「外国人労働者受け入れ拡大」は決まったけれど<前編>

来年4月からの、外国人受け入れ拡大が決まりました。

私は、大学で留学生の就職支援にも携わっています。

最近はベトナム人が増え、他にも中国・ネパール・韓国・ウズベキスタンなど多彩な顔ぶれ。

キャリアセンター以外にも留学生をサポートする部署があるので、直接支援する内容は、履歴書の添削や面接練習。

ただ3年生の秋に、就職活動のガイダンスと連動して、短時間の個別面談も担当しています。

先日も、予め記入してもらった調査用紙をもとに、「どこで就職したいか」とか「どんな仕事に就きたいか」とか、話を聞いていきました。

その時確認したいのは、内容だけでなく、日本語のコミュニケーション力。

就職するとなると、日本語でのコミュニケーションがどの程度できるかは重要ポイントです。

同じ留学生でも、アルバイトでの経験や大学での他の活動、日本での友人関係などによって、日本語の理解力と会話力は個人差が大きいのです。

日本語能力を測る検定としては「日本語能力試験」があり、目安にされます。

でも、面接型の試験ではないので、日常的な会話が理解できる「N2」を持っていても、レベルはバラバラ。

それに、アルバイトで使っている日本語会話だけでは、簡単な接客言葉しか理解できません。

実際に企業で働くためには、まさに「ビジネス日本語会話」のような言葉遣いも使いこなす必要があります。

そんなコミュニケーション力を伸ばすためには、交流の場を増やすことが一番の近道なのですが…。

日々機会を見つけ、できるだけ日本語会話力を上げることも、面談の中で伝えます。


キャリアコンサルティングを受けたことがある人

名古屋でのキャリアコンサルタント養成講座も終わりに近づいてきました。

模索し、試行錯誤を続ける中で、受講生の方から出る質問の内容も徐々に具体的になり、悩みの中にも変化が感じられます。

一歩一歩です。

思い返せば、この講座の初日に自己紹介をしていただいたとき、何人もの方がキャリアコンサルティングを受けた経験を語り、身近なキャリアコンサルタントの方との経緯を語りました。

もちろん、世間的には認知度も機会もまだまだですが、実際にキャリアコンサルタントを目指す方が、キャリアコンサルティングを受けたり、キャリアコンサルタントと出会ったりしていることを実感します。

平成29年に労働政策研究・研修機構(JILPT)が9,950名に行った調査では、キャリアコンサルティングを受けたことがある方は11.2%

まだまだ少数派です。

内訳をみると、若い世代が多く、17.3%(20代後半)とか、15.7%(30代後半)とか

少ない40代後半(7.5%)と比べたら2倍も開きがあります。

ここには、大学のキャリアセンターの影響は大きいですね。

他に受けたことのある方は、大企業の方に多い。

相談制度が整っているからでしょう。

ただ、相談した経験がない方でも、約3割がキャリアコンサルティングを受けてみたいと希望している、という結果も出ています。

私も、一人のキャリアコンサルタントとして、まさにまだ経験のない方々へ、少しでも力になれる機会を探っていこうと思います。


テレワークを体感する(後編)

始業終業の管理は、メールや電話の報告でできるし、勤怠管理ツールを使えば手間もかかりません。

サボっていないかの確認も、労務管理ツールやパソコン画面の閲覧、始業・終業時の報告の徹底でクリア。

「プレゼンス管理ツール」を使えば、在席確認や業務状況を把握して、リアルタイムで業務の推進状況まで管理できるのです。

他にも、スケジュール管理ツールや、会議システムのカメラ機能でチェックもできます。

時代は変化し、大がかりなシステムではなく、様々な管理ツールを企業に合わせてカスタマイズできるのです。

すぐに会議できるアプリや、情報を共有できるクラウドサービスだって増えました。

説明を聞けば聞くほど、テレワークを取り入れることで、「会社にいることが仕事」というあり方も、徐々に過去のものとなっていくと感じます。

だから、求人や社員の定着にも効果があると、応募者が激増した企業の例にも納得でした。

出産・育児や介護との両立ができず離職率が高い企業が、採用難の中、新入社員獲得して一から育て直す…そのやり方はどうなのでしょう?

その労力は、現在働く社員のために。

「働きたい人が働けるようにする制度」

ぜひ広まって欲しいものです。

おみやげに、「テレワーク導入のためのO&A」やら「テレワーク関連ツール一覧」やら、たくさん資料をいただきました。

IMG_3921

そして、お昼はせっかくの静岡、新鮮なまぐろ丼のランチを!

IMG_3916

また明日からがんばれそうです(^^)


テレワークを体験する(前編)

働き方改革の中にも含まれているテレワーク

情報通信技術(ICT)を活用して、時間や場所を有効活用する働き方です。

在宅勤務や移動先でのモバイルワーク、駅近くのサテライトオフィス勤務などがこれにあたります。

まだまだ大企業のものというイメージがありますが、クライエントさんの話の中にも出てくるようになりました。

そんな中、実際にパソコンを使いながら体感できる機会があると知り、参加してきました!

