「違い」を活かし合う大切さ

三重県津市で三重県主催の「ダイバーシティ」講座に参加してきました。

「ダイバーシティ」といえば、少し前から聞かれるようになった言葉ではありますが、まだまだどんな意味か分からないという方も多いですね。

「多様性」、つまり、企業で人種や国籍・性別・年齢を問わず人材活用すること、なのです。

「女性」「LGBT」「シニア」「障がい者」「外国人」等々、これからは多様な人々で力を出し合うことが大切な世の中なのです。

会場となった三重県総合文化センターには、敷地内に複数の施設が。

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本講座の始まる前にも、その施設内で障がい者の方が働くステップアップカフェ「Cotti菜」のランチ会があり、そちらももちろん参加。

障がい者の方の働く姿を見ながら、水耕栽培の新鮮な野菜を使ったおいしいランチをいただきました。

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本題の、多様性を「強み」として捉える講演はもちろん、とても学びの多い時間でした。

この講座は、以前キャリアコンサルタント養成講座で出会ったNPO法人の方にご紹介いただいての参加です。

最近話題の「LGBT」「外国人」「障がい者」といった分野へ実感が足りないな、と感じていた矢先、声を掛けていただいた事をきっかけに参加。

何となく意識はしているけど、自分から探すところまで至っていない取り組みに、お誘いいただけるのもありがたい。

もちろん、久しぶりに顔を合わせた方々と過ごした津市内の夜も、とても楽しい時間でした。

元気をチャージ!


今の若者はどう働きたいのか?

今どきの新入社員は、「働く」ことについてどう考えているんだろう?

そんな、先輩社員の素朴な疑問に答えるアンケート結果があります。

日本生産性本部が、昭和44年から長期(50回)に渡って新入社員に行っているアンケートの結果が先日発表になりました。

平成30年度の新入社員はどうかと言うと…

「働き方は人並みで十分」と答えた人が61.6%もいます。

「若いんだから、周りに負けじと働けよ…」と思っている先輩社員から見たら、物足りないとも言えそうです。

それに、「若いうちは自ら進んで苦労するぐらいの気持ちがなくてはならないと思う」人の割合は年々減って、今や5割を切ります。

反対に、「好んで苦労することはない」と答えた人は増え続け、今回は34.1%に。

こんなところも、ジェネレーションギャップが生まれそうです。

「自分が若かった頃は…」なんて比較したところで、今どきの若者にはピンとこない訳です。

では、働く目標はと言えば、「楽しい生活をしたい」が41.1%

そして「経済的に豊かな生活を送りたい」が30.4%

「自分の力を試す」とか「社会のため」に働くという人は、今やそれぞれ10%以下です。

楽しく生活しつつ、経済的に豊かになれば…と思いながら働く人が増えているようです。

こういった価値観は、世の中の状況にも大きく影響を受けて変化していきます。

「今どきの若者は…」と非難するだけでなく、こんなに価値観は変化しているんだということを知ったうえで新入社員と接することは、お互いの距離を縮めるためにも大切ですね。


「ディーセント・ワーク」って何?

大学でキャリア教育の講義をする中で、「ディーセント・ワーク」という言葉に出会いました。

聞きなれないこの言葉は、「働きがいのある人間らしい仕事」という意味。

ILO(国際労働機関)が実現を目指し、目標としているものです。

日本では、ディーセント・ワークを実現するために、NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)が20の課題を挙げています。

労働条件だけでなく、労働法の知識を得たり声を上げたり、といった行動を促すものもあれば、

日本型雇用(終身雇用・年功序列)、「大黒柱」、「良い母親のイメージ」といった従来の価値観を問う内容もあり。

中には、ブラック企業のモノを買ったり、サービスを受けたりしない、という消費者の取り組みも含まれています。

課題の中でどれが大切かグループワークで話し合えば、今どき大学生の価値観が見えてきます。

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就職活動を支援していても実感することですが、今どきの大学生は、冷静に世の中を見つめています。

