以前なかった仕事~アイリスト~

最近は、AIによって「将来なくなる仕事」の話題が多いですが、反対に、私たちの周りには「以前なかった仕事」だってたくさんあるのです。

その一つが「アイリスト」

まつ毛エクステ(エクステンション)やらまつ毛パーマをしてくれる、まつ毛ケアのプロフェッショナルです。

まつ毛エクステでは、人口毛を専用の接着剤で自分のまつ毛につけて、ぱっちりした目元にすることができます。

つける本数・太さ・長さ・カールの種類で印象も変わるので、イメージに合わせて相談しながら決めていくことができるのです。

私はやっていただいたことはないのですが、一緒に働いていた方が「朝のメイクがとっても楽!」と大喜びしていましたし、今では気軽に通える場所になっています。

一時期、目元に薬剤やピンセットを使って繊細な作業をすることで、かぶれたり炎症を起こしたりと健康被害が話題になったこともありました。

そのため、平成20年に通達が出され、今は「美容師免許」を持っている人しか施術できない制度になっています。

同じ資格で携わっていても、美容師との違いは様々あって、

座って施術する、シャンプーで手が荒れない、受付からカウンセリング・施術・アフターケアまで一人で担当できる、設備が少なく独立しやすい、などなど。

女性で美容師免許を取られた方で、アイリストを目指す方も多いそうです。

先日面談でお会いした方もまだ20代半ばの女性でしたが、単に作業の提供だけでなく、お客様との信頼関係を築いてその方に合ったサービスを提供したいと、意欲にあふれた魅力的な方でした。

こうして意欲ある方が新しい仕事を広げ、高めてくれるのも将来的に楽しみです。

そう言えば「キャリアコンサルタント」も新しい仕事。

「アイリスト」の彼女に負けず、必要とされる仕事ができるよう、日々精進…です!


女性の人生において「働く」ことを考える

先日、セルフキャリアドック制度でお伺いしたお二人の女性のお話で実感したのは、女性こそより「長期的目線」でキャリアを考えることが大切だということ。

お一人目はまだ若いトリマーさん。

看板犬に迎えられての面談でした。

専門職ということもあり、働き方と結婚・出産といった人生の節目には密接な関係があります。

将来的に独立も考えられる仕事ではありますが、その道を選ぶのかどうかも大きな選択の一つ。

長期的な視点で考えてみることが大切です。

もう一人は宅地建物取引士の資格もお持ちの不動産会社にお勤めの方。

既に子供さんは高校生ですが、ご主人の転勤や子供さんの進学と、ご自身の思いとは異なる動きに巻き込まれ、仕事も生活もその状況に合わせてこられました。

働くことでのやりがいや充実感は大切でも、家族との生活も大切ですし、なかなか「自分の人生」に関する選択に踏み切れない場合も多いのです。

ただ、人生は長いのです。

「人生100年時代」とも言われています。

仕事か生活か、家族か自分か、という2択で迷うのではなく、両方ともバランスを取りながら選んでいくことも考えていきたい。

それに、そのバランスはずっと同じでなくてもいいのです。

例えば子供の成長に合わせて、家庭中心の時期、仕事に重点を置く時期と、バランスを調整していくこともできます。

大変な時はどうしても視野が狭くなり、目の前のことに手いっぱいになりがちですが、そんなときこそ、人生を長期的に見て、その将来のための小さな一歩を歩みだすことが大切です。

例え些細なことでも自分の意思で行動し始めることで、気持ちも前向きになり、「自分らしい人生」を感じることもできるのです。


自分でも気づいていなかった「受け止め方」

性別も年齢も職業も肩書も、性格や価値観も、本当に様々な方と接する機会が多い仕事なので、私は自分では受け止め方に偏りがないと思っていました。

でも実際に、小さな部品工場の社長さんが同世代の女性だったとき、「へぇ~、珍しいな」と感じました。

私の中で、女性社長は「当たり前」ではなかったのです。

障がい者就労継続支援施設で大声を上げた通所者の方を前にどう対応していいか分からなかったとき、障がい者も自分と変わらないと思っていたのに、偏見の種みたいなものが自分の中にもあることに気づきました。

