「発達障害」と「就職」(後編)「凸凹さん」と共に

そして今回、発達障害の方の就労支援に携わるNPO法人育て上げネットの古賀和香子さんから、現場での支援の実際を伺い、多くのケースワークにも取り組みました。

発達障害の就労支援や就労トレーニングを行う就労支援サービス(LITALICOやKaien(カイエン)等)の情報も教えていただきました。

古賀さんは、発達障害は能力のばらつきがあり凸凹していることから、発達障害を抱える方を「凸凹(でこぼこ)さん」と呼んでいました。

その「凸」である強みを活かし、「凹」である困っている部分への対処をしていく。

そのための整理を支援しつつ、特性を生かせる仕事を模索していきます。

現実の就労の場では、時代の移り変わりとともに、以前は発達障害の特性に合うことの多かった、コツコツと地道に取り組む作業が、機械に取って代わられ減ってきています。

また、「空気を読むこと=良いこと」という風潮も強く、空気を読めないことで働く場でトラブルになることもあります。

そんな現状も踏まえながら、「一般就労か」「障がい者就労か」という二択ではなく、その人に合わせ、柔軟に考えていく必要があるのです。

また、タイミングや本人の納得も方向性に大きく影響します。

実際に、私も、継続して面談していた学生さんが、障がい者手帳取得の話題を出したのをきっかけに来なくなった、という経験があります。

本人の気持ちと現実とを行き来しつつ、より良い方向を探るために、信頼関係を築きながら可能性を模索し、一緒に考えていく。

そんな姿勢が大切ということ。

そして、就職が決まっても、今後困ったときの対処法や相談できる場を考えていくところまで関われたら…。

社会全体も、凸を伸ばし凹を補うようになれば、発達障害を抱える方だけでなく、あらゆる人が力を発揮できますね。