することで見る目線も育つわけで、自分のアラもできなかったところも、やっと気づくようになっていたのだと思います。

「できている」と思ったまま1回目の試験に合格していたら、今の私はありません。

何となく受かり、受講生の方々にアドバイスをする機会があっても、自信を持って見当違いのコメントをしていたはず。

落ちたショックは半端なかったのですが、そこから得たものはとても多かったな~と、今は思います。

2度目のチャレンジで合格をつかんだ方々、ぜひ自信を持って進んでください。

ストレートで合格した自分より、必ず力のついた自分になっていますから。


レゴランドも、リニア・鉄道館も。

今日は4月1日。

名古屋では、レゴランドがオープンしました。

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うちの子供たちは2人ともレゴブロックにはまっていた頃があり、かつては、無防備に歩くと床に落ちたレゴを踏んで悶絶することもよくありました。

同じようにレゴ好きな友達(だいたい男兄弟のことが多い)が来た時は、色や形で分類しては、みんなで力を合わせて大作を作ってもいました

そのころ、ドイツ在住だった友人からレゴランドの存在を聞いたときは、彼らにとっては夢の国の話のようでした。

でもそんな彼らも今はレゴを触ることもなく…。

折角近くにできたレゴランドも、我が家から行く人はいないかも。

そんな場所が他にもあります。

名古屋にリニア・鉄道館ができたのは、子供たちが中学生の頃。

電車好きな私は心惹かれたのですが、部活に忙しい2人はもう既に親子でそんなところへ行ってくれる様子ではなく、ついつい行きそびれ…。

職業体験ができる「キッザニア」も、15歳までしか体験できないので、子供連れでしか行くことのない施設です。

キャリア関連の資格を学ぶ場で、職業体験の話の中で「キッザニア」が話題に出たとき、20数名の中で行ったことがあったのは子供がいた私だけでした。

子供がいると制約があって、できないことややりにくいこともたくさんあるけど、実は子供がいないとできないことややりにくいことだってたくさんあるのです。

自分が行きたい所へ子供をだしに行けたり、子供の頃の楽しさを追体験したりできたのは、子供がいたからこそ。

どうしても子育ては、大変なことばかりが取り上げられがちですが、それ以上に、子育てから得られることがもっと話題に上れば、イメージが変わるかも。


元気でそこにいることの大切さ

栃木県那須町のスキー場で、高校生たちが雪崩に巻き込まれ、8人が亡くなりました。

前途ある若者たちが命を落としたことに胸が詰まります。

残された親の気持ちを思うと、かける言葉もありません。

よく「親の気持ちが自分が親になって初めて分かった」と言いますが、そう思うこと多いです。

もちろん、子供がいなくても様々なシーンで感情は動きますが、その振れ幅は子供が生まれてからとても大きくなった気がします。

子供を産んだら涙もろくなる…という感じ。

実際に私も、姪を突然の交通事故で亡くしました。

その時の親(姉と義兄)の様子、ささいなことを思い出しては自分を責めてしまう親の姿も身近に見てきました。

その時、朝出かけたまま、もう会えないこともあるんだという現実も目の当たりにしました。

それからというもの、私は、朝はケンカしないこと、そしてできるだけ玄関まで見送ることを意識しています。

日常の慌ただしさの中で忘れがちな、元気でそこにいてくれることの大切さをついうっかり忘れてしまわないように、自分の中で時々確認しています。

亡くなった方々のご冥福をお祈りしします。そして、そのご家族が少しずつ歩き出せる日々が来ることも願っています。


1年間の成長と、社会への巣立ち

大学新卒の就職活動は、基本的に一生に一度きり。去年の経験を翌年の自分に生かす…ということはありません。

経験もなく不慣れなまま、様々な情報の中で、選考に対するスキルを高めつつ、自分の行き先を模索する活動です。

それだけに、学生さんたちは精一杯就職活動に取り組むことでめざましい成長を遂げ、一回りも二回りも大きくなって社会へ巣立っていきます。

そのことを実感する出会いがありました。

今私は、昨年の春と同じ大学で支援に携わっているのですが、卒業式の日、偶然、1年前に何度も面談や面接指導をした卒業生に会いました。

昨年は6月までの契約だったため活動途中までの支援しかできず、その時受けていた企業の結果も、その後の彼の就職活動の状況も分からないままでした。

私を見つけて卒業式のスーツ姿で歩いてきた彼は、こだわっていた鉄道関係の仕事に就けたことを笑顔で報告してくれました。

振り返れば、当時彼が受けていた企業は難関で、その仕事にこだわる彼が心配だった私は、職員の方に引き継ぎをしていました。

その心配を知ってか知らずか、納得いく結果が出るまで活動をがんばった彼は、「12月までかかってしまって…」と、照れ笑いをしつつも、すっかり社会人の顔になっていました。

体調に気をつけてがんばるように伝えることができた偶然に感謝し、私もまた、気を引き締めてがんばらないと、と彼の後ろ姿に思いました。

新社会人の前途に、幸多からん事を!