もちろん、そんな種は無いに越したことはないのですが、そこは現実の話。

価値観だって、「そうは思わないんだけど」と話を聞いて思うこともあれば、「この方の考え方は私に似ている」と思うこともあります。

それぞれ大切なのは、「私はそう感じた」「私はそう思う」という自分のフィルターがかかっていることを意識することです。

どんなにフラットな気持ちで受け止めたと思っていても、受け止め方には自分のフィルターがかかるのです。

このところ、自分でも気づいていなかった「受け止め方」を体感し、いろいろな人と接して様々な行動を経験することは大切だと、改めて気づきました。

同じ顔ぶれ同じ行動範囲では、自分の反応が当たり前になって気づかなくなります。

まだまだ私にも「自分らしい」受け止め方があることに気づき、その点を分かったうえで、できる限りフラットな気持ちで関わることの大切さを再認識した出来事でした。


「家業を継ぐ」という選択

雪が舞う中、キャリアコンサルティングでお伺いした事業所では、いろいろな事情を経て、父・兄・弟の家族3人が同じ会社で働いていました。

家族と一緒に働くといえば、週一回お伺いしている大学でも、親が自営の学生とその話題になります。

「家を継ぐの?」と聞くと、「まだ親とははっきり話していないけど…」という学生も。

大学生ともなれば、親は何も言わずともいろいろと考えているようです。

就職活動をして企業へ就職はするけれど、将来的には家業を継ぐことを考えているという話。

じゃあどんな方向へ就職活動していくか、というやりとりに。

家業を見て育ったとはいえ、その時点では子供の目線。

実際に事業として成長させ、従業員の生活を意識するとなると、話は別です。

そのために必要なことは何か、一緒に考えていきます。

近い業界での営業経験なのか、全く異なる業界の視点なのか、新しい事業を形にする経験なのか…。

自分も一緒に働き、先々経営にも関わっていくという視点を持って考え、できることならその視点で親と話すことを勧めています。

やはりその道のプロですし、「子」が「同志」になることを親にも実感してもらうことは大切です。

親はいつまでも子供のままだと思って、子供がそんなことを考えている実感がない場合が多いのです。

子は親の経験や実績をもとに学び、親は子の新たな視点と思いを持って取り組む姿勢を尊重する。

そんな関係で家業を成長させていってほしいと思います。


私にとっての「メンター」

久しぶりに浜松へ行って懐かしかった…と言って思い出すのは、新入社員の頃、机が向かい合わせだったMさんのこと。

その方は、当時40代半ばの男性の方でした。

同じ山梨県出身なうえ、出身大学も同じだったこともあり、私を子分のようにかわいがってくれました。

まだワープロが主流の時代に、パソコンのエクセル機能をMさんに教えてもらいながら身につけたことで、私はその後の仕事でパソコンに自信が持てました。

仕事だけでなく、仕事帰りに一人暮らしの私をお寿司屋さんへ連れて行ってくれ、「社会」を学ばせてくれました。

取引先との接待で、スタンドマイクを振り回し、世良公則さんの「あんたのバラード」を熱唱していた姿は今でも忘れられません。

Mさんは典型的「B型」と言われ、周囲は振り回されることも多かったのですが、私にとっては、仕事に対する考え方や姿勢、分からない仕事の対応など、とても頼りになる存在でした。