高度成長期を経験した世代やバブル世代など世の中に勢いがあった時代とは違い、がんばっても成果が出るとは限らない時期しか知らない世代。

手書きの伝票を時間をかけて処理した時代と、パソコンや様々なITシステムで効率的に単純作業がこなせる時代で、同じ価値観である訳がないのです。

「長時間労働」一つとっても受け止め方は異なり、「がんばっている」対「非効率・企業の管理不足」

その世代間のギャップは、上の世代が思う以上に大きい。

いまの大学生世代が理不尽だと感じることは、これからの社会にとって課題として向き合っていく必要のある大切なものばかり。

そんな課題に地道に取り組むことで、あらゆる世代が「働きがい」を感じながら「人間らしく」働ける世の中に近づいていくはずです。


私のキャリア支援の「原点」に帰る

今日は求職者向けの職業訓練を行っている専門学校へお伺いし、就職支援の一つとしてキャリアコンサルティングを行ってきました。

私は以前、職業訓練業務に携わっていました。

と言うより、私がキャリアコンサルタントを目指したきっかけこそが、職業訓練でした。

出産・育児で中断したキャリアを繋げようと、正社員の仕事を目指して応募したのが、偶然、公共職業訓練としてパソコンの訓練をしている会社だったのです。

そこは、失業保険を受給中の求職者対象に、愛知県から公共職業訓練を委託されていました。

家から車で5分程度の近所にあったその訓練施設の存在を、私はそれまで知りませんでした。

でもそこで、私の中でマイナス要素でしかなかった職歴が受講生の就職支援に役立つという経験を経て、私はキャリア支援の道へ一歩を踏み出したのでした。

職業訓練では、スキルを身につけることができるのですが、それはあくまで仕事に活かすため。

就職支援も訓練後の方向性を後押しします。

今日面談したクラスは、受講生が20名。

面談の中で、以前の職場を思い出して懐かしく感じる時もあり…。

時間内、お一人お一人と、次の仕事へ繋げるためにどのような方向で動いていくか確認を。

そして、また来月の面談で1ヶ月の進捗状況をお伺いすることを約束し、施設を後にしました。


今から行動することの大切さを伝える

名古屋鉄道に乗って約一時間。

初めてお伺いした大学で、2年生向けにガイダンスを担当しました。

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私が「キャリアコンサルタント(カウンセラー)」として最初に携わったのは、大学のキャリアセンターでのカウンセラー業務。