卒業式と「はかま」

今日は、キャリアカウンセラーとしてお伺いしている大学の卒業式でした。

通常通り3年生は来談するものの、学内は卒業式一色。

特に女子学生たちのはかま姿がとても華やかでかわいらしく、ついキョロキョロしてしまいます。

このはかま姿も、大学の卒業式ならではですし、女子の気持ちも上がる姿です。

かつては、私も大学の卒業式で貸衣装を借り、はかま姿で臨んだのですが、その後、その写真を見た母ともめたことを思い出しました。

私は、大学4年間県外で寮や下宿暮らしをしていました。

自宅での束縛がとてもとても窮屈で、その反動から、大学生活を謳歌していました。

結果、高校までの母親のイメージとはかけ離れた娘になっていたわけで…。

大学進学時の「赤い矢絣(やがすり)に紺色のはかま姿」といった大正ロマン的な母親イメージからはるかにかけ離れたはかまを借り、卒業式に臨んでいたのです。

一緒にレンタルに行った友人たちに似合うと言われて私が選んだのは、山吹色の着物に深緑のはかま。

その写真を見せびらかした私は、

「芸能人じゃあるまいし!!」

と母の立腹を誘ったのでした。

うれしくて見せたのに怒られてしまい、今思い出しても、とても切ない思い出です。

親の目線と子供の成長は一致しないことが身に染みた瞬間でした。

それでも私は、卒業したみなさんが、いい意味で親の期待を裏切って成長していかれることを願っています。


志望動機、そして私が働くうえで大切なこと

来談する大学生にとって作成が難しいと言えば、「志望動機」

実際に働いた経験がないので、仕事理解も企業理解も得た情報をもとに想像していくことになります。

そしてその想像を想像で終わらせないために、更に、企業情報を確認したり、他社と比較したり、社員の方の話を聞いたりして、裏付ける企業研究を深めていくのです。

この繰り返しをどれだけ熱意をもって時間をかけたかが、志望動機の厚みに繋がります。

と、そんな説明を学生さんにしつつ、私が新卒で入社した企業への志望動機を思い出していました。

「学校という一斉指導の場以外の、個別に学べる場で教育に携わりたい」

その動機を持つに至ったのは、大学でのアルバイト経験でした。

私は当時、FAXと電話を使って、中学生に30分間の学習指導をするアルバイトをしていました。

教材販売のアフターケアのサービスでした。

その中で、ある日、中学2年生の女の子から、「勉強できないから塾でがんばろうと思ったら、塾も試験があって入れなかった」という言葉を聞きました。

塾へ行ったことのなかった私は、勉強したいと言う意欲があるのに、一定の学力がないとその意欲を受け入れてもらえない、という事実にショックを受けました。

そこで私は、学校以外で一人一人に向けた教育に関わる企業を探し、音楽教室や通信教育、個人指導塾の企業に応募していきました。

結局、その時の思いは今も続いていて、教育関係の仕事を志向する気持ちは相変わらず強いですし、屋号「Each One」も、一人一人と向き合う気持ちを仕事でも大切にしようという思いから名付けていました。

自分にとっての仕事への思い(最近よく使う「就活の軸」のような部分)は、私の場合は結局揺らがなかったなぁ…と感じています。


「形のないもの」と向き合う気持ち

今週末は、所属する市民音楽団体の演奏会がありました。

その団体も、発足当時は「市民」メンバーがほとんどだったそうですが、演奏会も35回を数える今となっては、ほとんどが市外のメンバーばかり。

それでも市の行事に参加する機会も多く、50名ほどのメンバーで地域に密着した活動をしています。

IMG_1564 開演直前の舞台袖から、スタンバイした舞台を撮影

本番前の、かすかな緊張感とちょっとしたワクワク感は他のシーンではなかなか味わえないですし、演奏後の打ち上げも、直前のプレッシャーから解放され、わいわいととても楽しい場です。

生まれ育った山梨でも、進学・就職先の静岡・浜松でも、そして今でも、音楽を通じて本当に多くの人と出会いました。

今でも細々と音楽を続け、子供達にも影響を与えているとなると、私にとっての音楽の存在感はとても大きいのです。

仕事も含め、形のないものを大切に思う気持ちは、そんな所から養われたのかもしれません。

形が残らないからこそ、その瞬間を大切にする。

そんな思いで、仕事でも相手の方に向き合い続けています。