私がその会社を辞め、結婚し長男を出産した半年後、Mさんが病気で亡くなったことを知らされました。

まだ生まれて半年の長男を伴って浜松での葬儀に向かったのですが、出棺に間に合わず…。

「遅いよ~」と空から言われているような気がしました。

働く上で「メンター」の存在が話題に出ます。

制度として設定している企業もあります。

メンターは指導や助言をする存在なのですが、精神的な支えとなることも大切な役割です。

仕事、会社、そして社会を客観的に捉え

相談すると私の仕事も客観的に評価してくれ

社会で働くことや、仕事に取り組む姿勢の見本となる

私にとって、Mさんはそんな存在でした。

Mさんがこう言っていたな~、なんてことを、25年以上たった今でも思い出し、私は先へ進んでいます。


日本で働こうとしている留学生たち

毎週お伺いしている大学には、留学生が年々増えてきています。

中国・ベトナム・タイなどを中心に、中にはウズベキスタンから留学している学生もいます。

昨日もベトナム出身の女子学生と面談。

4年生なので就職の話には力が入ります。

「もし卒業までに就職が決まらなくても、帰国しないで日本で就職活動したい」とのこと。

留学生は「留学ビザ」で滞在しているので、卒業後は、就職が決まった企業からいただいた書類とともに手続きし、「就労ビザ」に切り替える必要があるのです。

でも、卒業までに就職が決まらなかった場合、手続きをすると「短期滞在ビザ」で最長半年間ビザが延長され、その間は日本で就職活動することもできます。

日本での外国人就労については、最近よく話題に出ます。

「外国人実習生への賃金未払い」などは、テレビでも取り上げられて話題になっていました。

今後、観光だけでなく、日本に働くために来る外国人が増えるにつれ、多くの場でより多くの問題が出てくると思います。

根本的に、日本は島国ですから、他の国の人が流れ込んでくるということを想定していないですし…。

理由はさておき、「日本で働きたい」と語る彼女の思いをまずは結果に繋げられるよう話をし、面接の練習をしているうちに、元気のなかった彼女も徐々に笑顔に。

その笑顔で働く彼女たちを、日本の社会はどう受け入れていくのでしょうか。

考えさせられますね。


私の冬休み<東京編>

大阪で元気をもらった翌日は東京へ。

新幹線が米原付近の雪で少し遅れ気味だったので、予定より一足早く家を出ました。

晴れ渡る富士山を横目に見つつ、2時間もかからずあっという間の東京です。

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とてもよいお天気だったので、観光客に混ざって東京駅舎をパチリ

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天気がいいと高層ビルも映えます。

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東京での仕事中、「スクールソーシャルワーカー」の話題がでました。

「スクールソーシャルワーカー」は、それぞれの子供に向き合うだけでなく、その家族や教員の他、様々な機関と連携を取りつつ、関わる環境の中で問題解決を図る仕事です。

虐待や不登校など、活躍の場は多いのです。

今はまだ配置されている学校も少ないのですが、今後教員の働き方が調整され、問題解決に対する意識の変化が進むと、活躍の場も広がると思います。

実はキャリアコンサルタントも、個別面談だけでなく、環境への働きかけは大切な役割として示されています。

ただ相談に来る相手を待つだけでなく、自分から働きかけて関係者の連携や調整に役立つよう関わっていくことが求められるのです。

と、新たな方向性を考えつつも、仕事は終わり。

おみやげに、限定販売していた「パンダ」の東京ばな奈を。

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仕事にはしっかり向き合いつつも、それ以外で楽しみが続いた週末。

年末年始は特に遠出もしなかった私にとって、一足遅い「冬休み」となりました。


「地域限定正社員」って昔はなかったよね(後編)

面談を通じて話を聞いていると、私が就職したころとは違い、今の大学生は生活も大切にして仕事を選んでいるように感じます。

これを、昭和世代に話すと、「生ぬるい」とか「私が若い頃は…」というコメントになる場合も多いのですが…。

でも、高度成長期やバブルの時代のように、生活を意識しなくても、働いていれば収入が右肩上がりだったり、働く上での努力で生活も向上させられたりしていた時代は、もうありません。