名古屋でも開催していたのですが予定が合わず、静岡での参加。

IMG_3899_thumb 

静岡駅では、ちびまる子ちゃんがお出迎え。

静岡はいい天気です。

IMG_3902_thumb1

私は会社組織に属していないので、テレワークを実際に体験する機会がなかなかなく、今回は興味津々。

IMG_3905_thumb1

全体の解説が終わると、いよいよ実際にパソコンを使って、テレワークを体験です。

隣の方と、在宅勤務を想定して、チャットや対面で会話。

これは、LINEやスカイプを使ったことがあれば、使い勝手は同じなので、何なくクリア。

更には、近くの方と会議を体験したり、同じ画面を共有しながら作業を進めたり、といったことも体験。

実際にやってみることで、テレワークのイメージがぐっと身近になりました。

 


「就活ルール」がなくなる?(2)大学生側から考える

「就活ルール」がなくなると…。

立場が違うと意見も全く違うから、この問題は意見が割れるのです。

「大学生」とひとくくりに言っても、

①自力で外資系企業だってガンガン行動できる層

②大企業に入れる可能性の高い国公立・有名私大で、そこそこ就活がんばる層

③決められたスケジュールがあるから、周りのみんなと一緒に活動する層

④周囲のサポートがないとなかなか動けない層

⑤活動はしていても、コミュニケーションが不得意で、現状のコミュ力重視の就活ではなかなか結果が出せない層

などなど、様々です。

その中の①⑤は、全く違う意味で、スケジュールに影響をうけることはあまりない。

そして②はスケジュールが無くなれば、青田刈りの対象でしょう。

問題は③と④

しかも、③は大学生にはとても多いのです。

この層が、スケジュールがないのにどうやって就職活動を始め、就職先を決めるか。

実際の大学での就職支援行事で、大学側が対象の中心と考えているのも、そして実際の参加者も、この層です。

でも、経団連の方々の想定している「大学生」は①②じゃないかと。

「優秀な人材が海外流出」の心配をしていますが、「就職できなかった学生が増える」という問題だってあるのです。

スケジュールが無くなり、「決まり」「ルール」がないのに自分で動く。

今どきの大学生にとって、このハードルは高いように感じます。

採用活動の時期が自由になれば、大学・企業・地域などが、この③④層を巻き込んでいく機会を今以上に考えていくことになりそうです。

あでも、企業の「本音」と「建て前」を探りながら就活している学生たちを見ていると、ルールがなくなれば、「分かりやすい」就活にはなりますね。


「就活ルール」がなくなる?(1)立場によって意見はいろいろ

経団連会長が「就活ルール」廃止と発言し、話題になっています。

経団連の「指針」をもとに決められていた大学新卒の就職活動のスケジュールがなくなるかも。

来年度4年生になる学生の活動を含め、ここ4年間は、3月から会社説明会、6月から面接、そして10月に内定。

そんなスケジュールにのって、大学生たちは就職活動をしてきました。

でも、それは建前。

外資系企業は、そんなスケジュールお構いなく、早くも3年生の秋冬には内定が出ていました。

日本の企業でも、ソフトバンクやユニクロのように、既に通年採用をしている企業もあります。

スケジュールを守るはずの経団連加盟企業だって、6月前に「面談」という名の面接を行なったり、社員がリクルーターとして接触して来たり…。

ただ6月1日に、すでに選考しておいた学生たちを集めて、形式だけの面接をしている感じ。

まあ、スケジュールを守らなくても罰則もないですし。

それから、大企業より遥かに数の多い中小企業は、学生にいくら内定を出しても、大企業に後から内定を出されて辞退した分、また採用活動を。

スケジュールがあるばっかりに、企業も学生も振り回されている感じでした。

かといって、採用担当者を増やしたり採用費用をかけたりと、一年中採用活動ができるほど体力のある企業がどれだけあるか。

早く内定を出せば、入社まで繋ぎとめる努力も人事の方々には必要ですし。

採用する企業側でも、優秀な人材の採用にどれだけコストをかけられる企業かによって、「ルール廃止」への意見もいろいろです。


「eスポーツのプロ選手」という選択肢

ジャカルタ・アジア大会で初の公開競技となった「eスポーツ」

まだまだ何のこと?という人も多いでしょうが、対戦型ゲームを使ったプロゲーマーが勝敗を競う競技です。

日本はまだまだ普及していないですが、アメリカや韓国では高額賞金が出る大会も開催されています。

そして、現実に日本でも「eスポーツ選手募集」という求人があるのです。

大学4年生と面談していたら、就職活動を始めて最初に、eスポーツのプロチーム選手へ応募したとのこと。

残念ながら通過しなかったそうですが、その理由も本人曰く、「以前書き込んだTwitterで口が悪かったから」だとか。

いや~、時代は変わりましたね。

男子学生が、「任天堂」「バンダイナムコ」「スクウエア・エニックス」など、ゲームメーカーのエントリーシートを添削に持って来るのは以前からよくありました。

でもさすがに、「eスポーツのプロ選手」に応募という話は、高校生の頃にやっとゲーム機が普及し始めた私にとって、時代が変わったことを痛感する出来事でした。

AIの発達で無くなる仕事の話ばかり出ますが、こうして新たに生まれる職業もある訳で、キャリアを専門とするからには、否定するのではなく、情報を得ながら時代とともに進んでいく必要を感じます。