就職活動に直面した4年生の相談を毎日受けていると

「大学生になってから、自己PRに書くようなこと何もやってないです」とか

「相手の目を見て話すのが苦手なんです」とか

「グループディスカッションで発言できないです」とか

そんな話が連日続きます。

日々、「もう今さら経験積む時間なんてないのに…」という思いは募るばかり。

だったら、さらに低年次の内に、経験を積むように関わらないと…

そう考えて、「キャリア教育」にも携わるようになったのでした。

今日、2年生へ向かって話しながら、キャリア教育へ向けて、2年前に抱いた思いが蘇ってきました。

今日参加した学生さんが、一人でも多く行動へと、一歩が踏み出せますように。


以前なかった仕事 ~胚培養士~

臨床検査技師の国家資格を目指す学科の学生さんと話していた時、話題に出た職業が

「胚培養士(エンブリオロジスト)」

体外に取り出した卵子や精子、受精した胚を取り扱う技術者です。

不妊治療になくてはならない存在として、不妊治療を行っている産婦人科病院で募集されています

現段階で国家資格はありません。

最近は専門に学ぶ教育機関もできてはいますが、大多数は、大学の農学・理学・医学系学部の出身者。

その方達が、医療機関で経験を積みつつ、働きながら、2団体で年1回行われる認定資格を目指すことが多いとか。

日本で体外受精・顕微鏡授精・凍結胚移植によって誕生した子供の数は、2015年には51,000人もいるということで、その陰にはこうした仕事の存在があったのですね。

AIによって消えていく仕事のことが話題になりますが、こうして以前はなかった仕事が生まれてもいるのです。

必要に応じて生まれた仕事が、どのように成長していくのかは、その仕事に取り組む方々の姿勢によると感じています。

今後さらに必要とされる上、携わる人には日々学ぶ姿勢が求められる「胚培養士」という職業を、今後耳にする機会も増えていくと思われます。


「地域限定正社員」のこれから

厚生労働省が4月24日、「地域限定正社員制度の積極的な検討」を要請する通達を、日本経団連を始めとする経済4団体に出しました。

私も以前、地域限定正社員についてこのブログで触れたことがあります。

それは、JILPT(労働政策研修・研究機構)が2018年に就職した男女に行った調査について。

大学新卒の就職活動を始める時点で、男女合わせて72.6%が希望していた「地域限定正社員」ですが、実際にその枠で就職できたのは28.6%だということ。

ニーズはあるのに、世の中に反映されていない問題点でした。

この厚生労働省通達の影響がすぐ表れるかは未知数ですが、その話題に触れたという点では進歩だと考えています。

特にここ東海地区は地元志向が根強く、私が面談していても、この地域を離れず働きたいという学生が圧倒的に多いのです。

もちろん、転勤を伴う総合職にもデメリットだけでなく、メリットもあります。

でも、子育て中の女性が働きやすい環境づくりの一要因として実家のサポートを受けやすいこと

また、介護する親とも近い距離で働き、働き続ける可能性を広げること

さらには、転勤に伴って家族が受ける影響が減ること

今までのライフスタイルや人間関係を活かして、ワークライフバランスのライフ面を充実させること

などなど、様々な点から希望する人が多い働き方なのです。

インターネットもスカイプもなく、移動しないと始まらなかった時代には当たり前だった「総合職=転勤あり」という働き方ですが、時代に合わせて変化していくのは当然です。

少子高齢化の世の中で、働く人それぞれが、意欲を持っていきいきと働けますように。


角度を変えて考えることで、自分の良さに気づく

大学生との面談で、自己PRを作ろうと今までの経験を振り返るとき

そして企業で働く方と、職務経歴書を作成しながら職務の棚卸しをしているとき

それぞれに、角度を変えて考えることの大切さを実感しました。

ある大学生に経験を聞くと、高校の吹奏楽部は人間関係のもつれから2年間で辞めてしまったと。

彼女曰く「だから自己PRになんか書けません」

でも、詳しく聴いてみると、その間にコンテストで全国大会へ出場しているのです。

「継続」や「関係構築」というポイントでは、確かに難しい話になりそうですが、「結果へ向けた努力」には全力を注いだはず。

今もその力は身についていて、今後も使えるので、ぜひ自信を持つよう伝えました。

「私にも、自己PRにできる話ってたくさんあるんですね」と笑顔で帰っていきました。

また、あるIT企業の社員の方との面談では、アルバイトや飲食店の店長・ボランティア等、短期間の経験を積み重ねてきたとのこと。

IT企業に就職してまだ4年で経験も少なくて…。

単に時間軸の職務経歴書を作ると、経験も浅く、年数から長続きしない印象です。

でも、直接お話を聞いた彼は、2年間出向していた大手企業のシステムプロジェクトで実力をつけていました。

その経験から学んだ人間関係構築力やマネジメント力は高く、状況を把握した計画性にも富んだ方でした。

数多くの経験から学び身につけた人間力、そして2年間でリーダーから直接学んだ実務運営能力こそ、職務経歴書でまとめる点なのです。

自分だけでは気づきにくい良さに、角度を変え観点を変えるためにも、キャリアコンサルタントの関わりは役立てると実感した面談でした。


仕事でも「自分らしさ」を活かす

家の前のハナミズキが満開になりました。

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さくらも早く咲きましたが、他の花も早く咲いてしまうんですね。

去年は4月23日のブログに満開のハナミズキの写真があるので、半月近く季節を先取りしてしまっているようです。

先週末は冬へ戻ったかと思うような寒さでしたが、このところ昼間は暖かくなりました。

その反面、朝晩はまだまだ寒いので、気をつけないと体調を崩しそうです。

そんな暖かい日差しの下、企業の方対象のキャリアコンサルティングにお伺いしてきました。

企業は違うのですが、偶然今日は3人とも建築関係のお仕事の方ばかり。

ただ、現場監督の仕事を担っていても、その方のお人柄によって、タイプは様々。

ミスなく着実に作業を進めらてきた方は、その正確な仕事で培った信頼を活かす。

職人気質の方は、自分の背中で仕事に臨む姿勢を示す。

職人さんや業者の方に、自分からグイっと関わっていく方は、その行動力で自身にも力をつけながら仕事に臨む。

その人らしい強みを、自分で理解して活かしていけるといいですね。

そのためにも、過去の仕事を振り返る中で、見えてきた強みを確認し、気づいてもらえるよう言葉で返していきます。

皆さん面談後には明るい表情に。

お仕事これからもがんばってください!


4月になり、入社式に思うこと

今年は4月1日が日曜日だったので、4月2日に多くの企業で入社式が行なわれました。

経営再建中の東芝は、昨年新卒採用を制限していたので、2年振りの入社式です。

220名の新入社員が入社したのですが、それぞれの胸中はどうなんでしょうか。

一方、バブル期を思い出すような入社式もありました。

居酒屋「塚田農場」で有名なエー・ピーカンパニーでは、クルーザーを貸切って全国の特産品を使った料理や飲み物で「おもてなし」する入社式です。

離職率も下がったということなので、この入社式に参加して会社でがんばろうと思えるのであれば、先行投資として成功です。

入社式の様子を聞きながら、大学での就職支援で出会った学生さん達はいったいどんな入社式を迎えたのか、思いを馳せていました

就職活動の中で迷い、不安になっていた彼女。(彼女らしい就職先にめぐり会えました)

今までの経験に自信を持つことができ、企業へも意欲を伝えられた彼。(高校大学と7年離れていた地元で新たなる一歩です)

事務職を諦めなかった彼女。(静かだけれど強い熱意が結果へ繋がりました)

卒業式の直前に就職が決まった彼。(彼からは、諦めない大切さを学びました)

みんなみんな、入社おめでとう!

そして社会人1年生として、それぞれの場で元気よく第一歩を!