それに、長時間労働をし、有休を我慢して取らず、転勤を受け入れいても、それでも日本の生産性は高くはないのです。

「時間をかけること」や「移動すること」といった、外から見て分かる部分だけに価値を置いていては、内容は良くなりません。

時代は変わり、交通機関の発達で日帰り移動できる地域も広がりました。

インターネットも普及し、自宅にいながら夜中でも直接お店と取引きできる便利な世の中。

離島だって海外だって、スカイプを使えば顔を見ながらやりとりができます。

会社へ出社しなくても、自宅や自宅近くの場所で仕事ができるテレワークも、徐々に普及し始めています。

少子高齢化で働き手は減り、数少ない若者や、今まで働いていなかった女性や高齢者も一緒に働く時代になっています。

転勤を伴う働き方が「総合職」のスタンダードだった時代はもう変わっていくのかもしれません。

転勤がよくないというより、それぞれの方向性や事情に合わせて、選択できる世の中になるといいですね

誰もが働きやすく、働く中で自分の成長を感じ、働くことを通じて人生も豊かになる…そんな世の中になるよう、まずは身近なところから。

私もできることから、いっぽいっぽ、今後も取り組んでいきたいです。


「地域限定正社員」って昔はなかったよね(前編)

JILPT(労働政策研究・研修機構)が2018年春に就職する大学生へ行なった調査結果が発表されていました。

その調査項目の中に「地域限定正社員」についての報告が。

「地域限定正社員」といえば、ここ数年増えている採用枠で、転居を伴う転勤がない正社員のことです。

金融機関(銀行や保険会社など)や小売業(ユニクロなど)で取り入れている企業が多いですね。

正社員(総合職)として働きたいけれど、転勤はしたくない…と、女性を中心に人気があります。

さらに、無限定の正社員との相互転換を認めていて、状況に合わせて変わることのできる企業も出てきています。

もちろん、「地域限定正社員」のキャリアステップや業務内容、権限、待遇などが、転勤のある正社員と違う企業もあるので、確認して選んでいくことが大切です。

実際に大学生と面談していると、地元を離れたくないとか、将来のことを考えると全国転勤のある企業を選ぶことには抵抗がある、といった学生さんがいます。

特に愛知は地元志向が強いため、就職活動を始める時点では「地域限定正社員か一般職」を目指して活動する女子学生の方が多いのです。

この調査によると、就職活動前の希望調査では「ぜひ応募したい」と「処遇に大きな差がなければ応募したい」という学生は合わせて、

男性で64.2%、女性で82・4%、男女合計では72.6%。

大人気です。

ところが、就職活動を経て、実際に地域限定正社員に内定したのは、当初希望していた男女のうち、合計28.6%に過ぎません。

比較的枠の多い女子学生でも35%程度。

結局、希望はしたものの、現実の就職活動の中で、希望する業界で採用がないため妥協したり、競争倍率の高さに他の枠へ応募して結果を得たりと、現実対応していったようです。


人生何度でもやり直しができる世の中へ

先日、通信制大学の入学説明会に携わってきました。

来場者と面談しつつ、本当に様々な方が、更に学ぼうと行動に移されていることに感心するばかり。

キャリアアップのために資格を目指される方、現場の対応に活かせる学びを得つつ資格をと考えている方、などなど。

他にも、大学の通信教育ということで、大学卒業つまり学士取得を目指される方もいました。

今まで何らかの理由で、大学進学や大学卒業に至らなかった方々です。

人生、階段を上るように一段一段順調に上がっていければそれに越したことはないのですが、そうとも限りません。

自分の意思で、あるいは不本意ながら、途中で違う方向へ行ったり歩みを止めたりと、いろいろある訳です。

でも、また機会があれば、思いを「いつでも」「どこでも」行動に移せる…そんな選択肢は多いほうがいいですね。

人生に、「この道が正解!」なんてないですし。

私も過去に、大学ではないけれど通信講座で学んだ経験が何度かあるのですが、時代は進み、インターネットや映像を使って授業や試験をする便利な内容には、感心するばかり。

去年の2倍近い方が来場されたと聞き、その熱気あふれる会場で、新たな学びへと歩き出そうとする多くの方々のお話を伺いつつ、心からエールを送りました。