そもそも、ゲームはスポーツなのか?賛否両論ですね。

とはいっても、2019年の茨城国体では都道府県対抗の大会も開催され、近い将来、オリンピック競技になる可能性もあるのです。

相反して、WHO(世界保健機関)が「ゲーム障害」を疾患として認めたばかり。

いずれにしても、ゲームを無視しして今後は語れない時代に入ったようです。


「やりがい」は、周りの人の言葉から生まれる

事務職の女性の方と面談をしていたら、「やりがいとか、よく分からないです」と。

事務職は滞りなく業務が進むことが当たり前。

その維持のために努力を続けていても、なかなか成果を実感しにくい職種です。

営業職は「ノルマがイヤ」という声もある一方で、自分がやったことが形になって評価に繋がる職種でもあります。

企業にもよりますが、事務職は、個人名で仕事を評価されることも少なく、「事務員さん」なんて呼ばれることも。

そんな仕事の「やりがい」はいつ感じるのでしょう?

エン・ジャパンが求人・転職サービスの「エン転職」利用者9,297名に行った調査で、「やりがいを感じること」を聞いています。

1位 お礼や感謝の言葉をもらう 62%(女性は69%)

2位 仕事の成果を認められること 56%(女性は63%)

やはり「言葉で評価されること」は仕事の「やりがい」に直結するようです。

つまり、事務職の部下にモチベーションや成長意欲を実感してもらうには、成果を言葉で評価することが大切なポイントになります。

お礼や感謝の言葉をいただき、成果を認められることで、自身の存在価値が実感でき、仕事のモチベーションも上がります。

上司のみならず、周りに事務職の方がいたら、日頃の当たり前に対する尽力に、感謝の言葉を伝えてみませんか。


セルフ・キャリアドック制度は、ひと段落

昨年度中にセルフ・キャリアドック制度の申請をした方との面談が終了しました。

企業で働く方と、「働く」今を一緒に見つめ、今後の方向性を考えていく面談制度です。

助成金を活用した制度ということで、この仕事に携わるかどうかは、同じキャリアコンサルタント同士でも賛否両論。

判断が分かれる業務でした。

私も迷ったうえで携わることにしたのですが、実際に面談にお伺いすればするほど必要性を痛感。

面談した方にとって有意義な機会だと実感する場面ばかりでした。

大企業であれば、育成という視点で、会社がその企業内での社員のキャリア形成を担います。

でも、中小企業はその機会が少ないため、客観的な視点で自分の「働き方」を考えたり、中長期的に将来のことを考えたり、という機会が無かった方も多く…。

「明日への力」となる面談を私自身も心がけ、臨んできました。

生活と仕事のバランスはどうしていきたいのか、将来もそうなのか、今後に活かせる自分の強みは何か、会社の中で自分には何を求められているのか、そしてこれから必要になる力は何か…。

性別・年齢・役職・今までの経験・大切にしていることなど、人によって働く上での状況は様々で、そんなことをあらためて考える、有意義な時間となりました。

1年半の間に、自動車販売店や保険会社の方に始まり、製造業や福祉施設の方・税理士・IT企業のシステムエンジニア・瓦職人・トリマー・アイリストなどなど、64名の方とお会いしました。

私にとっても、今まで出会ったことのない職業の方と向き合う貴重な機会であり、貴重な経験。

今後へ、いかに活かすか。

新たな課題です。


大学生の就職支援の経験が役立つところ

今春から、職業訓練の受講生の方へ、1ヶ月に1回キャリアコンサルティングを担当しています。

前回お伺いしたのは3か月間の「離職者訓練」

つまり、お仕事を辞め、失業保険をいただきながら次の仕事へ向けてスキルを身につけたい、という方対象の訓練です。

そして、今回は6か月間の「デュアル訓練」

3ヶ月間の訓練でスキルを身につけ、そのスキルを活かし、実際に企業で3か月間実習をするコースです。

職場での実習がセットになっていることもあり、仕事の経験が少ない若年者を中心に、ステップを経て職場定着を目指していきます。

実習での仕事ぶりが認められ、その実習先へ就職する、ということもあるのです。

今回面談した方の中には、まだ社会人経験のない「既卒者」(大学卒業後未就職者)も。

そういった「既卒者」の方へは、大学生の就活支援の経験が役立ちます。

普段大学生と話している「自己PR」や「志望動機」の説明も、活かすことができます。

さらに、実際に「働く」イメージを持ってもらうために、次回面談までに仕事の内容を調べてくる約束もできました。

振り返れば、以前職業訓練で就職支援をしていた時にはできなかった支援です。

でも、5年間の経験を経て身につけ、それを今向き合っている方へ役立てることができました。

キャリア支援のフィールドは、とても幅広い…。

そのことを意識して、様々な経験を積むことの大切さを、あらためて実感しました。

やっぱり、日々精進。